チャンネルデバイダ製作2(製作編15)

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製作編15

安定化電源動作確認中に、誤差アンプ位相補償コンデンサ実装忘れに気づいたので実装し、動作確認をやり直します。

位相補償コンデンサ

誤差アンプの入出力間に470pFを取り付けます。これは回路検討時に矩形波応答の確認を行い、応答波形レベルがあまりにも大きかった為に取り付けました。当然の事ながら等価出力インピーダンスの高域特性は悪化します。前回の製作と同様に、セラミックコンデンサをハンダ面に取り付けました。

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動作確認

先の測定と同一条件で等価出力インピーダンスの周波数特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。

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ピンクのラインが今回の測定結果です。青のラインは位相補償コンデンサなしの結果です。4KHz付近から位相補償による影響が出始め、10KHzで等価出力インピーダンスが約2倍の結果となっています。この状態で先の確認で問題となった4.7uFを負荷とした場合の特性の確認を行います。

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40KHz以上の特性は変わりはありませんが、10KHz以下の特性が改善しています。位相補償追加によって微少発振が止まった事による改善です。この結果を見てしまうと、4.7uF負荷も避けるべきです。上限の容量確認の為に1uFと0.1uFの特性の確認を行いました。

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0.1uF負荷の場合、測定帯域内でほぼ影響はありません。1uFの場合は10KHz以上の帯域で若干の悪化レベルです。この結果から負荷容量の合計は1uF以下に押さえたいとおもいます。念のため配線長の影響を確認するため、約30cmの配線の先にコンデンサを取り付けて同様の確認を行ってみましたが、観測帯域内の特性は変わりませんでした。これらの結果から、アクティブフィルタ基板に取り付けたパスコン14個については容量を見直し、1電源あたりの合計容量を1uF以下に抑えたいとおもいます。

-12V安定化電源実装

続いてch1の-12V安定化電源回路を実装します。初めはドライバを放熱器に取り付けます。トランジスタはプラス電源用ドライバコンプリメンタリ品の2SA1359です。

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次は誤差アンプ用のオペアンプのソケットを取り付けます。回路実装の都合上、プラス電源回路と逆向きに実装します。

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プラス電源実装時には触れませんでしたが、採用したオペアンプは2回路品ですが、1回路は使用していません。未使用回路はボルテージフォロワ接続して、+入力に他チャンネルと同じ誤差信号を入力しています。出力はオープンです。続いて出力電圧調整用のボリュームを取り付けます。

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大物部品の実装位置はプラス電源とほぼ合わせています。続いて、-9.1Vの基準電圧回路を実装します。ツェナーダイオードおよび定電流ダイオードともに極性があるので注意して実装します。マイナス回路は、GNDからマイナス電源に電流が流れるので両部品の極性確認時に頭が混乱します。

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部品面実装最後は、ドライバベース回路と出力の位相補償回路です。ドライバベース回路の実装はプラス電源と変えています。

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今回は忘れずに誤差アンプの位相補償用コンデンサを取り付けます。

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これでマイナス電源回路実装は完了です。

ch1-12V電源通電確認

通電するために、オペアンプをソケットに装着します。

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オペアンプを装着すると見た目が引き締まります。出力電圧調整用ボリュームをプラス電源通電確認時と同様に3.8kΩにプリセットして、ユニバーサル電源から-16.9Vのみ供給します。出力電圧をモニタしながら電源オン。あれれ?出力がでません・・・。ユニバーサル電源の電流計はほとんど電流が流れていない事を示しています。なにかやらかしてしまいました。回路ダメージがなければいいのですが。次回は通電確認の続きから再開します。

 

つづく(製作編16)