実験バッテリードライブ(評価編4)

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評価編4

念のためL-ch基板の通電確認を行い、シャーシに基板を搭載して修理を完了させます。

L-ch基板通電確認

誤配線時、L-ch基板の電源は正しく接続されていましたが、入出力端子のGND電位がR-ch誤配線の影響により異常値となったはずです。念のためダメージを受けていないか確認を行います。前回の記事で、R-ch基板の消費電流値と比較するために、基板単体の通電は終わっています。続いて、R-ch同様に周波数特性の測定を行います。

L-ch基板周波数特性の測定

R-ch同様に10Hz~600KHz、2Vppの正弦波を入力して出力をモニタします。遮断帯域で出力レベルが下がったタイミングで20dBのプリアンプを挿入してモニタを続けます。初めにカットオフ周波数(500Hz)の入出力を確認しました。

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500Hzの減衰量は、Hot/Coldそれぞれ-5.4dBと-5.2dBとなっており、正しく動作しています。引き続き周波数特性の測定を行います。測定結果は以下のとおりです。

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ネット上の情報で、オペアンプを使用したアクティブLPFの特性は、使用するオペアンプオープンループ特性により、遮断帯域で理想通りゲインが減衰しない場合があるとの書き込みを読んでいましたが、少なくともCDの帯域ではほぼ理想どおりの特性となっていて、それ以上の帯域でも63dB以上の減衰量の確保ができている事が確認できました。

シャーシへの再搭載

確認が終わった基板を一旦、元通りチャンネルデバイダーのシャーシに組み込みます。シャーシは、2週間写真のような残念な状態となっていました。

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手前のR-ch用の基板の取り付けは、ネジ1カ所がボリュームで隠れるため、正面パネルを外す必要があります。リアパネル側の基板は、同様に取り付け用ネジ1カ所がXLRパネルコネクタで隠れるため、リアパネルを一旦外して取り付けました。基板の交換に手間がかかる設計となってしまっていますが、次回設計時には配置を考慮したいと思います。R-ch基板は、電源用の電解コンデンサとボリュームの干渉の対策を行ったのでクリアランスの確認をしました。

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写真のとおり、十分なクリアランスの確保ができました。各基板端子代への配線を行い修理完了です。

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音出し

2週間ぶりに常用システムに火を入れました。音だし前に出力オフセットの確認を行います。

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R-chは入力段のMUSES01を交換したため、修理前後でオフセット電圧が違っています。それでは音を聴いてみます。久しぶりに聴いた為か、いい感じい聴こえます。音が厚く、低音も素直に伸びてます。この後、バッテリードライブとの音の比較を行うので、この音に馴染むためにしばらくこの状態で音楽を聴きました。

バッテリードライブ

ショートさせたバッテリーの電圧がやや下がっていたので、念のため充電しました。しばらく放置してから電圧を測定しましたが、12.77Vと12.57Vで充電した方が高くなってしまいましたが、気にせずにこのまま進めます。前回通電時に間違えてしまったSW基板の配線を忘れずに直して、バッテリーをフィルター基板に接続します。

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前回トラブルを起こしてしまったので、緊張しながらの電源オンとなりました。即座に出力オフセット電圧を確認します。結果は以下のとおりです。

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結果を見ると、安定化電源の際の結果とほぼ同じで正常に動作しているようです。結構な遠回りをしてしまいましたが、次回バッテリードライブの音質比較を行います。

 

つづく(評価編5)