安定化電源製作(評価編2)

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評価編2

評価用ジグ回路設計が終わったので部品を選定して組立を行います。

オペアンプの選定

手持ちのオペアンプの在庫を確認したところ4種類ありました。全て8pin dipの2回路入りです。「MUSES8920」「NJM082BD」「NJM4556ADD」「NJM2904D」ですが、型番が示すとおり全てJRC製です。最初のMUSESはオペアンプの交換で余ったものですが、それ以外は何れ使うだろうと以前購入しておいたものですが、全て単価50円以下のものです。私が学生時代には考えられない値段ですね。2つめのオペアンプの型番からTL072から派生したものと思われますが、学生時代当時、FET入力のオペアンプLF356やTL072が現役で、今の様に使い捨てができるような代物ではなかった事を思い出しました。最後のNJM2904Dは単電源用なので選択から除外してそれ以外のものについてスペック比較をします。

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単純なスペック比較では、総合的にMUSES8920が性能が良いです。値段も一番高いため相応の結果だといえます。今回はFET入力の必要はないためNJM4556ADDを採用することとします。

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トランジスタの選択

負荷電流を流すパワートランジスタですが、手持ちの在庫から2SC3851A/2SA1488Aを使用します。在庫のhfe測定一覧から2SC3851AをNo.26, 2SA1488AをNo.21を選択しました。後で買い増しした際に、コンプリメンタリペアになりにくいものとして選定しました。

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スイッチングダイオード

今まで小信号用スイッチングダイオードを購入した事がありませんでした。秋月の商品を検索すると安いものがありました。フェアチャイルド製の1N4148で50本100円です。Vr=100V, Io=200mA, Po=500mWと今回の用途には十分です。

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放熱器

負荷電流を流すパワトランジスタの放熱用です。ヘッドフォンアンプの電源に使用したものと同型を使う事にします。熱抵抗は20.0℃/Wなので30℃環境前提でも1W程度の消費電力でも問題ありません。

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ジグ基板の組立

ジグは私がいつも使用する標準基板(72 x 95mm)に実装します。+/-電源用回路を基板の半分を使って実装します。残り半分は波形観測用にアンプが必要になると考えて温存しておきます。私のポケットオシロの最大感度は50mV/Divのため、増幅しないと電源出力変動が観測できないと考えています。初めに大物部品の放熱器を基板の端に並べて実装します。放熱器には2つの固定用のボスがついています。ピッチは2.54の倍数でユニバーサル基板の穴の間隔にフィットしますが、径が太くてそのままでは刺さりません。ドリルの刃を使って穴径を広げて入る用に加工しました。

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固定はトランジスタのリードで行うので少々緩くても問題ありません。

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負荷抵抗は流す電流に応じて交換可能とするために、基板用コネクタヘッダを使って容易に交換できるようにしました。以前、マルツオンラインで購入したタイコエレクトロニクス製のものだと記憶しています。抵抗のハンダ付けを容易にするために、ポスト背面の樹脂の立ち上がり面をカットして使用しました。(写真左)

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基板への取り付けは、パワトランジスタの手前に、ラジアル形状の抵抗がハンダ付けできる間隔をとって対抗して取り付けました。樹脂製のコネクタヘッダは熱に弱くハンダ付けの際には注意が必要です。

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さっそく抵抗を取り付けてみました。これで容易に抵抗の交換ができます。

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その手前に、パワトランジスタ切り離し用のヘッダを取り付けました。4極タイプを使用していますが、+と-電源用に2極づつ使用します。

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さらにその手前にオペアンプ用の8pinソケットを取り付けました。

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加算回路構成用の抵抗は、実装スペースがないので立てて実装しました。最後にDC電圧供給用の半固定抵抗を一番手前に取り付けます。時計回しでGND間の抵抗値が大きくなる端子配列で接続して電圧の増減と人の感覚を合わせています。これで+電源用ジグ回路実装は完了です。ー電源用のジグ回路は、2回路入りのオペアンプの保護に必要な配線のみ行っています。次回は+電源用ジグ回路の動作確認およびー電源用の回路実装を完了させます。

 

つづく(評価編3)