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BTL_A級DCパワーアンプ製作編3

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製作編3

今回は、基板組立と放熱器へのトランジスタ取り付けについて紹介します

電圧増幅段用電源基板

回路のボリュームを考慮して、基板サイズを72 x 47mmとしました。要求電流が26mAと小さいことから、全波整流後のリップルも小さく押さえらるため、動作中トランジスタにかける電圧はあまり大きくする必要がありません。このためトランス1次側の110Vタップを選択し、全波整流後の電圧を下げました。この結果、全波整流後電圧が21.6Vとなり、電源出力が13.5Vなのでトランジスタにかかる電圧は8Vとなりました。トランジスタの消費電力は約210mWに押さえられたため放熱は不要です。電源LED赤用のプラス電源は、安定化前から出力してトランジスタの負荷を減らしました。このランプは、スタンバイ中に点灯させるため動作中の電源ループを考慮する必要がないのでプラス電源のみ配線することとします。

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電力増幅段用電源基板

10,000uF/16Vの電解コンデンサを10個実装します。この電解コンデンサのサイズはφ18なので、5本を2列に並べるとして、基板サイズを95 x 72mmとしました。電源ランプ用のプラス電源は動作中に緑点灯させるため電源ループを考慮してGND線も配線します。トランスの1次側は90Vのタップを使用し、出力電圧を8.6Vに調整しました。各電解コンデンサの接続は、ハンダ付けに手間がかかりますが、φ1mmのポリウレタン銅線を使用し、配線インピーダンスを考慮しました。尚、マイナス側のR15は、電源ランプの消費電流とバランスを取るために入れています。

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アンプ基板

電源基板は、それぞれ2枚づつ組立ましたが、アンプ基板は実装部品点数が多いうえに、4枚組立が必要です。気合いを入れて取り組まないと終わりません。基板は余裕をみて、70 x 90mmを選択しました。部品は回路図どおりに配置するとわかりやすくなります。初段のDualFETは、8pinのdip用のソケットを使って実装しましたが、ハンダトラブル等の対処をしやすくするのが狙いです。2段目の温度補償用のトランジスタは、放熱器に固定するので、BCEそれぞれの接続用に端子を出しておきます。同じ基板を4枚組み上げるのはちょっとした精神修行、2枚組み上げた時点で飽きてしまい、3枚目は惰性で、4枚目は自分自身を騙して組立て、なんとか全基板の実装が終わりました。

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ドライバ・終段の実装

7個のトランジスタと、アンプ基板をヒートシンクに取り付けます。取り付けはM3のねじを使うため、放熱器1台あたりトータル11個のM3タップ処理が必要となります。加工用に図面を準備しますが、左用と右用の2種類が必要です。

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M3タップの下穴はφ2.5です。タップ処理は30年ぶりくらいで緊張しましたが、すぐに慣れました。この場所に切削油は使いたくなかったので、中性洗剤の原液で代用しました。アンプ基板は15mmのスタッドを立てて固定します。ドライバと終段のトランジスタは、秋月で購入したTO-220用の放熱シートを挟み、念のためプラネジを使って固定しました。温度補償用トランジスタは、基板をカットし、写真のとおりトランジスタの足をL字に曲げてパッケージ正面が放熱器に密着するように取り付けます。基板と放熱器間のクリアランスは、径の大きなM4ナットと、平ワッシャの枚数で調整しました。ヒートシンクへの部品取り付けはこれで完了です。(本記事のキャッチ写真参照)この写真をSNSに掲載したところ、大学時代のオーディオ仲間からNFBループが長くなりすぎるとの指摘を受けました。真空管アンプの響きの美しさの要因としてNFBの関与が考えられるため、指摘を真摯に受けとめてNFBループを短くするために部品配置を再検討することとしました。

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つづく(製作編4)