チャンネルデバイダーのVR制御(製作編36)

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製作編36

NS-1000Mを使ったセミマルチアンプ駆動環境の再構築を完了させて音だしを行います。

セミマルチアンプ環境再構築

前回、セミマルチアンプ駆動環境を再構築を開始しましたが、接続用のXLRケーブルが足りなくなり、アマゾンプライムで発注した所で終わっていました。アマゾンプライムの規定どおり、翌日の夕方に注文したXLRケーブルが届きました。さっそく配線を完了させて音だしを行います。

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発振対策

接続を完了させて、システムの電源を入れます。入れる順番は、ATTユニットが最初で、次にチャンネルデバイダですがボリュームを絞ってから電源を入れます。残りのDCパワーアンプ真空管アンプの電源を入れれば再生スタンバイです。チャンネルデバイダのボリュームをMAXに上げてからCDの再生をスタートさせます。再生がスタートした時点でATTユニットの減衰量を下げていきます。音がでましたが、歪んでいます。この歪みは、チャンネルデバイダのスルーチャンネルのボリュームをMAX位置から少し下げると改善する事がわかりました。再生を止めて、チャンネルデバイダの出力を確認してみました。

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スルーチャンネルのボリュームをMAXにしたところ、発振を確認しました。

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周波数は約1.6MHzで、レベルは4.2Vppです。ボリュームを絞ると発振が止まります。この現象は、ATTユニットのバッファアンプの発振と同じであると気づきました。

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上図はチャンネルデバイダの回路図ですが、スルーチャンネルのボリュームに2kΩを使っています。ボリュームをMAX位置から絞ってゆき、ボリュームの入力と出力間を50Ω以上とすると発振が止まる事がわかりました。この間の抵抗がダンピング抵抗として働き、発振が止まるようです。スルーチャンネルのボリュームをMAXで使う事はないため、運用上は問題なさそうですが、気持ちがわるいのでダンピング抵抗を追加して対策する事にしました。基板を取り外して、スルーチャンネル用の端子台(写真右下)の脇に、ダンピング抵抗として100Ωを追加しました。

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この改造で、スルーチャンネルボリュームMAX時のレベルが約0.4dB下がりますが、実用上の問題はありません。もう一方のチャンネルも同様に改造して、基板を元通りに戻しました。

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念のため、ウーハー用のチャンネルの確認を行いましたがこちらは問題ありませんでした。使用しているオペアンプが異なる事と、500Hz以上を減衰させている事に起因すると考えられます。本題から大きく脱線してしまいましたが、これで音だしが再開できます。

ATT基板3実装続き

前回、ミュートを含めた分圧抵抗の実装まで完了しました。今回は倍率抵抗切り替え回路の実装からスタートします。

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回路は、アナログ信号の入力端子台からアナログ信号ライン間に3kΩと27kΩ抵抗が直列に接続され、リレーで27kΩがショートされる構成です。これら抵抗も半田面に取り付けます。先の基板に従って実装を行いました。

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写真のとおりトリッキーな取り付けですが、2枚のATT基板の実績から意外と安定しています。ここまで実装が完了した段階で、減衰回路ブロックの動作確認を行います。ユニバーサル電源から12Vをリレーの操作コイルにダイレクトに供給して、それぞれの動作状態で所定の減衰量になっている事を確認します。具体的には、アナログ信号の入出力間と出力-GND間の抵抗値を測定します。

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全てのリレーを動作させるため、操作コイル用端子にワニグチでつまむ為にリードをハンダ付けしました。

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分圧抵抗回路の確認は、ミュートを解除する必要があるので、ミュート用リレーと対象の抵抗切り替え用のリレー2個を動作させます。地道に、全12個のリレーを動作させて確認を行いましたが特に問題はありませんでした。今回はここまで。次回は、今度こそセミマルチアンプ環境の音だし確認と、ATT基板の実装の続きを行います。

 

つづく(製作編37)