真空管アンプの製作(EL34pp)製作編1

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製作編1

前回までで回路設計が完了したので、製作にとりかかります。部品選定、加工図面作成、部品実装、配線、調整を行っていきます。まずはシャーシから。

シャーシの決定

 シャーシ上に実装する大物部品をリストアップします。
・出力トランス RX-40-5 x2 w83xd78xh107
・電源トランス ノグチ PMC-190HG w103xd86xh75
・EL34 4本
・12AX7 2本
・基板 電源用 x1 72x47
・基板 終段用(定電流回路、バイアス回路)x2 47.5x36

上記の部品を実際に並べて、必要なサイズを見積もります。
製作するアンプは、バランス構成なのでこだわって左右シンメトリな配置とします。

その他条件
・手加工ができること(アルミ板厚=1.5mm程度)
真空管を実装してひっくり返して検討ができること
・塗装なしでもそれなりに見えること

上記を総合して、シャーシはリードのMK-380としました。大物部品の配置は、余裕がありますが真空管アンプ初製作ということもあり、実装リスクをとらずにこのままいきます。ホントは実装密度を上げた方が格好良く見えるんですが・・・

・リードMK-380の仕様
 シャーシ寸法=380x230x50
 ボンネット高さ=130
 シャーシ材質 A1050P t=1.5

加工図面の作成

加工図面作成に当たって、フリーの二次元CADソフトを導入しました。ネット検索するといくつか見つかりましたが、AR_CADに決めました。SHFWEBから会員登録するとソフトがダウンロードできます。CADソフトを使うのは、初めてでしたが、丸一日くらい使ったところ慣れました。ポイントは、スナップ機能の使い方のような気がします。

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シャーシ上面

前面一列に真空管を並べます。中心に12AX7 2本を、脇にEL34 2本づつを配置します。EL34の後ろに基板をシャーシ内に配置し、上面から基板上のIpオフセット調整用の半固定抵抗にアクセスできるように穴あけします。背面側にトランス3つを配置しますが、電源トランスは重いのでアンプの重心バランスを考えてセンターよりに配置しました。電源トランスを前に移動したことで出来たスペースのシャーシ内側に電源用の基板を配置します。基板はスペースの関係上、シャーシを挟んで電源トランスとオーバーラップさせました。それぞれの基板脇のφ6.1の2つの穴は、チップジャック用のもので調整時にテスタの端子を挿します。ラグ板、トランジスタ取り付け用の穴は組立時に他部品とのクリアランスを確認してあけることにします。

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フロント・リアパネル

フロントはシンプルに、電源用のトグルスイッチとLEDのみです。電気部品ではありませんがパネルの左右にスイッチ保護用のハンドルをつけました。ホームセンターで見つけたもので、角材固定用の金具でしょうか?(設計編2のキャッチ写真参照)リアパネルの部品は基本シンメトリ配置とします。端から入力用のXLRパネルコネクタ、スピーカーターミナル、センターに電源インレットとヒューズホルダを配置しました。フロントパネルと同様に、左右にスピーカーターミナル保護用に金具を取り付けています。この金具、実はアンプの持ち運び時大変重宝します。

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シャーシ加工

穴空け加工で使用する工具を紹介します。
・シャーシパンチ
ハンドニブラ
・ドリル、ステップドリル
・リーマー
・ヤスリ
センターポンチ

CADで作成した加工図を等倍で印刷して、カットしてシャーシに貼ります。ドリルで穴を空ける位置と角穴の角にポンチで印をつけます。後はひたすら穴空けに没頭します。塗装の予定がないので、傷をつけないように注意して作業します。部品ごとに穴空けを行い、穴が空いたら部品の取り付けをその都度確認して、問題があれば修正をします。

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フロントパネルおよびリアパネルも同様に穴空け加工します。
全て完了したら、基板以外の部品を取り付けて完成です。(本記事のキャッチ写真参照)


つづく(製作編2)