構築編3
すべてのユニットの製作と改造が完了したので1000Mバランスマルチアンプ駆動システムを組みあげて音だし確認を行います。
システムアップ
アンプ4台を6本のスピーカーケーブルを使ってスピーカーと接続します。
他の配線も再度確認します。アッテネータとアンプ間およびチャンネルデバイダとアッテネータ間はそれぞれ6本のXLRケーブルで接続されています。
チャンネルデバイダとUSB DAC間は2本のXLRケーブルで接続されています。接続を間違えると、スピーカーユニットに過大入力を入れてしまい壊してしまう恐れがあるので、細心の注意を払って接続確認を行いました。さらに接続間違えを防ぐ為にケーブルにtagを付けてみました。アマゾンで検索してみたところ、各種のケーブル用tagが販売されていて、その中から比較的安価なものを購入しました。
実際ケーブルに取り付けてみるとこんな感じです。
音だし確認
電源をオンする順番は、以下のとおりです。
1)チャンネルデバイダ
2)アッテネータ
3)DCパワーアンプのメイン電源
4)DCパワーアンプの終段電源
5)EL34シングルアンプ
6)EL34ppアンプ
真空管のヒーターがチンチンと音を立てながら暖まったところで、ハムがわずかに聞こえます。チャンネルデバイダに原因として思い当たる点があるので、後で確認する事にして音だしを進めます。聴き慣れているBJ2のCDをセットして再生をスタートさせます。チャンネルデバイダのスコーカーおよびツイーター用のボリュームを調整して聴感により周波数特性のバランスをとります。全機能が正常に動作していてホットしました。
レベルバランス調整
今回1000Mのフルバランス駆動化にあたり、スコーカーとツィーター用のアッテネータをバイパスしました。アッテネータの表示からそれぞれのユニットの再生レベルは3dB以上あがっています。駆動用のアンプのゲインも微妙に異なるため、そのレベル差をチャンネルデバイダのボリュームで調整する必要があります。
■アンプのゲイン
調整方法は、スィープ信号を再生してその音をマイクで拾ってシステムトータルの周波数特性を測定します。2018-03-27「スピーカー周波数特性測定」で紹介した方法です。概要のみ紹介します。(詳細は当時の記事を参照ください)
・Wave Generatorでスィープ信号のwavファイルを作成します。
・Wave Spectrumで上記のスィープ信号の再生とマイクで拾った信号を周波数解析してピークレベルを表示します。
・音声信号の入出力はSound Blaster Digital Music Premium HD2を使用します。出力はtoslinkでUSB DACと接続します。入力はSound Blasterのマイク入力を使用します。
・マイクは測定用に購入したAudio TechnicaのAT2020を使用しました。比較的広帯域で、特性が公開されていた事が選定理由です。
・再生レベルは、スピーカーにダメージを与えないように上げすぎずに、かつ環境騒音を上回るレベルに設定しました。アッテネータユニットの最低レベル-36dBの設定で充分でした。まずは聴感でレベルをとった状態で測定しました。下記が結果です。
スコーカーとツィーター帯域のレベルがやや高くなっていました。チャンネルデバイダのボリュームを調整してレベルを取り直して測定した結果が以下です。
音の印象は、オリジナル状態にくらべてキラキラ感が後退した印象です。ちなみに下記がマイクロフォンの周波数特性なので、特性的にはオリジナル状態の方がフラットに近いのかもしれません。
剥がせるシールを買って正面パネルに貼り、フラット状態のボリューム位置に印を付けて、調整の参考にしたいとおもいます。
次回は実際にCDを再生して音の印象を報告します。
つづく(まとめ編)