A級バランスHPアンプ製作(製作編24)

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製作編24

修理の終わったヘッドフォンアンプ基板をシャーシに取り付けて動作確認をします。

再組立

基板をシャーシに取り付けて配線を元通りに接続します。ヘッドフォンを接続せずに電源を入れます。最初に終段のアイドリング電流を確認しました。ターゲットの60mAよりもやや小さいですが、問題ありません。出力オフセット電圧も問題ないレベルです。早々にヘッドフォンを接続して信号を入力してみました。

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ゲインを9.2倍から2倍に下げたので、ボリュームの調整範囲は実用上許容できる範囲に広がりましたが、欲を言えばもう少し広げたい状況です。ハムは注意すれば聴こえる状態です。ハムの状況を考えるとできれば、ゲインを1倍まで下げたいところです。音は時々ノイズが聴こえますが、押しの強い低音が再生されています。しばらく聴いたところで、amp4の終段のトランジスタに触れたところ、とんでもなく熱く即座に電源を切りました。電源基板の終段用三端子レギュレータ放熱器に触れたところ、修理したチャンネル用の放熱器の温度が明らかに高い状態を確認しました。しばらく放置して温度が下がったところで、出力にポケットオシロを接続して再度電源を入れてみました。予想どおり発振していることを確認しました。この発振はヘッドフォンを外すと止まります。

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周波数は約10.5MHzで、レベルは約0.9Vppです。この状態に気づかずにずっと続けていたら間違いなく熱暴走を起こして終段のトランジスタを飛ばしてしまうところでした。

発振対策

amp4基板を取り外して発振対策用のコンデンサ容量を調整します。せっかくなので合わせてゲインを2倍から1倍に変更しました。手始めに2段目のトランジスタのベースコレクタに10pFのセラミックコンデンサを追加しました。元々発振対策用に22pFのディップマイカを接続しているので、合わせて32pFになります。追加したセラミックコンデンサは検討用のため、発振がとまったら改めて33pFのディップマイカを購入して置き換える予定です。

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基板を元通りシャーシに取り付けます。ヘッドフォンを取り付けずに電源を入れて出力波形を確認してみました。この状態ではヘッドフォン無しでも発振しています。欲張ってゲインを1倍に下げた事の弊害と考えられます。

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手持ちの適当なコンデンサがあまりない中、次に47pFのセラミックコンデンサを取り付けてみることにしました。基板を再度取り外しますが、このような検討では基板端子台の便利さを改めて実感します。22pFのディップマイカと10pFのセラミックコンデンサを取り外して、47pFのセラミックコンデンサを取り付けます。

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改めて基板を元通りシャーシに取り付けますが、この繰り返し作業ですが、忍耐力が必要です。今度こそと思いつつ、電源を入れてみました。結果は残念ながら効果はありませんでした。

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念のため、ヘッドフォンを接続して状況を確認しましたが、さらに発振レベルが上がる状況を確認しました。このまま検討を続けても埒があかない気がしてきましたので、一旦欲張ってゲインを1倍に下げたのを、元の2倍に戻してみることとしました。ハムレベルは悪化しますが、ゲインの調整は別の方法を検討したいとおもいます。ゲインを2倍に戻すのは、配線の変更のみで簡単にできます。早々にヘッドフォンを接続して電源を入れてみます。結果は残念ながら発振の状況は変化しませんでした。

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水色の波形がHotチャンネル、黄色がColdチャンネルです。念のためヘッドフォンを外して確認したところ発振は止まりました。

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さらに念のため、ヘッドフォンを接続した状態でL/RチャンネルのHot側を確認したところ、レベルは異なりますがLチャンネルも同様に発振している事を確認しました。水色の波形はamp4でRチャンネルです。

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泥沼にはまってしまったので、一旦状況を整理して今後の方針を1週間考えたいとおもいます。

 

つづく(製作編25)