製作編19
電源系の配線が終わったので、信号系の配線を行います。
信号入力ラインの配線
本機には、アンバランス入力とバランス入力の2系統あります。どちらもリアパネルの端子からプリアンプの入力用端子台に配線します。アンバランス入力はRCAピンジャックで入力しますが、この配線にもベルデン1503A2芯シールド線を使用します。2芯は束ねて信号線として使います。
プリアンプ側への配線は、解りやすいように正面から見て右側に右チャンネルを配線しました。次にバランス入力ラインを配線します。XLRコネクタにはHotとColdの接続仕様に2通りあり、一部の市販のアンプでは、スイッチでHotとColdの入れ替えができる製品が販売されていますが、私の製作では全て以下の仕様に統一しています。
1pin:GND
2pin:Hot
3pin:Cold
アンバランス入力と同様にバランス信号もプリアンプ基板の端子台へ配線しました。2芯シールド線の端子台への接続は、被覆を長めに剥いてGND線を端子台に接続した時に根元まで入る位置でカットし、2本の信号線は長さに余裕をもって皮むきをします。2本の信号線は線径が細く容易にフォーミングできるので、ループ状にして先端を端子台に差し込みました。
ヘッドフォンアンプ入力ラインの配線
ボリュームでレベル調整した信号をヘッドフォンアンプの入力用端子台に接続します。4連ボリュームの手前側の2つをR-channel用とし、一番手前をHot、隣をColdとして使用しました。GNDはHot/Coldで共通なのでボリュームの端の2端子を単線を使ってショートさせました。L-channelも同様に配線します。
ここで気づきましたが、現状ヘンドフォンアンプへのGNDの配線は、入力用シールド線のGNDのみです。さすがにアンバランスヘッドフォン駆動時の戻り電流を、シールド線のGND配線で電源に戻すのは無理があるので、電源基板のGNDとヘッドフォンアンプのGNDをダイレクトに接続する事にしました。電源基板側は+/-9V出力端子台のGNDターミナルが空いているので、ここを使用しました。
ヘッドフォンアンプ側は、+/-12V電源入力用端子台のGNDターミナルへ接続しました。
このため、シールド配線側(信号線)のGND接続を途中で切ってGNDループを回避することにします。このあたりも動作確認の中でハムのレベルを確認して最終仕様を決めたいとおもいます。
入力切り替え回路接続
プリアンプ出力を、ロータリースイッチで切り替えて、選択した信号をボリュームに入力します。ロータリースイッチは3ポジションありますが、この段階ではアンバランス-バランス変換出力と、バランス入力のプリアンプ出力の2種類のみ配線する事にします。途中で仕様追加したバランス入力のダイレクト接続のポジションは配線せずにオープンとしておきます。ロータリースイッチは、切り替え入力用の端子が外側に12個と、切り替え出力用端子がその内側に4個が花びら状に並んでいます。ハンダ付けの順番を考えないと、配線済みの配線の被覆を、ハンダ付けの際に焦がしてしまいます。少々配線の被覆を焦がしましたが、なんとかハンダ付けを完了しました。
プリアンプ出力の端子台の処理は写真のとおりです。
ロータリースイッチの配線時に信号線のみ接続し、GND配線は接続せずに裸のまま放置してあります。ここでGNDループを切ることを考えていますが、結果が良くない場合を考慮して、GND線はカットせずにそのままむき出しとしています。問題なければ後でカットします。最後にロータリースイッチで選択した信号をボリュームに入力するための配線を行います。装置内を空中で横切る配置となり、見栄えが良くないですが仕方ありません。
次回は、ヘッドフォンジャックへの配線をし、通電確認を行います。
つづく(製作編20)