製作編4
フィルタ基板の実装が完了したので、ブロック単位で通電&動作確認を行います。
Midブロック通電確認
通電前にオペアンプを装着します。今回購入したオペアンプはトータル14個で、総額24,840円になります。壊さぬように慎重に作業していきます。
バッファアンプから順にオペアンプを装着して通電確認を行います。バッファアンプ用には、MUSES01を選択しました。MUSES01は無酸素銅フレームを採用しているため、端子の強度が弱いのでソケットが付属します。素直にソケットに装着した上で、基板のソケットにセットしました。
出力オフセット電圧は-0.4/1.6mVで問題ありません。次はLPFです。オペアンプはMUSES8920です。このオペアンプは通常フレームなのでソケットは付属しません。そのまま装着します。
同様に出力オフセット電圧を確認しました。バッファの出力電圧が加算されますが、0.2/3.2mVで問題ありません。この状態で周波数特性の測定をしておきます。
Mid_LPF周波数特性測定
2Vppの正弦波を入力し、出力波形をポケットオシロでモニタして伝達特性を測定します。久しぶりに発信器を引っ張り出しました。
いつものとおり、10Hzから周波数を上げていきます。写真は1kHz時の入出力波形です。
測定結果は以下のとおりです。
6kHzの減衰量が約-4.8dBで、減衰特性は約-12dB/octとなっていてほぼ設計どおりです。但し、測定系のダイナミックレンジの関係からすぐに測定限界に達して、系本来の特性が見えません。そこで以前に作成した10倍(20dB)のプリアンプを減衰域で使う事にしました。
改めて減衰域の特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。
結果は、15dB以上測定限界が下がり、これで本来の特性がだいぶ見える結果となりました。注意点は、通過域で使用すると出力がクリップするので、減衰域でのみ使用する必要があります。結果を見ると、1MHzでも-55dB以上の減衰量を確保しているので、フィルタの特性としては問題ありません。
写真は6KHzの入出力波形です。減衰量は約-4.9dBです。ほぼ設計どおりの特性となっています。
Mid HPFフィルタ通電確認
Mid HPFもMUSES8920を実装します。出力オフセット電圧は-0.9/1.9mVで問題ありません。初めに通過域でゲイン1倍を確認した上で、10Hzから確認をスタートします。減衰域なのでプリアンプを最初から使用します。結果は以下のとおりです。
以上は、Coldチャンネル特性の測定結果ですが、Hotチャンネルも同様に測定をしました。Coldチャンネルと同等の特性となっています。
Lowブロック動作確認
Midブロックと同様にボルテージフォロワとアクティブフィルタ用のオペアンプを実装します。それぞれの出力オフセット電圧は、-1.3/0.6mVと-1.2/0.3mVです。特に問題はありません。
Lowチャンネル周波数特性の測定
Midチャンネル同様に周波数特性の測定をします。結果は以下のとおりです。
Hot/Coldともに素直な特性です。カットオフ周波数500Hzの波形の確認を行いました。
減衰量は、約-5.2dBでした。位相差は、0.517mSで-93°です。これもほぼ設計どおりです。ここまでほぼねらいどおりの特性の確認ができました。次回はHighブロックの通電確認から行います。
つづく(製作編5)