バランス入力シングルパワーアンプ製作(製作編2)

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製作編2

前回引き続きシャーシ加工を進めます。今回はリアパネル加工を行います。

リアパネル

取り付ける部品は、フロントパネルとは異なり数も多く、穴径も大きい上に丸穴以外の加工が必要なため、フロントパネル加工よりも数段手間がかかります。取り付ける部品は、XLRパネルコネクタ2個、スピーカーターミナル4個、ACインレット1個、ヒューズホルダ1個、ターミナルガード2個です。

XLRパネルコネクタ取り付け穴加工

フロントパネルと同様に、加工図を貼り付け、ポンチで穴開け位置に目印をつけて、ドリルで穴を開けていきます。XLRパネルコネクタ取り付けには、φ21の変形丸穴と固定用のφ3のねじ用穴2個が必要です。φ21の変形丸穴の加工精度に自信がないため、固定用のφ3のねじ用の穴は現物合わせで位置出して穴開けは最後に行います。特に丸穴以外の加工は仕上げが難しいため、できる限り加工面が隠れるような部品を選定しています。出来上がりの見栄えを良くするための工夫です。

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φ21の丸穴はシャーシパンチを使って穴開けしますが、シャーシパンチは歯をセットする為にφ10の穴が必要です。そのためにドリルでφ6の穴を開けて、その後はステップドリル(通称タケノコ)を使って穴を広げます。ステップドリルの歯の径は2mmステップですが、φ16くらいまでの穴は比較的簡単に開けられます。

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ステップドリルは、切削油を使うときれいに穴が開けられます。私は中性洗剤の原液を油差しに入れて代用していますが、工作対象を汚さずに切削油の機能も果たしています。

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φ10の穴が開いたら、シャーシパンチの歯をセットします。私のシャーシパンチはホーザン製で、アルミ板であれば1.8mmまで穴開けでき、歯のサイズとしては16/18/21/25/30mmの5種類から選択可能です。

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シャーシパンチは力がいりますが、短時間できれいに穴が開けられます。この後の丸穴の変形加工は金ヤスリで行います。穴の上方は平ヤスリで、残りの3方は丸やすりで現品が収まるように確認しながら削ります。本体が完全に収まるようになったら、取り付け角度を確認し、問題がなければ現物合わせで固定用のねじ穴2個を開けるための目印をつけて、φ3.2の穴を開ければ完了です。

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スピーカーターミナル取り付け穴加工

まずはステップドリルを使ってφ12の穴を開けます。回り止め用のノッチ部分を穴の下方に角形状の金ヤスリを使って削ります。

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ACインレット取り付け穴加工

ACインレットの取り付けには、27x40mmのカク穴の両サイドに固定用のねじ穴が2個必要です。ポンチで固定用のねじ2カ所とカク穴の4角、カク穴の穴開け用にハンドニブラの歯を入れる為の穴用の計7カ所に印を付けます。加工図面を剥がした後でカク穴4角の目印を使ってマジックで切り取り用の線を引きます。

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ハンドニブラの歯を入れる為の穴径はφ10です。ハンドニブラをご存じない方もいるかとおもいますが、形状こそ異なりますが、金属用の爪切りのようなものです。切り取り線にそって1回で約1mmづつカットしていきます。ハンドニブラの製品仕様によると、アルミ板であれば2.0mmまでカットできるとなっていますが、2mm厚のアルミ板の加工には相当な握力がいるとおもいます。今回採用のシャーシのアルミ厚は1.5mmでしたが、穴開け後に暫く手がしびれてました。

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カク穴が開いたら金ヤスリで仕上げます。最後に固定用のねじ穴と位置があっている事を確認します。穴位置がズレていた場合は、カク穴をヤスリで削り位置出しをします。

ヒューズホルダ・ターミナルガード取り付け穴加工

残りは、ヒューズホルダとターミナルガードです。ヒューズホルダはφ12の丸穴なので、ステップドリルで穴開けしました。ターミナルガードは、フロントパネルのSWガードと同じ部品なので、φ6の穴をフロント加工時と同様に穴開けします。最後に、部品を全て仮固定して問題ないことを確認します。(本記事のキャッチ写真参照)次回はシャーシ上面の加工を行います。

 

つづく(製作編3)