読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

DCパワーアンプメンテナンス構想編3

f:id:torusanada98:20160827133833j:plain

メンテナンス構想編3

メンテナンスを行うDCパワーアンプ仕様について前回先送りした部分を紹介します。

シャーシ下

次の写真はシャーシ下のものです。比較的太い線で電源が配線されています。ヒートシンク下にアンプ基板が配置され、ドライバおよび終段間の配線距離を縮めています。RCA入力ジャックからアンプ基板はモガミ電線の同軸ケーブルで最短に配線されています。作業性無視の当時のこだわりが感じられます。前回の記事で説明が漏れてしまいましたが、スピーカーターミナルは当初各チャンネル2個ついていたところ、改造によりスピーカーケーブル直出とし、ターミナルを1つ外してそこから機外へ出しています。スピーカーケーブルは日立電線のSSX-104が使用されていますが、これも当時のこだわりを感じます。配線の結束にはインシュロックタイが一切使われず、代わりにビニールの線が使われていて時代を感じます。

f:id:torusanada98:20160827134017j:plain

電源回路

当時の資料を探していますが、未だ見つけられていません。代わりに見つかったのが前々回紹介した「ラジオ技術」誌だけです。仕方がないので回路を起こし直します。電源回路は配線を目で追うだけなので大した事はありません。電解コンデンサが複数実装されていますが、NTK 47000uF以外は全て電圧増幅段のチョークインプット電源のものでした。チョークインプット電源の1kΩの抵抗は、チョークコイルを有効に働かせるためのバイアス電流を流すもので、+/-電源ともに約30mA(約1W)に設定されてます。電源制御は、前回紹介したBTL A級DCパワーアンプが踏襲した仕様で、AC100Vを接続すると電圧増幅段の電源が入り赤のランプが点灯し(スタンバイ状態)、トグルSWオンで終段の電源が入り緑のLEDが点灯します(動作状態)。唯一違う点は、赤のランプがネオン管のためダイレクトにAC100Vを入力しています。尚、緑のランプはLEDのためそれぞれ独立のランプとなり、正面パネルのメータ下に並んで配置しています。BTL A級DCパワーアンプ設計の際に、通販でパイロットランプ用にネオン管探しましたが見つけられませんでした。そのおかげで、2色LEDの採用により正面パネルがすっきりしました。

f:id:torusanada98:20160827134126p:plain

アイドル時の各電源のリップル波形をモニタしておきます。最初の波形が終段+電源のリップル波形です。リップルは0.16Vppですが、充電から放電切り替わり時に急峻に電圧が下がっている点が気になります。次の波形は終段ー電源のリップル波形です。レベルを含めて+側と同じ傾向を示しています。電圧増幅段用電源も波形確認しましたが、リップルは確認できませんでした。

■終段+電源リップル波形

f:id:torusanada98:20160827134226j:plain

■終段ー電源リップル波形

f:id:torusanada98:20160827134354j:plain

アンプ回路

こちらは電源回路の様にはいかず、回路を起こすのは気合いが必要です。基板をざっと眺めたところ、初段dual FET+dual FETによるカスコードブートストラップ接続差動アンプ、次段は普通の差動アンプにダイオード2本を使ったドライバ用のバイアス回路、ドライバ+終段の構成となっているようです。分解する前に各部の電圧と発振の有無の確認をしておきます。ざっと起こした回路を掲載します。基板を取り外した後で正確な回路図を改めて掲載します。

f:id:torusanada98:20160827134524j:plain

f:id:torusanada98:20160827134636p:plain

電解コンデンサチェック

電解コンデンサは生モノとよく言われますが、内部の電解液が時間とともに外部へ揮発し劣化する消耗品だからです。30年以上経過したこのアンプに実装されている電解コンデンサの状態を定量的に確認したいとおもい、またまたおもちゃを買ってしまいました。LCR-T4というマルチテスターですが、私はESRメーターとして使用します。(本記事キャッチ写真参照)私の購入したものは約2800円でしたが、細かな仕様違いのものがアマゾンで1800円くらいから購入できるようです。簡単に仕様を紹介します。

コンデンサ  :25pF-100mF(分解能1pF)
        2uF以上のコンデンサはESR測定可能(分解能10mΩ)
インダクタンス:0.01mH-20H
抵抗     :0.1Ω-50MΩ
Si測定対象  :NPN/PNPトランジスタダイオードサイリスタ、n/p-ch MOSFET
他機能    :Selftestモード

本記事のキャッチ写真は、NPNトランジスタ測定時の様子ですが、今回はこれを使って実装されている全ての電解コンデンサの状態を確認したいと考えています。次の写真は470uFの電解コンデンサを測定したときの画面表示ですが、容量の他にESR(Equivalent Series Resistance、等価直列抵抗)値も測定されます。このESR値は、静電容量とともに電解コンデンサの状態を判断するための有力な情報となります。次回は実装された電解コンデンサをこのESRテスターを使って測定して状態の判定をする予定です。

f:id:torusanada98:20160827134729j:plain

 

つづく(改修編1)