安定化電源性能改善(製作編4)

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製作編4

常用基板正電源ch3のインピーダンス周波数測定を行い、続けて最後のチャンネル負電源ch4の実装および通電確認、評価を行います。

正電源ch3インピーダンス周波数特性測定

測定条件は従来と同じなので説明は省略します。測定結果は以下のとおりです。

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試作、ch1、ch3とほぼ同等の特性となっています。試作回路は2kHz以上の帯域でインピーダンスがやや大きくなっていますが、矩形波応答対策の位相保証コンデンサオペアンプ負荷抵抗変更をしていない為です。どれも大変素直な結果となっています。

負電源ch4実装

最後のチャンネルの実装です。他のチャンネルと異なり、一番端の実装の為、電源ライン脇にGNDラインを他チャンネルと同じように引けません。従って、ch2の実装をそのまままねる事はできません。仕方がないので、出力引き出し用の列にGNDを引き込んで対応する事にしました。

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この対応でオペアンプの負荷抵抗の実装は問題ありませんでしたが、基準電圧用のツェナーダイオードの実装を工夫しました。写真のとおり被覆ジャンパー線を使わずに実装する事ができました。部品面はこんな感じです。

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心配していた片寄せして実装した放熱器は以下写真のとおりです。

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特に問題はなさそうです。

負電源ch4通電確認

Volを3.8KΩ対1.2KΩの位置にプリセットして通電確認をします。入力はユニバーサル電源から-16.9Vを供給します。電源オンして出力を12.0Vに調整しました。調整後の各部電圧は以下のとおりです。

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負電源ch4矩形波応答

他チャンネルと同様に60mApp/1KHzの負荷電流時の矩形波応答を確認します。結果は以下のとおりです。

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今回の波形は黄色のラインがオペアンプ出力をモニタしています。過渡応答値は、立ち下がり時が74.0mV、立ち上がり時が40.0mVでした。両者の数値の違いがオペアンプ出力を見るとわかるかとおもいましたが、数値の違いがそのまま誤差出力としてモニタされているだけで、原因の推定まではできませんでした。この結果も過渡応答値の一覧表へ追加します。

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今までの結果と比べてやや良い値となっています。

負電源ch4インピーダンス周波数特性測定

このチャンネルも同様に測定を行います。結果は以下のとおりです。

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ch2とch4はほぼ同じ結果となっています。試作の結果は全帯域でやや悪くなっていますが、正弦波応答のレベルをポケットオシロのVpp値を使った事による影響と考えられます。

パイロットランプ回路実装

これで実装が完了したかと思いましたが、パイロットランプの点灯回路実装を忘れていました。消費電力面では不利になりますが、全波整流回路の+/-から電力供給する事で、+と-電源のバランスを崩さず、且つGNDに余計な電流を流さずに済みます。2極の端子台位置は、現行の基板に合わせました。

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念のため点灯確認を行います。ユニバーサル電源から+/-16.9Vを供給します。端子台へダイレクトにLEDを接続して電源オンします。

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問題なく点灯しました。+/-電源を供給は初めてだったので、念のため4チャンネル分の出力電圧の確認も合わせておこないました。これも特に問題ありませんでした。今度こそ、全ての実装が完了しました。次回、チャンネルデバイダの電源の載せ替えを行い、先日の記事で書いたとおり、取り外した現行基板の矩形波応答を再確認します。

 

つづく(製作編5)