女神たちの争い(製作編3)

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製作編3

前回の通電確認で発覚した周波数特性異常の原因を特定して対策します。

周波数特性異常

前回、組み上がったフィルタ回路の周波数応答を測定し、結果をグラフ化したところ、減衰の傾きが緩く、設計は-12dB/Octのはずが見た目には-6dB/Octくらとなっていました。基板を取り外し、最初にRCの値を確認しましたが問題ありませんでした。次に配線不良や漏れを確認しましたがこれも問題ありません。他に確認のポイントがなくなってしまったので、仕方なく現行の基板を眺めたところ、フィルタ用の2つのコンデンサ(C1とC2)の取り付け位置が逆になっていることに気づきました。改めて基板配線と回路図を比較しましたが、実装に問題はありませんでした。途方にくれて、いつも持ち歩いているネタ帳の当時のメモを見たところ、手書きのフィルタ回路が今回使った物と違っている事に気づきました。

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確認の結果、ネタ帳の手書きの回路図の方が正しい事が判明しました。ご丁寧に、実体配線図(風)の物も描いていました。今回実装に使った分も含めて回路図エディタで作図したもの全てが間違っていた事が誤りの真相でした。幸い現行回路は、手書き回路図を元に実装したため問題ありませんでした。下記が間違った2次のSallen-Keyローパスフィルタです。

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回路図エディタで作図したものが間違えていたと言うことは、今までブログに掲載した回路図も全て間違っていて、そのトラップに自らハマッタと言うことになります。そういえば、フィルタのRC取り付け用のポスト周りの配線時に、以前の作業と異なる様な違和感を覚えたのを思い出しました。直ぐさま公開直前の構想編2と、対象記事の回路図を変更しましたが、思いの外量が多く時間がかかってしまいました。基板の配線を見たところ、比較的簡単に修正できそうです。まずは1系統のみを修正しました。

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左が修正前で、右が修正後です。RC取り付け用ポスト周りの配線を変更しています。それぞれの写真の右側に4つの端子がありますが、これがRC取り付け用ポストの片側です。修正前は4つの端子が接続されていますが、修正により3つの端子のみの接続となり、一番下の端子は、ジャンパを介してGNDに接続しました。写真下の3つの端子はLPF出力用の端子台ですが、ここへの接続も変更しています。

周波数特性の測定

改めて周波数特性の測定を行います。入力信号を2Vppとして、周波数を10Hzから600KHzの範囲で出力レベルを測定します。測定はポケットオシロの電圧モニタ機能を使用しました。写真はカットオフ周波数500Hz時の応答波形です。

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昔、LCRのフィルタのカットオフ周波数の減衰量として1次の場合は-3dB、2次の場合は-6dBと教わった記憶がありますが、上記の結果はそれよりも若干小さく約、-5dBとなっています。測定結果をグラフ化してみます。

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グラフは、今回測定したものと、現行基板の測定結果を重ねています。結果は全く同じとなりました。尚、5KHz以上の結果は、測定レンジの関係で測定誤差が大きくなり、さらに20KHz以上は測定限界のためレベルが下がりません。5KHz以上のf特はあまり当てになりませ。先日作成したプリアンプを使えば20dB程度改善できるはずなので使うべきだったと、記事を書いてておもいました。

残り1系統の修正

同様に、残り1系統の回路を同様に修正して周波数特性の測定を行います。下記は500Hz時の応答波形です。

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結果は、Hot-chと変わりません。Hot-chと同様に結果をグラフ化します。

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今度はHot-chと結果を重ねました。Cold-chの特性も同じになっている事が確認できました。次回、L-chの実装を行い通電確認を行います。

あとがき

発覚したフィルタ回路の誤りは、今回の構想編2公開前に気づいたため「女神たちの争い」は誤った発信をせずにすみました。チャンネルデバイダの回路が掲載された他記事は、現時点では回路図の修正を優先させ、回路変更を入れた注記までできていません。順次入れていきたいとおもいます。

 

つづく(製作編4)