製作編27
一通りの動作確認が終わったのも束の間、また新たなトラブルが発生したので対処します。
新たなトラブル
前回、安っぽいドラマのような終わり方をしてしまいましたが、新たなトラブルの発生です。4チャンネル分ですが、総合動作確認が正常に終わり一息ついた日の夜に改めてATTユニットの電源をオンしてみました。あれ!電源が入らない?電源スイッチをオフして電源コードを確認しようとしたところ、ミュートリレー動作音がしました。再度電源オンして、スイッチを操作したところ、リレーは正常に動作しているにも関わらず、表示が一切点灯しません。まずは配線から確認です。
表示不具合検討
トップカバーを外し、表示基板への配線を確認します。
写真のとおり怪しい点は見つかりませんでした。続いて、電圧および信号を確認します。まずは供給電源5Vですが、これも特に問題ありませんでした。次に、シリアル信号ラインを確認します。
ポケットオシロスコープでシリアル信号の波形を確認します。適当にトリガ条件を設定して、表示が変わるような操作をします。
写真は、ミュート状態の時のもので、0.5s毎にBrightness control用のコマンドが発行されています。水色がCL、黄色がDAです。正しくコマンドは発行されていました。残るは、表示モジュールの故障くらいしか考えられません。表示モジュールが故障することもあるのかと思いつつ、交換することにしました。
表示モジュール交換
表示モジュールの故障も想定して、新たに購入を進めていました。以前購入したスイッチサイエンスのサイトを確認したところ幸運にも在庫がありました。単価1,617円で、今後の事も考えて2個購入しました。スイッチサイエンスは、3,000円以上の購入で送料が無料となるので、2個購入するとお得です。念のため技術資料を確認したところ、一部仕様が変わっている事に気づきました。下記が今回購入したもののコマンド一覧です。
brightness controlのData byte rangeが0-100となっていますが、私が今使っているものは、0-255で点滅時の制御に255を使用しています。このモジュールを使うには、ソフト変更が必要になります。せっかく購入しましたが、どうしようか・・・?
できればソフト変更をしたくなかったので、デバッグ環境に実装していた表示モジュールを載せ替える事にしました。
なんとか、表示モジュールの基板にダメージを与えずに取り外す事ができ、無事載せ替える事ができました。
次に表示モジュールが故障した際には、ソフト変更して新たに購入したモジュールを使わざる得ません。次に備えて新たに購入したモジュールを確認してみました。
左が故障したモジュールで、右が今回購入したものです。実装されているLSIはAtmelの捺印があるので、おそらく簡単なマイコンかと思われます。社名以外の捺印が変わっている事から、ソフト変更によってコマンドの仕様が変わったものと思われます。基板自体は、相違がないのでユニットへの組み込みは問題ありません。ソフトの実装次第ですが、現状のATTユニットのソフトでも同様に動作するかもしれません。
動作確認
表示モジュールを交換した表示ユニットを元通り取り付けます。
緊張しつつ電源オンしました。無事デモが表示されました。どうして故障したかが気になりますが、1点思い当たるのは、基板実装したまま、スタッドの干渉を回避するためフロントパネルをヤスリで削った事です。配線も一部接続したまま行ったので静電気で破壊された可能性があります。今後は注意したいとおもいます。これで12ch中の4ch分の製作が完了しました。あとはATT基板を2枚製作すれば残り8ch分が完成します。なんとか最終形の製作も目処がたちました。
つづく(制作編28)