チャンネルデバイダーのVR制御(製作編17)

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製作編17

バッファ基板の動作確認の続きを行います。

オペアンプ実装確認

前回、バッファ基板にオペアンプを実装しない状態の確認まで完了しました。今回は実装状態で動作確認を行います。まずは付属のソケットにオペアンプを実装します。

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以前にも紹介しましたが、MUSES01は音質の観点から無酸素銅フレームを使っています。その為一般のオペアンプの端子に比べて強度が低いです。以前は、音質最優先とするために、そのまま使用していましたが、いくら注意しても使い回しの際に端子を曲げてしまった経験から、最近は付属のソケットを使用する事にしています。「せっかくの無酸素銅フレームの意味がないのでは?」とのつっこみが聞こえてきますが、実用性を選択しています。最初にch1~ch3の確認をします。3つのオペアンプをICソケットごと実装します。

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写真では、ソケットが2段積みになっている事がよくわかりません。電源オンして各端子の電圧を確認しました。電源端子以外は、入力が0Vで、出力には出力オフセット電圧が観測されます。特に問題はありませんでした。出力オフセット電圧は、全オペアンプ分を後でまとめて整理して掲載します。残りのch4~ch6のオペアンプも実装します。

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実装点数は多くはありませんが、高価な基板です。注意してあつかわなければ・・・。同様に電源オンして各端子電圧を確認しました。問題はありませんでした。電源の供給は左右独立なので、電源1系統でオペアンプ3個分の供給となります。消費電流は26mAでした。

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電源設計時の見込みでは、1個あたり20mAとしましたので、半分以下の電流値です。通電確認で観測した出力オフセット電圧をまとめます。

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チャンネルによってばらつきはありますが、問題ないレベルです。

周波数特性測定

動作確認の最後の項目で、恒例の周波数特性の測定を行います。測定条件は、1Vppの正弦波を入力し、ポケットオシロで出力波形をモニタします。出力抵抗として10kΩを接続しています。アイキャッチ写真が測定時の物ですが、写真右端にラジアル抵抗を直接端子台に接続していいるところが写っています。周波数の測定は10Hzから1MHzの周波数範囲で行いました。最初のチャンネルの測定でトラブル発生です。信号入力しているにもかかわらず、出力が出ません。再度落ち着いて確認をしたところ、入出力を逆に接続していました。バッファ基板は縦置きするとほぼ左右対称の部品配置で、オペアンプの1pin側の端子台を入力側と思いこんで接続していました。幸い発振器の出力抵抗が50Ωであった事と、そのレベルを一気に上げなかった為に大事には至りませんでした。接続を直して測定再開します。結果はどのチャンネルも大差はありませんでしたので、代表してch1の観測波形を抜粋して掲載します。

■10Hzと1kHz

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■100kHzと1MHz

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画面の上の波形が入力で下が出力です。測定の範囲ではゲイン低下はありませんでした。1MHz時もゲイン低下はありませんが、わずかに位相遅れが認められます。それでは、全チャンネルの結果をグラフ化しましたので、参考に掲載します。

■ch1周波数特性

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■ch2周波数特性

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■ch3周波数特性

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■ch4周波数特性

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■ch5周波数特性

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■ch6周波数特性

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グラフのラインは、1本に見えますがHotとColdの各チャンネル分が重なっています。どのチャンネルの結果もポケットオシロのADの1ステップレベルの変動はあるものの、基本はフラットな特性です。ソースがCDである事を考慮すると、ノイズ面では高域の特性を伸ばす事は不利となりますが、帯域内の位相特性を考えるとメリットがあるので、このままとします。次回は、今回確認が終わったバッファ基板を含めて実動作確認をしたいと思います。

 

つづく(製作編18)