A級バランスHPアンプ製作(製作編16)

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製作編16

前回、フロントパネルの加工が終わったので今回はリアパネルの加工を行います。

リアパネル

リアパネルには、RCAジャック、XLRパネルコネクタ、ロータリースイッチ、ヒューズホルダとACインレットを取り付けます。この中でXLRパネルコネクタ、ヒューズホルダとACインレットが丸穴以外の加工が必要となり、フロントパネルに比べて格段に手間がかかります。加工の準備として加工図面をカットして貼り付けます。

下穴開け

リアパネルには角穴を含めて合計で14個の穴を開けます。このうち部品固定用のビス穴が6個ありますが、現物合わせで後で開けるためこのタイミングでは下穴は8個開けます。ACインレットは角穴が必要ですがカット線を引くために四隅に印を付けます。穴のセンター8カ所と合わせて合計で12箇所にポンチで印をつけました。加工図面を剥がし、角穴用の四隅の印を使ってカット線をひきました。

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XLRパネルコネクタ用のφ21の穴はシャーシパンチで開けるため下穴径は10mmとします。ACインレット用の角穴はハンドニブラを使うため、この下穴径も10mmとしました。他丸穴はドリルの刃が適合するサイズで下穴を開けました。

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RCAジャック取り付け

下穴はφ8で開けました。RCAジャックは本体が入るだけではだめで、取り付け時外側の白い絶縁板の内径側の凸部が穴に収まるサイズにする必要があります。リーマーで様子を見ながら穴を広げていきます。絶縁板が収まったらもう1つも同様に加工します。

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XLRパネルコネクタ取り付け

下穴をφ10で開けています。φ21の穴はシャーシパンチを使用しますが、加工用の板金をはさみ込む様に内側に刃を、外側に押さえ用のコマをφ10のネジが切られたシャフトにセットします。

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軸にセットしたハンドルをテコの原理で回していきます。最初は容易に回りますが、刃が入っていくと、簡単には回らなくなります。休み休み、なんとか刃が全部入りました。同様にもう1つの穴も開けます。この作業が全工程の中で一番辛い気がします。もっと楽に穴を開けられる方法はないでしょうか?

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ここからはヤスリを駆使して必要な形状に加工します。φ21ではボディーが微妙に入らないため、全体的に穴径を広げます。続いて、パネルコネクタのロック機構を逃がす為に穴の上部を長方形状に削ります。最後に左右と下の3方向に円形のデッパリを逃がす加工をして完了です。どうしてこんな形状となっているか理解できませんが、セットするためにとにかくもう1つ分同様に加工します。

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ロータリースイッチ取り付け

下穴はφ8と回り止め用にφ3で穴開けしています。ボリュームの軸の穴をリーマーで1mm広げます。軸が入る用になったら回り止め用のボスが入るようにφ3の穴を少しづつ広げてゆきます。ボスが入るようになったらバリを取って完成です。

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軸のカットは、リアパネル完成時に行います。試しに回したところ、3接点以上にグルグルまわり、また発注を間違えたかとおもいましが、確認したところ、取り付け時にストッパの位置がずれただけでした。正しくセットしなおして、3接点に対応した動きとなりました。

ヒューズホルダ取り付け

下穴はφ12で開けてあります。上下にφ12.78の半円を付けた形状まで、ヤスリで削っていきます。それっぽい形状になったところで試しにセットして様子をみます。この作業を繰り返しセットできる形状まで追い込みます。

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ACインレット取り付け

下穴はφ10で開けてあります。そこへハンドニブラの刃を入れて、先に引いたカット線にそって切っていきます。爪切りのような仕組みなので、21x12の角穴を開けるだけでもかなりの回数のカット動作が必要です。切り終わったら、平ヤスリで形状をならします。

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固定用ビス穴あけ

最後にXLRパネルコネクタとACインレット取り付け用ネジ穴を現物合わせで開けます。部品をセットしてビス穴の中心にマジックで印をつけて、ポンチで叩きます。合計6カ所をφ3.2のドリルで穴開けします。穴開け後、部品を付けてネジを入れますが、現物合わせしたにもかかわらず、そのまま入る箇所は半分もありません。仕方がないのでヤスリで穴位置のズレを加工します。写真は、ACインレット取り付けをパネル裏から写したものです。

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リアパネル完成

全部品を取り付けて、ロータリースイッチの軸をカットします。軸はモールド製で、糸ノコでカットしようとしましたが、刃が入っていきません。全周にキズを付けた状態で、ニッパで切ってしまいました。ツマミを付けてしまえばカットの状態は気になりません。本記事のアイキャッチ写真が完成時のリアパネルを正面から見たものです。右側のXLRパネルコネクタをあと5mm~10mm左に寄せた方がバランスが良かった気がします。下の写真は、リアパネルを裏側から見たものです。ようやく完成が見えてきました。

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次回はボトムシャーシへ基板を取り付けていきます。

 

つづく(製作編17)