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2016インターナショナルオーディオショウ(番外編2)

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番外編2

9/30~10/2国際フォーラムで開催された2016インターナショナルオーディオショウの見学報告をします。今回はアンプメーカー3社の展示について感想を含めて紹介します。

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株式会社トライオード

実はこの会社、私は良く知りませんでした。昨年末(2015年)に初めて真空管アンプの設計製作を行った際に、「真空管アンプ」でネット検索するとたくさんの製品がヒットしました。価格もそれほど高くなく気になっていました。たまたまfostexの隣にブースを構えていたことからのぞいてみることにしました。デモの紹介の前に、ネットで確認したことを書き出します。設立は1994年です。私がオーディオから遠ざかっていた時期なので知らないのも無理はありません。本拠地は埼玉県越谷市です。トライオードの製品は一部トランジスタアンプも扱っていますが真空管アンプが中心です。それ以外に、英国スペンドール(スピーカー)、カナダクロノス(ターンテーブル)の日本総輸入代理店としてブランドを持っています。

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デモの状況

私が参加したのは、アナログ試聴クロノスProのコマでした。とはいえ、このアナログプレーヤーが特別にフォーカスされていた印象ははなく、トライオード社が扱う製品の音を印象的に聴かせるスタイルのデモとなっていました。クロノスはカナダのターンテーブルのブランドで、写真の棚の上段に2台設置されています。双方向二重回転板ターンテーブルを特長としていて、見た目のインパクトは強烈でした。上下2段のターンテーブルが逆方向に駆動されており、パンフレットによるとターンテーブルの回転によって生じる捻転力を上下2段のターンテーブルを逆方向に同じスピードで回転させることで打ち消すことができるとのことです。

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アンプは同社のフラグシップTRX-M845が使用されていました。バランス入力モノラルパワーアンプで、出力段は845のパラシングル構成となっており、純A級で50Wを出力します。発売は2011年で価格は1台約80万円です。

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スピーカーはスペンドールSP200が使われていました。30cmウーハー2発の密閉型のフロアータイプで、発売は今月(10月)との事です。価格はペア240万円と値段もなかなかのものです。デモは、クロノスのコマということで、LPを聴かせるスタイルで曲間の曲の説明や説明者ご自身の趣味の話など、直接オーディオに関係ない話も含めて楽しく曲を聴くことができました。

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デモの中で一番印象に残ったのは、因幡晃の「わかってください」です。丁度40年前の録音ですが、彼曰くアナログが一番のハイレゾとの説明どおりすばらしい鳴りっぷりでした。おそらく、ターンテーブル、アンプ、スピーカーの組み合わせが良く、敢えて言えば密閉型フロアータイプのスペンドールの音が私好みだったのかもしれません。このデモを聴いて、改めて真空管シングルアンプを設計製作したいとおもいました。このようなデモをされてしまい、私の中でのトライオードのポジションが大きなものとなりました。まさに私が考えるオーディオショウのデモというような構成で、楽しい1コマでした。

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ラックスマン株式会社

私が参加したコマは、オーディオ評論家の角田先生の講演によるものでした。講演の中で本人も言ってましたが、ハイレゾを今まで推進してきたとのことですが、電子書籍同様、実体のない物は広まりにくいとおっしゃってました。デモの中心は、同社のトランジスタアンプの最高峰M-900uです。このアンプをBTL接続でモノラルアンプとして使用し、B&Wの802 D3をドライブしていました。ソースはLPとCDの両方が使われていました。

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このアンプは超弩級で、ステレオ時150W+150W(8Ω)と普通ですが、ひとたびBTL接続で負荷2Ωとなった場合2400Wの出力が出せる(瞬間最大)と唱われています。発売は2013年末で定価は110万円です。

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回路も超弩級で4パラプッシュプルの終段をさらにパラレル接続し、スピーカーの駆動力を上げています。さらにこれをBTL接続とした場合、1個のスピーカーを16組の終段のコンプリメンタリペアが駆動することになります。

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組み合わせて使用されていたスピーカーは、英国のB&W社の802 D3です。ネットで確認してみると、英国の有名なスタジオにも導入されているとのことですが、価格は1本180万円もすることがわかりました。デモは、角田先生による選曲と思われますが、CD, LPを織り交ぜて行われました。音の印象は、明るい感じの音でスピーカーの個性なのかアンプの音なのか判断できませんでした。アンプのデモは、スピーカーのデモに比べて難しいとおもいます。アンプはいかにスピーカーを鳴らすかがポイントとなりますが、鳴らしこまれたスピーカーの個性も音に現れます。そのスピーカーの音の傾向がわかっていないとアンプの評価は難しいのではないでしょうか?

