製作編15
ケースの加工図面が完成したので、それを使って加工に着手します。
ケース
前回の記事で紹介したとおり、今回選択したケースはタカチ電機のUS-320LHです。アマゾンのマーケットプレースに出店しているストアから購入しました。日曜発注で、翌週の月曜日着と少々時間がかかりました。購入価格は8,340円でした。梱包はタカチ電機の物そのもので、US-260LHの梱包よりも数段大きなものでした。
開けてみます。中にはUS-260LH購入時と同様のコンパクトな梱包が入っていました。
中には分解された各部品がビニールに入れられて詰まっています。フロントとリアパネルを内部に収めることで梱包容積を小さくしています。
フロントパネル加工
久々の板金加工なので、慣れることも考慮して加工が単純な正面パネルから始めます。とは言え、正面パネルはキズ付けには細心の注意が必要なので気は抜けません。加工は丸穴のみで合計6カ所です。いつものように加工図をパネルの輪郭に沿って切り取ります。
穴の位置関係は加工図面で決まるため貼り付けは、神経質になる必要はありません。2次元CADを導入して一番楽になった作業です。
穴開け位置の中心にポンチで位置出しをします。その際にパネルのフランジを逃がす為と、ポンチを叩いた際の板金の歪みを防ぐ為にパネル内に収まり、フランジ長よりも厚い木板を敷きます。合計6カ所の穴のセンターに印を付けます。
小径の丸穴は、ドリル、ステップドリル、リーマーで開けます。
写真は常用している穴開け用のツールで左から2mm, 3mm, 3.2mm, 4.2mm,7.5mmのドリルと次がステップドリル、右端がリーマーです。はじめに2mmのドリルで穴を開け、ドリルの刃を太くして必要な穴径まで広げます。初めに6穴をドリルの刃が適合するサイズであけます。
次に各穴に部品が入る様に加工していきます。まずは電源ランプと電源スイッチを取り付けます。下穴はφ6で開けてあります。電源ランプはφ7なのでリーマーで1mm穴径を広げます。スイッチはφ6ですが、微妙に穴径を広げなければスイッチが入れられませんでした。
次にボリューム取り付け用の穴を開けます。下穴はφ8とφ3で開けています。軸の入る穴径をリーマーで1mm広げて軸が入るように加工します。この状態では回り止め用のボスが刺さらなかったのでリーマーで少し広げては入るかの確認を繰り返しました。回り止め用の穴がボスに対して緩くなるとボリュームを回しきった時の感触が格段に悪くなります。正しく装着できるようになったらヤスリでバリを取り完了です。
最後にヘッドフォン出力用のジャックを2個取り付けます。下穴をφ8で開けたので、そのままの状態で部品が入りました。この部分はヤスリを使ったバリ取りのみです。
フロントパネルへのジャックの取り付けは初めてなのでデザインが気になります。2つのジャックで色が違う事も気になっていましたが、こんな感じになりました。
一通り加工が終わったので、全ての部品を取り付けてデザインを確認しました。
せっかくなのでボリューム用のつまみも取り付けてみました。ツマミは価格は高いですが、見栄えも大事なのでφ45アルミ削り出しのものを今回も購入しました。共立エレショップで1,902円のものです。全てを取り付けたらこのようなデザインとなりました。
フロントパネルが完成すると、完成間近の実感が高まります。次回はリアパネルの加工をおこないますが、複雑な穴加工が多いので気合いを入れて臨みます。
つづく(製作編16)