チャンネルデバイダーのVR制御(製作編20)

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製作編20

総合動作確認に向けて、最後に残った電源基板を製作します。

ATTユニット電源基板

製作に入る前に設計をおさらいします。特徴を列記します。

・ダブルトロイダルトランス

・アナログとデジタル独立電源(別トランス)

・左右独立アナログ電源(共通トランス)

・リレー操作コイル用専用12V電源(デジタルと共通トランス)

・全7チャンネル三端子レギュレータ式電源

回路図を参考として再掲載します。

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今回は、「安定化電源性能改善」記事で発覚した三端子レギュレータの電解コンデンサ負荷の弊害を避けるために、レギュレータ以降の電源系に一切電解コンデンサを入れていません。

実装構想

私が常用する標準基板(95 x 72)に三端子レギュレータ方式とはいえ、7チャンネル分の電源回路を乗せるとなると、慎重な部品配置検討が必要です。また、リレー用12VとArduino用の12V電源の三端子レギュレータには、念のため小型の放熱器を取り付ける予定です。三端子レギュレータは、実装の効率を上げる為に電源電流の向きに沿って配置し、出力端子台の方向に出力端子がくるように実装します。まずはじめに、アナログ用の4チャンネル分を基板の半分以下のエリアに実装をします。

アナログ系電源実装

実装部品は、入出力用に3極の端子台3個と、三端子レギュレータ4個、平滑用ダイオードブリッジと、平滑用電解コンデンサ2個、フィルムコンデンサ6個です。フィルムコンデンサー以外を基板上に並べてみました。

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この配置ならば、残りエリアにデジタル用電源もなんとか配置できそうです。初めに整流回路とGNDラインを配線します。

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続いて、三端子レギュレータ周りの配線を行います。

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次に、出力回路へフィルムコンデンサを接続します。各チャンネル分を出力用の端子台脇に配置しました。

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さらに電解コンデンサと並列にフィルムコンデンサを接続したら完成です。

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結局、被覆ジャンパー線は使わずに配線が完了しました。

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デジタル系電源実装

アナログ系電源の隣に、リレー用12V電源、その隣にデジタル系12V、5V電源と並べます。これら2系統ある12V用の三端子レギュレータには小型の放熱器を取り付けます。放熱器2個の配置を中心に全部品の配置検討をします。放熱器は秋月電子で購入した、サイズが15x25x11mmのもので、熱抵抗37.9℃/Wのものです。気休め程度ですが、ないよりましなので採用しました。目検討でだいたいの位置をきめて、その場所に実装できるように固定用のピンが基板に刺さるように、基板の穴を広げます。1.3mmのドリルで広げたところいい塩梅でささりました。

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出力端子台との位置関係が気に入らず、結局1つの放熱器あたり3カ所の穴を広げてしまいました。決定した位置に、三端子レギュレータを取り付けて配置してみます。

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放熱器の位置が決まったので、リレー用12電源の平滑回路から実装を進めます。

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配線は先の回路にほぼ合わせて行いました。残りのフィルムコンデンサ2個を実装して、この系統の電源実装は完了です。

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残りは、デジタル系12Vと5V電源です。デジタル12V系は先のリレー用12V電源の実装をほぼそのままコピーしました。

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最後のデジタル5V電源は、入力を上記で実装した12Vから供給します。それ以外はほぼ12V電源の実装をコピーしました。

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電源7系統分の実装ができるか心配でしたが、無理無く実装できたとおもいます。写真は半田面の配線ですが、被覆ジャンパーを使用せずに完成させる事ができました。

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デジタル系とリレー電源のGNDは、ターゲット基板側で共通となりますが、電源基板上では、現在のところ独立しています。状況を見て接続したいと考えています。次回は電源の動作確認を行います。

 

つづく(製作編21)