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角田先生の曲間の解説ですが、とにかくこのアンプはまじめに作られていて、コストパフォーマンスが高い事を強調していました。設計者と社長との音とコストに関するしのぎあいに関する内情を暴露し、CPの高さの裏付けとしていました。さすがに講演慣れしているので、トークは安心して聞くことができましたが、立場上ラックス押しをしなければならない事と、公平な評価をしなければならない事が、メーカー関係者による進行と大きく異なる点だと感じました。個人的には、思い入れのあるメーカー関係者の話の方が聞き応えがあるようにおもいました。講演の最後で、「オーディオ趣味の方はのめり込み過ぎて周りとの関係を軽視するきらいがあるので、たまには他の事もやりましょう!」とアドバイスしていました。心にとめておきたいとおもいます。

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アキュフェーズ株式会社

最後は、日本のトランジスタアンプメーカーの王者(と私がおもっている)アキュフェーズ株式会社です。デモは再生中心で進行は会社関係者が行っていました。パワーアンプ中心の展示となっており、正面にA-70とM-6200が設置され、スピーカーはB&W, YAMAHA, TADが選択可能となっていました。王者の展示とでもいいましょうか、お客様の要望でその場で使用機器を切り替えて再生デモを行っていました。私が聴いていたときは、M-6200とTADの組み合わせで、お客様が持参したSACDの曲を演奏していました。機器の選択状態は、正面のディスプレイに表示されます。

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M-6200はAB級のモノラルパワーアンプで、150W(8Ω)、1200W(1Ω)と先ほど聴いてきたラックスマンのM-900uのモノラル版とも言えるような構成です。逆にラックスマンがこのアンプの構成のままステレオ化したと言うべきでしょうか。但し終段の構成はモノラルアンプで16パラレルプッシュプルとなっており、チャンネルあたりM-900uの2倍のトランジスタが終段で使われています。価格は90万円です。電源のケミコンは48,000uFx2個と唱われており、先日メンテナンスした私のアンプの47,000uFx2は贅沢な部品選定と改めて感じました。

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私が参加したコマのデモで選択されていたスピーカーはTAD-E1でした。価格は1本約110万円です。このスピーカーのトゥイーターには、蒸着法で加工したベリリウム振動板が使われていることが本記事を書いていてわかりました。ベリリウムを使った製造工程は現在労働法の制約があると考えられますが、TADの音への拘りからその制約を乗り越えて実現していると考えられます。トゥイーターとスコーカーは同軸構成で3way 4スピーカーです。インピーダンスは、めずらしく4Ωとなっています。高級アンプと組み合わせて大電力を入力する為の仕様と思われます。デモの音ですが、国内メーカートップクラスのアンプとスピーカーの組み合わせでもあり艶もあり美しい音でした。他メーカーが自社のデモでアキュフェーズのアンプを選択している事が理解できます。TADのスピーカーですが、デモ時点でトゥイーターがベリリウム振動板ということが解っていたらそれなりの聴き方していたとおもいますが、それができずに残念に思ってます。ラックスマンのデモの音よりもこちらの方が私にはしっくりきましたが、ベリリウム振動板が採用されたスピーカーが選択されていたことに一因があるかもしれません。

まとめ

TADブースのデモも聴いてみたかったのですが、入場が整理券制の為に断念しました。音をじっくり聴かせるための仕組みだとおもいますので仕方ありません。入場無料でこれだけ楽しめましたのでオーディオに興味がある方にとっては良いイベントだったとおもいます。実はこの翌週(10月9日、10日)は真空管オーディオフェアが開催されますが、これも見に行ってしまいそうです。おもしろいものがあればまた紹介したいとおもいます。

 

おわり