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BTL_A級DCパワーアンプ製作編4

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製作編4

前回NFBループに関する指摘を受け、部品配置を見直す方針としました。その具体的な対応結果および、基板通電確認について紹介します。その前に、真空管アンプ製作時に波形確認用として購入したポケットオシロを紹介します。

ポケットオシロDS203

このオシロスコープは、オープンハード・オープンソフトのため、数社からほぼ同じ仕様のものが販売されています。私の購入したものはサインソニック社のもので、アマゾンで約20,000円でした。サンプリング72MHz 4chでプログラマブルな発振器も内蔵しています。発売当初は、いろいろなアプリケーション(ロジアナ、RS-232Cデコーダ等)が開発発表されましたが、現在は落ち着いています。私はWildcatとというアプリケーションをインストールして使っていますが、オシロユーザーインターフェースが別物となり、FFT等いくつかの機能が追加されています。ボタン8個のインターフェースは決して使いやすくはありませんが、波形が見られることのメリットは使いにくさと同じ天秤には乗せられないと感じています。ただ、あと2万円弱お金を出せば、低価格な普通のオシロが買えるのでお財布との相談になりますが・・・。

NFBループの短縮

さて本題に戻ります。NFBループを短縮するために、ヒートシンク上のドライバを基板上に移すことを検討しました。この対応のメリット・デメリットは以下のとおりです。
・デメリット
 基板へ電力増幅段用の電源の配線2本が必要
 ドライバ放熱検討が必要
 基板から放熱器トランジスタへの配線が2本から3本に増える
・メリット
 基板単体でアンプの動作確認が可能
 放熱器トランジスタ側の配線がシンプルになる
ドライバの消費電力は、トランジスタ当たり約260mW(8.6V x 30mA)なので放熱器なしで問題ありません。基板への電源配線が増えてしまいますが、上記のメリットを考えると躊躇するほどの事はありません。早速作業を開始することとしました。ヒートシンク上の両端のトランジスタがドライバです。(製作編3キャッチ写真参照)これを基板上に移します。幸い基板サイズに余裕があったため移設改造自体問題ありません。

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基板通電確認

電源は組み上げた電源基板をトランスに接続して使用します。まずは基板単体の動作確認を行います。温度補償用のトランジスタを通電確認用に接続し、温度補償回路のボリュームは抵抗値最大にセットします。初段のオフセット調整用ボリュームと2段目のコレクタ電流調整用ボリュームはセンターにセットします。電源オンし、電源電圧、初段の電圧、2段目の電圧をチェックします。問題なければ、温度補償回路のボリュームを回し、ドライバの電流を所定の半分程度まで流します。その状態で初段のボリュームと2段目のボリュームを交互に調整し、各部の電圧を追い込みます。調整しても出力オフセット電圧が不安定で追い込みきれません。さてはと思い、出力をオシロにつないだところ、案の定発振してました。設計編1掲載の回路図の位相補償用のコンデンサは、当初C01=5pF, C06なしでした。この段階でC01=10pFとすることで、発振を止めることができました。基板4枚ともに同様の対策を行い確認を終えました。

終段トランジスタの配線

終段はパラレル構成のため、NPN, PNPともにトランジスタ2個と、それぞれのトランジスタのエミッタ抵抗を配線します。トランジスタの足は、ショート防止のため、小さくカットした基板にハンダづけします。電源線は太さを上げずにそれぞれのトランジスタから専用に配線しました。4本のエミッタ抵抗は、φ1mmのポリウレタン銅線にハンダ付けして1つにまとめて出力信号を取り出しました。

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アンプ通電確認

いよいよ終段まで含めたトータルの通電確認です。ドライバ段までは基板レベルで確認ができているので、特に終段のアイドル電流に注意しがなら調整を行います。終段の電流を所定の8割程度まで上げて、オフセットを再度調整します。今回もオフセット電圧が不安定な状況となり、改めて出力をオシロで確認したところ、やはり発振してました。C01を10pFから20pFに上げても治まらず、C01=10pF, C06=10pFでも止まらずに、最終的に、C01=10pF, C06=20pFで発振を止めることができました。改めてオフセットの調整と終段の電流の調整を繰り返し、納得できるレベルまで追い込むことができました。終段の電流は、電源オンから除々に上昇し、温度補償用のトランジスタに熱が伝わった時点で除々に下がります。温度補償用のトランジスタの設置場所変更と、温度補償回路のゲインの見直し(ゲインを下げる)で対策可能ですが、許容範囲内のドリフトなのでこのままいきます。残り3セットも同様の対応で動作確認を完了しました。選別対応からここまで、ゴールデンウィークを挟み1ヶ月半、BTL方式を採用していることもあり、真空管アンプに比べ比較にならない程手間がかかっています。トランジスタアンプよりも真空管アンプの方が自作に適していると改めて実感しました。次回はケースへの実装を行っていきます。

 

つづく(製作編5)