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バランス入力シングルパワーアンプ製作(設計編4)

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設計編4

終段ロードライン設計の誤りに気づき、設計を全て見直しました。

設計の誤り

パラレル駆動の設計は今回初めてという事もあり、通勤電車の中で真空管の動作をつらつらと考えていたところ、先に行ったロードライン設計に重大な誤りがあることに気づきました。先日行った設計は、真空管1本の動作前提でロードラインを引き、最大出力のみを2本分の考慮をしました。しかし、実動作はVg変動に対するIpの変化は真空管2本分(2倍)となり、負荷インピーダンス3.6kΩにかかる電圧は真空管1本時の2倍となります。言い換えると、真空管1本前提でロードラインを考える場合は、負荷インピーダンスを2倍の7.2kΩとする必要がありました。このため、急遽設計を全て見直しました。

終段ロードライン再設計

前回設計に比べて、ロードラインが寝てしまい、設計の条件が悪くなります。すでに電源トランス、出力トランスを発注したこともあり、この条件で設計を進めます。検討の結果、S1503(EL34pp機)のバイアス値に近い、Ip=33mA, Vp=255Vとしました。この条件にて前回同様に最大出力とアイドル時の真空管1本あたりの消費電力を計算しておきます。交流最大出力電流Ippはロードラインから約27mAと読みとれます。真空管2本で倍の54mAです。最大出力時交流実効電流値Irmsは以下となります。

Irms = 54 / 1.41 = 38.3mA

 

この時の最大出力Pmaxは以下となります。

Pmax = 3600 x (0.0383)^2 = 5.28W

 

アイドル時の真空管1本あたりの消費電力Pidleは以下となります。

Pidel = 255 x 0.033 = 8.4W

 

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初段ロードラインの再設計

見直しの結果、S1503(EL34pp機)とほぼ同等のロードラインとなりました。Ip=0.75mA, Vp=155V, Vg=-1.4Vです。終段から初段に要求される出力電圧は+/-20Vなので、ロードライン上狭い範囲となります。初段の回路構成が差動なので、前回同様シビアな設計は行わずに周りの設計に合わせてロードライン引いています。

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回路の見直し

見直しの結果、電源回路はS1503と同じ設計に戻しました。唯一B2の消費電流が、140mAから132mAに下がっていますが誤差範囲です。

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アンプの終段回路を見直した点は、カソード抵抗を330Ωから510Ωに、交流をバイパスする電解コンデンサを220uFから100uFに変更しました。初段はIpの変更に伴い、定電流ダイオードを1mA品から1.5mA品に変更しています。

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シャーシ加工の準備

ここから前回の続きに戻ります。シャーシ加工に入る前に、ざっと部品を発注します。前回使用した部品が今回も手に入る保証がないからです。シャーシ加工に関わる部品が入手できない場合は、部品再選定、必要があれば加工図の修正を行います。送料を考慮すると1店舗あたり1回の発注で済ましたいところですが、製作初期は買い残しをしてしまい、現実的にはせめて2回で収めることを目指します。

部品表

部品発注の為に、作成した回路図、シャーシ加工図を元に部品表をまとめます。前回同様にアンプ部と電源部に分けて作成しました。今までの製作の残部品をチェックしてから発注を行います。上記の設計見直し前に部品表の作成まで行っていましたが、幸い大物部品以外の発注は行っていなかったため実害は発生しませんでした。

■アンプ部部品表

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■電源部部品表

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上記の部品表の価格は、S1503製作時(2016年1月頃)のものなので現在の価格とは違っている部分があるとおもいます。ご了承ください。

今回、恥ずかしいところを晒してしまいましたが、引き続きおつきあいいただけると幸いです。次回は今度こそ部品の収集からシャーシ加工を進めていきます。

 

つづく(製作編1)