マルチアンプ実験3(製作編1)

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製作編1

部品および工具の準備が整ったのでNS-1000Mをマルチアンプ対応に改造します。

ターミナルパネルの加工

t=0.8mm 300 x 400mmのアルミ板から2本分のターミナル用のパネルを作ります。

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面積的にはだいぶ余裕があります。いつものように加工図面を等倍に印刷し、外形図に沿って切り取ります。切り取った加工図を、アルミ板の2辺にそって貼り付け、穴位置にポンチで印を付けます。力を加減しないと板厚が薄いので歪んでしまいます。続いてカット用に残り2辺に切取線を引きます。加工図を剥がして2辺を金切り鋏でカットしてゆきます。安物の金切り鋏なので、鋏の連結部に加工板が当たってしまい簡単には切り進めません。こんな事なら多少高くても加工対象の板を逃げる構造のものを購入すべきでした。多少歪んでしまいましたが、なんとか2辺のカットができました。次に穴を開けてゆきます。最初に2mmのドリルで穴をあけ、3.2mmのドリルで穴径を広げます。ターミナル固定用の穴は、さらに6mmのドリルで穴を広げて、残りはリーマーで11mmまで穴を大きくします。バリがでるのでヤスリで仕上げます。だいたい11φ1穴の作業時間は5分でした。ターミナルパネル1枚分の6穴を広げるために約30分、好きじゃないとできません。最後に取り付け部分の形状に合わせて4スミを切り落とし、ヤスリをかけてR形状に仕上げました。

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補強板の加工

120 x 600mm t=14mmのラワン材をカット加工のみしてもらいました。120 x 160mmを予備を含めて3枚分です。この板のセンターにターミナルを逃がす角穴を開けます。ターミナル用アルミ板加工図面を準備した板の中心を合わせて置き、ターミナルを逃がすことができる長方形の4スミにキリで目印を付けます。この4スミに合わせてカット線を引き、押引鋸の刃を入れるために対向する2スミにφ6mmの穴を開けます。この穴から、カット線に沿って切っていきます。久しぶりの木工加工と、t=14mmの厚みのため押引鋸のカットは予想以上に苦労しました。正直なところ2枚の加工が限界です。

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ターミナルの加工

ターミナルは、バナナプラグ対応のものを購入しました。今回は左右分で計12個必要なので、従来アンプの出力に使用したものよりも価格が安い物を選定しました。それでも単価560円で、合計で税込み7,257円となりました。写真のとおり、樹脂部品2個でパネルを挟み込んで固定し、パネルとの絶縁が保たれます。回り止めの機構がないので、バナナプラグのみで運用した方が良さそうです。

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スピーカーユニットとの配線接続は、イモねじによる締め付けです。強く閉め込むとマイナスドライバを噛み込む部分から割れてしまうことがわかりました。仕方がないのでハンダ付けして使用します。ついでに配線側のターミナルも紹介します。金メッキバナナプラグ12本セットで1,123円と破格のお値段です。こちらはアマゾンで購入しました。決め手は今回必要な12本セットだった事です。プラグからの線の引き出しは直角方向となります。ターミナルと壁の隙間がない場合は重宝しそうです。

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加工済みの板金にターミナルを取り付けていきます。6個並んでも配線用のイモねじにアクセスできるように取り付けの向きを考慮しましたが、結局ハンダ付けすることになったので意味がなくなりました。

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最後に補強板をねじ止めします。合計10本のねじを打ちましたが予想以上に頑丈に仕上がりました。

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完成したターミナルパネルをスピーカーに取り付けますが、その前に各ターミナル上からツイーター、スコーカー、ウーハー用の配線をハンダ付けします。パネルを所定の位置にはめ込み、元々のパネルを固定していた木ねじで固定します。なかなかいい感じに仕上がりました。ターミナルの金色とパネルの銀色が成金仕様のように見えてしまいますが、設置後は見えなくなるのでそのままとします。(本記事アイキャッチ写真参照)

次回はもう1組のスピーカー改造と、ネットワークへの接続、チャンネルデバイダーのセットアップと音だしの為の最終セットアップを行います。

 

つづく(製作編2)