設計編1
アッテネータユニットの構想が終わったので設計を完成させます。
アッテネータユニット仕様
設計を完成させる前にアッテネータ仕様を再度整理します。
・バランス3wayマルチアンプ対応12チャンネルアッテネータ
・全9ステップ(-∞~-6dB)
・入力レベル調整機能なし
・出力バッファー搭載
・アッテネータ切り替え時ミューティング機能
・減衰量dB表示
それでは各基板ごとの回路を順次フィックスしていきます。
マイコン基板
arduino UNOに端子台を実装したシールド基板を搭載します。回路図は以下のとおりです。
電源は12Vで、arduino UNOのDCジャックから供給します。シールドに搭載する端子台は、key入力用の2極の端子台3個と表示基板制御用I2C出力用3極端子台、リレー制御出力用5極端子台です。デバッグ環境を残すために、組み込み用として新たにarduino UNOを1個購入しました。(アイキャッチ写真参照)これで運用中のユニットびソフト変更の対応も問題ありません。
表示基板
構想編10にてほぼ組み立ててしまいましたが、そこからの変更点はI2C入力用端子台をGNDラインを追加して2極から3極に変更しました。回路図は以下となります。
アッテネータ基板
片チャンネル分ですが、構想編11で回路図をすでに掲載済みです。ミュートおよびATT倍率リレー駆動用のダーリントンシンクドライバTD62003APは、7回路入りですが、4回路のみの使用となります。改めて回路図を掲載します。
バッファ基板
これも構想編10にて回路図を掲載済みです。変更点は+/-12V電源入力用の3極の端子台を2個(左右独立)追加しています。この基板上にはオペアンプが12回路必要となりますが、2回路入りのMUSES01を6個で対応したいと考えています。秋月電子価格で、1個3,500円もします。これだけで14,000円のコストがかかります。ん~どうしよう。回路図を改めて掲載します。
電源基板
電源基板はいままで検討してこなかったので、まずは要求仕様を整理します。
・リレー駆動用12V電源(225mA)
・aruduino UNO駆動用12V電源(約25mA)
・ロジックIC&7セグモジュール駆動用5V電源(約20mA)
・R-chバッファアンプ駆動用+/-12V電源(約60mA)
・L-chバッファアンプ駆動用+/-12V電源(約60mA)
まずは筐体へ全基板を納める事を優先し、全ての電源を三端子レギュレータで構成する事とします。ディスクリート電源化は、完成後の楽しみとしてとっておきたいとおもいます。トランスは、考えましたが今までの製作で使ってきた12V/2回路出力のトロイダルトランスを2個搭載する事にします。1つをバッファアンプ用電源専用として、それ以外を、もう1つのトランスで対応します。2次巻き線の電流容量は500mAなので、1つの巻き線でリレーを駆動し、それ以外の制御系を残りの巻き線で対応する事にします。回路図を起こしてみます。最初はバッファアンプ用の+/-12V電源です。
L/R独立電源とします。安定化電源の性能改善で確認した、三端子レギュレータ出力の電解コンデンサの弊害を考慮して、出力には小容量のコンデンサのみとしています。また、GNDはA-GNDとして制御回路とは分離させています。次は制御回路用の電源です。
バッファ用電源とは、トランスを含めて完全に独立させています。消費電力の観点から、リレー用電源を専用としています。一番消費電力の大きいリレー回路の三端子レギュレータの消費電力を試算してみます。ショットキーバリアダイオードのVFを0.5として計算します。
(12 x 1.41 - 0.5 x 2 - 12) x 0.225 = 0.88 W
NJM12xxFAのデータシートの消費電力vs環境温度のグラフを参照します。
グラフからヒートシンクがなくとも1.5Wくらいは消費させても問題ないようです。念のため、小型のヒートシンクを付ける事にします。他の三端子レギュレータは0.3W以下の消費電力なのでヒートシンク無しとします。次回は、ケース発注のために、トランスおよび基板のケース実装を検討します。
つづく(設計編2)