読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

DCパワーアンプメンテナンス構想編2

f:id:torusanada98:20160823072449j:plain

メンテナンス構想編2

メンテナンスを行うDCパワーアンプの残りの概要を紹介します。

ヒートシンク

L-ch用、R-ch用独立したヒートシンクそれぞれに終段およびドライバ用のトランジスタを取り付けています。終段はNEC製コンプリメンタリ品で今では珍しいメタルキャンパッケージ(TO-3)品です。PNP品の表示は赤でお洒落ですが、開発当時オーディオ用途は花形だった為にこういう部分にもお金がかけられたんだと思います。この終段用の2SC2337Aと2SA1007Aについては別途紹介します。写真には写っていませんが、ヒートシンク写真の裏側にドライバ用のトランジスタ東芝製の2SC2238と2SA968が実装されています。パッケージはTO220のモールドタイプですが、こちらもPNPのモールド色がライトグリーンとなっていてお洒落です。写真を撮りたかったのですが、配線が邪魔して撮れませんでした。仕方がないので「Head-Fi」様のページに掲載されていたものを転載させていただきました。

f:id:torusanada98:20160823072531j:plain

終段ハイftトランジスタ2SC2337A/2SA1007A

このトランジスタですが、これも電解コンデンサと同様に大先輩から当時いただいたものです。このアンプを製作後も、BTLステレオ分の部品が残りましたが、先に書いたとおり、実家の立て替えの際に廃棄されてしまいました。大変もったいないことをしてしまいました。このトランジスタですがつい最近までリングエミッタトランジスタという呼称のハイft品だと思っていましたが、調べてみるとこの名称は富士通製のハイftトランジスタのものでした。NECの物はエミッタバラストトランジスタが正解です。当時他社も特別な呼称こそつけていませんでしたが、こぞってハイftパワートランジスタを開発していました。オーディオが全盛期の時代で、パワーアンプのスペックとして唱いやすい帯域幅を延ばすためにネックとなっていたパワートランジスタのftをIC技術を利用して上げたものです。このアンプで使用したエミッタバラストトランジスタの構造を簡単に言ってしまうとハイftを実現しやすい小容量のトランジスタを並列に接続して大容量化したものです。単純に並列化するだけでは特性のばらつきにより、特定のトランジスタに電流が集中するため、いっしょにエミッタ抵抗も作り込んで並列化してトランジスタ間のばらつきによる電流の集中を防ぐ構造となっているとのことです。ネット検索によれば、このトランジスタ内部には75個のトランジスタが並列接続されているとのことでした。並列による弊害としてはCobが大きくなる点です。参考として、前回紹介したBTL A級DCアンプのドライバおよび終段で使用したトランジスタとの特性比較表を掲載します。ftだけを見ると30年以上前の開発品にも関わらず高い値となっています。

f:id:torusanada98:20160823072617p:plain

エミッタバラストトランジスタで検索してみると、当時の高級パワーアンプが複数検索でみつかります。マランツSM-7、DENON PMA-850、TRIO L-07Mなどです。それらにまじって比較的最近発売されたソニーのアンプ内蔵のUSB-DACが複数見つかり、つい最近までこの名称のパワートランジスタ採用を売り文句にしている事がわかりました。それらに使用されている現在のパワートランジスタのftが気になりましたが、残念ながら情報みつけられませんでした。今回はトランジスタの紹介が長くなってしまったので、予定を変更して回路の紹介を次回にしたいとおもいます。

 

つづく(メンテナンス構想編3)