チャンネルデバイダーのVR制御(構想編11)

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構想編11

今までの製作で経験してこなかった部分の製作目処がたったので、ユニット全体の構成について検討します。

アッテネータユニットの基本構成

具体的な検討に入る前にユニットの基本仕様を整理します。

1)バランス3wayステレオ用のため、全12チャンネル構成

2)アッテネータユニットへの入力レベルは各チャンネルで同一レベル

3)出力にバッファを搭載して次段の入力抵抗の影響を排除

後は、今までの構想編で検討してきた結果を適用します。特に3項は今までのこだわりを捨てることになり、相当考えましたがアッテネータユニットの使い勝手を考えたらバッファ搭載せざる得ないとの結論に達しました。この要求を前提に回路および基板の構成を検討します。

アッテネータユニット回路と基板構成

基板構成の検討の前に、回路を明確にします。といっても、いままで掲載したアッテネータ回路の後段にバッファを接続するだけです。

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この回路ですが、バランス用なので2倍、さらに3wayなので3倍、ステレオで2倍となり、合計12系統必要となります。電源は、バッファ用の+/-12V電源とリレーおよびarduino UNO用の+12V電源、ロジックICと表示モジュール用の+5V電源が必要となります。さらにマイコン基板の搭載が必要です。電源とマイコン基板はそれぞれ1枚づつとして、残りアッテネータ回路の基板割りを考えてみます。3way用を各1枚の基板に納めるとした場合、出力段のバッファ用の電源の配線が各基板に必要となります。左右独立電源とした場合、12セットの電源の配線が必要となり現実的ではありません。これを回避するために終段用のバッファを1枚の基板の納める事を検討してみます。この場合、電源の配線は少なくてすみますが、信号用の3極の端子台が合計で12個必要となります。

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どっちもあまり変わらない気がしてきましたが、リレーを搭載する基板の実装面積を考えると、バッファ基板を独立させる方針で検討を進めてみます。

アッテネータ基板

Lo/Mid/High用に各1枚を割り当てます。リレーの接点仕様は2cなので、1個のリレーでHotとcoldの制御を行います。各チャンネル6個のリレーが必要なので、各基板にはステレオ用として倍の12個のリレーの搭載が必要です。リレー制御用のロジックICも、この基板に搭載する事にします。この基板上の回路は以下のようになります。

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制御用の信号ラインは、入出力に2セット搭載して、3つの基板をデイジーチェーン型に接続する事とします。実際にこんなに部品実装ができるかの確認の為に、基板に部品を並べてみました。なんとか実装はできそうです。(アイキャッチ写真参照)

マイコン基板

電源は+12Vを2.1mmのDCジャックから供給します。Key入力およびI2C制御線、ポート出力は、シールド仕様のユニバーサル基板を使って端子台のみを実装したシールド基板を製作して、arduino UNOに段積みしたいとおもいます。両脇にピンソケットが実装されるため、端子台の向きを内向き(配線を内側から引き出し)に実装する必要があります。

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ケースの選定

電源基板を1枚で構成するとして、搭載する基板は6枚となります。これ以外に電源トランスが必要となり、ケースの選定が難しくなってきます。最近使ったケースの中で1番大きなものは、バランス用ヘッドフォンアンプで使ったタカチUS-320LHです。サイズは、W320xH84xD230です。このシャーシに何枚の基板を実装できるかをバランスヘッドフォンアンプ内部に基板を並べて確認してみました。

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かなり強引な確認ですが、無理をすれば8枚並べられそうです。2枚分のスペースにトランスが配置できればなんとか納められそうです。だいたいのあたりがつけられたので、次回は具体的な設計を行います。

 

つづく(設計編1)