チャンネルデバイダーのVR制御(構想編1)

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構想編1

現行システムのフルマルチアンプ化を念頭に、現状のチャンネルデバイダーのボリューム制御を構想します。

現状のチャンネルデバイダーボリューム

前回の記事でも紹介しましたが、現状のチャンネルデバイダーは入出力がバランス方式で、LPFチャンネルとスルーチャンネルの2系統を持つので、ボリュームは全8チャンネルとなっています。

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その8チャンネル分を、2つの4連ボリュームで構成し、使い勝手としてはBass/Trebleというような感じで使っています。

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これと同じ考え方で3wayに拡張すると、Mid用のボリュームを追加する事になりますが、使い勝手が格段に悪化します。それ以前に音のバランスをマニュアルで取る事ができるか自信がありません。

12チャンネルボリューム構想

今までも、部品の調達の際のついでに、多チャンネルのボリュームやロータリーSWを探してきましたが、探すまでもなく、12チャンネルに対応したものはありません。次に4連のボリュームの連動も考えてみました。モーターボリュームを使った電気的な連動や、メカ的な連動ですが、実用に耐える設計はできそうにありません。それでは、電子ボリュームはというと、多チャンネルの連動はできそうですが、ネット上の製作記事によれば、音はそれなりとの事で採用に踏み切れませんでした。

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今回は原始的な方法ですがリレーを使った多チャンネルボリュームを構想してみます。

リレー

今まで仕事で電源用リレーを使ってきましたが、趣味(オーディオ)でリレーを使った事がありませでした。まずはオーディオ用リレーについて調べてみました。一番のポイントは小電流の開閉です。オーディオ用途ではスパークによるセルフクリーニング機能が働かず、接点の酸化膜による接触不良の防止が、オーディオ用リレーの1番のポイントのようです。

■接点材質による対策

リレーメーカーのWebページにいくつか情報が掲載されています。対策として「金クラッド接点」と「金メッキ接点」が上がっていました。どちらも安定性の高い金を接点につかったものですが、金クラッド接点は、金属母材の上に板状の金を貼り付けた構造をとり、金メッキタイプに比べて金層が厚く均一で、ピンホールの発生がなく、微少信号の開閉に適しているとの事です。

■接点構造による対策

接点開閉動作時にお互いが擦れる構造をとり、接触の信頼レベルが高まり小信号の開閉に適していると説明されています。調べた範囲では、オーディオ用途には適用されているか確認できませんでした。

■リレーの構造による対策

リレー接点部をプラスチックケース等で密閉し、接点に影響を及ぼすガスの進入を防止して、接点の信頼性を上げます。この構造もオーディオ用のものには見つかりませんでした。

リレーの選定

まずは秋月電子のラインナップを確認してみました。パナソニックの音響機器用リレーALA2F24を見つけました。操作コイルは24V仕様で接点容量は3A、接点仕様は2a品です。

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接点はAgNi系のAuクラッドタイプで、価格は180円です。秋月電子ラインナップで明快に音響用を唱っているのは、これだけでした。他を検索したところ第一電機(DEC)のDSシリーズオーディオ用を唱っています。

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接点容量は3A、接点仕様は2a品で、金クラッド接点となっています。残念ながら通信販売の取り扱いの確認はできませんでした。パナソニックとDEC製リレーのどちらもユニバーサル基板には対応していない為、私のような基板を起こさない趣味レベルの製作には不向きな仕様です。ユニバーサル基板対応のもので探してみたところ、秋月電子に手頃な物を見つけました。HSIN DA PRECISION社製941シリーズです。

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接点はAgAlloyとなっていますが、Featureに「Silver palladium overlaid gold crossbar」と記載されているので金メッキ接点のようです。接点容量は2Aで接点仕様は2cです。端子配置は以下のとおりでユニバーサル基板に対応しています。

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金クラッド品に対して接点の信頼性は下がりますが、自作なので交換用の部品さえ手配しておきば、柔軟な対応ができる事と、価格も100円と手頃なので、これを使って検討を進めたいとおもいます。次回も具体的な設計前の構想を続けます。

 

つづく(構想編2)