チャンネルデバイダーのVR制御(構想編7)

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構想編7

最後に残ったリレー駆動ブロックを構想します。

リレー回路

構想編2でまとめた回路図を改めて掲載します。

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今回使用するリレーの接点仕様は2cタイプなので、1つのリレーでHotとColdのラインを制御する事とします。2c仕様なのでメークとブレークのどちらの端子を使用するかを決定します。決定にあたり以下を考慮しました。

①無制御時(電源オフ状態も含む)ミュートまたは減衰量大

②動作時の制御コイル電流をできる限り減らす

先に掲載した回路図は、上記を考慮して電源オフ時のSWの状態を表したものとなっています。動作時はこの回路上で最大3個のリレーをオンする必要があります。リレーの操作コイル電流は12.5mAなので3way分で以下の消費電流となります。

12.5mA x 3 x 2(stereo) x 3(way) = 225mA

現実的な消費電流の収まっています。それでもリレーの操作コイルのみの消費電力は2.7Wとなり、電源設計および放熱に注意が必要です。それでは具体的なリレー制御の構想前に回路を確定させます。

リレーブロック回路

構想編2でリレーの制御一覧を掲載しましたが、その一覧はそれぞれの抵抗の接続状態を表していました。回路および制御を検討するには、リレーの制御状態が必要なので、一覧表を作成しなおしました。表中の「1」は操作コイルの駆動を意味します。

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制御するリレーの数は6個なので、直接マイコンのポートで駆動も可能ですが、RL2~RL5は2ビットデコーダを使って配線(使用ポート数)を減らすことにしました。秋月電子の取り扱いを確認したところ、HC139を2品種扱っていました。下記は東芝製のTC74HC139APのデータシートの抜粋です。

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真理表を見てのとおり、出力はLアクティブです。続いてリレー駆動用にこれに対応したトランジスタアレイを探します。見つかった物が東芝の4chローアクティブシンクドライバTD62308BP1です。以下データシートの抜粋です。

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接続のブロック図では動作が理解できず、基本回路を見て理解できました。outputにリレー操作コイルを接続し、さらにコイルのもう一方の端子を12V電源に接続します。出力飽和電圧MAXは1.8Vです。リレーは12-1.8=10.2Vで動作が保証できればいいことになります。リレーの最低動作電圧を確認したところ、9.6Vなので問題ありませんでした。ミュートと減衰倍率抵抗リレー駆動用には正論理のトランジスタアレイを選択します。こちらも東芝製の7chシンクドライバTD62003APが秋月電子のラインナップにありました。このトランジスタアレイの出力飽和電圧は最大1.6Vなのでリレー制御上問題ありません。

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これら部品を前提に回路図を作成しました。トランジスタアレイの回路部品図がなかったので、便宜的にトランジスタ2個でトランジスタアレイ1回路分を表しています。

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リレー制御

ATT表示制御と同様に、事前にリレーの制御状態をRelay配列に準備しておき、ATTstateを使って各状態読み出して対応するポートを設定する事としました。Relay配列に準備する数値を決定します。配列内の数値をポート制御に展開しやすいように配列内のbitの並びを表のように決めました。

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この数値を、ATT表示と同様にvoid setup()内で設定しておきます。リレーの制御は、基本的に、Up/Dowボタンのオン確定時に処理をスタートします。具体的には減衰量切り替え前後にミュート操作が必要なので、状態変数Rstate(リレーステート)を設定して処理を進めることにします。次回はリレーブロック制御用コードの作成を構想します。

 

つづく(構想編8)