バランス入力シングルパワーアンプ製作(設計編3)

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設計編3

今回はシャーシ設計を行い、それに従ってシャーシ加工の準備を進めます。

シャーシ設計

設計中のシングルアンプ(S1605)ですが、EL34pp(S1503)と出力トランスを除いてキーパーツが共通です。シャーシ加工図を作成するにあたって、唯一異なる出力トランスの外形および取り付けの確認を行います。ソフトンのRW-20ですが、確認の結果前回EL34pp(S1503)で使用した出力トランスRX-40-5と外形寸法および取り付け寸法ともに共通な事がわかりました。シャーシを前回同様にリードのMK-380を使用すれば、前回の図面をそのまま加工図として使用できます。S1503で配置上問題がないため見栄えはS1503機と変わりませんが、シャーシも共通設計で進める事とします。

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シャーシ加工図

S1503製作時にフリーの二次元CAD AR_CADで作成したデータを引っ張りだします。前回、リアパネル加工図作成後に、シャーシ内部部品との取り合いの関係から土壇場で配置を左右逆転させました。CADのミラー機能を使ってひっくり返し、そのまま加工へ進めたために、XLRパネルコネクタ取り付けのねじ穴が反対側の対角配置となってしまい、リワークをしてしまいました。この時に図面を直せば良かったのですがそのまま放置し、さらにこんな事をすっかり忘れてしまい、S1604(A級 BTL_DCアンプ)でXLRコネクタ加工部分をそのままコピペして加工図面を作ってしまって同じ過ちを繰り返してしまいました。さすがにこの時はメーカーに加工を依頼した物に対してリワークをしたという事もあり、大いに反省をしました。その時の教訓として、たとえ自分の設計でも流用元は信じないこととし、流用時に必ず必要な確認を行う事にしました。

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S1503では、ターミナルガードとして特殊な形状の金具を使用しましたが、フロント側のSWガードに使ったハンドル形状のものに変更します。こちらの金具の方が幅を取らない為部品のクリアランス上メリットがあります。

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正面パネルは、SWガードを含めて配置上特に問題がなかったので、ハンドル固定用の穴を追加だけしてそのまま図面を流用します。

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S1503は電源基板の配置に苦労しました。(写真参照)それを改善するには電源トランスの位置を手前側にずらす必要がありますが、トランスの前側も初段の真空管を挟む形でラグ板を配置したため、余裕がありません。仕方ありませんので、今回も同じ配置で進めることにします。

・S1503(EL34pp機)部品配置

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シャーシ加工の準備

各穴開け加工ごとに部品の取り付けを確認するために、大物部品を準備します。出力トランスは見た目が前回同様ではおもしろくないため、今回はシャーシと同色のシルバーを選択したかったのですが、メーカーへコンタクトしたところ欠品だったため、残念ですが今回も黒を選択しました。

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前回同様に全て部品を通販で準備する予定ですが、支払いはカードが使えるところはカードで、使えないところは銀行振込で処理します。代引は便利ですが手数料がかかります。銀行支払いはネットバンクを利用すると月ごとの回数制限はありますが振り込み手数料がかかりません。購入先が多くなると手数料もばかにならないためささやかながらの工夫です。加工図の印刷はA3横出力します。出力後にそれぞれ外形に沿って切り抜きシャーシに貼り付けます。これで加工準備は完了です。次回は実際に加工を進めていきます。

 

つづく(設計編4)