A級バランスHPアンプ製作(製作編13)

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製作編13

アンプ基板の実装が完了したので、電源基板の実装を行います。

電源回路

最初に設計をおさらいします。終段をA級動作させるために、発熱を考慮して終段の電源電圧を下げたため、片チャンネルあたり4電源となりました。バランスヘッドフォンの駆動用なので、左右独立電源に拘り、両チャンネルで倍の8電源が必要となりました。回路を簡略化するため全てを三端子レギュレータで構成しています。設計編で公開した回路図から少し変更しました。

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大もとの平滑用電解コンデンサにフィルムコンデンサを並列に追加しました。また電源ランプ用の電流制限用抵抗を買い忘れたため、手元在庫の4.7KΩに変更しました。

部品レイアウト

三端子レギュレータを使うとは言え、8電源を収める事と、消費電力面で+/-9V電源のレギュレータには放熱器を取り付けるため実装する大物部品が多いです。はじめに概略のレイアウトを決めないと搭載しきれない恐れがあります。熟考のうえ、放熱器を基板の長辺に並べて配置し、回路をその手前側に集中させる事にしました。+/-12Vはレギュレータに放熱器を付けない為、回路をコンパクトにまとめて短辺に片チャンネル分づつを配置することにしました。写真は構想した部品レイアウトにそって大物部品を配置したものです。

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三端子レギュレータ

今回は+/-12、+/-9VともにJRCの1A品を使用します。フルモールドタイプのTO-220Fパッケージです。

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ご存知かとはおもいますが、78xxが+電源用で79xxがー電源用で、xxに出力電圧が入ります。+とーで端子配置が異なっています。同じにすれば覚えやすいと以前から思っていましたが、この仕様の場合間違って使ってしまっても、レギュレータIC自体が壊れないのではと思い至りました。この考えは正しいのでしょうか?いや出力の電流の向きが逆なので壊れるのでしょうか?レギュレータICを電流の流れに対して正面を向けて配置すると配線が入れ子になりにくいと考えて、今回は出力用の基板端子台と全て対向させた配置をとっています。

放熱器の実装

放熱器は固定用に2つのピンが出ています。ユニバーサル基板のホールの穴間隔とあっていますが、穴径が小さい為広げる必要があります。最初に2mmのドリルの刃で広げたところガバガバになってしまったため、キリで様子を見ながら広げました。レギュレータの足3本と合わせて5本で、想定以上にしっかり固定されました。

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放熱器にはM3のネジ穴があり、そこへプラネジでレギュレータを固定しました。フルモールドなので金属ネジでも問題ないかもしれません。

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回路実装

出力のパスコン用に購入していたMUSE KZ 100uF/50V品はサイズ面から今回も使用を断念しました。念のため購入しておいたFine Gold 100uF/25V品をアンプ基板と同様に使用します。

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+/-12Vレギュレータは、実装効率を上げるため出力用の端子台に対向して並べて配置しました。あまり発熱しないとは言え、温度上昇が少し心配です。

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実装が完了しました。

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+/-12Vのレギュレータは、左右で平行移動した配置としているため、左右の端子台の出力の並びが反対となりました。配線時に注意が必要です。配線が完了しました。結果は写真のとおりです。

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被覆線は平滑後の電源を三端子レギュレータに入力する部分のみ使用しています。記事を書いていて気づきましたが、部品実装完成写真には電源ランプ用の2極の端子台が未実装でした。

通電確認

購入済みのトロイダルトランスを使うのは面倒なので、今回もユニバーサル電源からDC電圧を供給して動作確認を行います。

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AC12Vの振幅に相当する+/-16.8Vを端子台から供給します。定格の出力電圧が確認できたら、念のためDCの+/-入力を反対にします。同様に出力電圧を確認します。合わせて電源ランプ用の出力にLEDを接続して点灯を確認しました。各部の電圧は以下のとおりです。

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これで全ての基板の製作が終わったので、次回シャーシの加工に着手します。

 

つづく(製作編14)