真空管HPアンプの製作(設計編4)

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設計編4

シャーシの加工図を作成します。

MK-350

注文したリードMK-350が届きました。専用の箱に入っています。

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開けてみるとビニールに入れられたのみで一切の緩衝材はありませんでした。ごみの発生がなくて、梱包の理想ですね。以前に使用したMK-380より一回り小さいですが、正直なところヘッドフォンアンプの筐体としては大きい気がします。選定時の弱気を少し悔やみました。実際に部品を置いてみて、加工図を作成していきます。

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フロントパネル加工図

MK-350のフロントパネルはW350xH40です。ここに以下のものを取り付けます。

・ハンドル2個

・トグルSW

・電源ランプ(LED)

・4連ボリューム

・ヘッドフォンジャック(4極φ2.5)

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部品の取り付け位置は、先に製作した真空管アンプに合わせて、ハンドルを端から15mmの位置に、トグルSWを40mm、ランプを70mmの位置としました。HPジャックは、トグルSWの位置と対称として端から40mmの位置としました。念のためネジをシャーシの部品位置に置いて確認をしました。

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特に問題なさそうなのでこの位置で製作を進めます。いつものとおりAR CADで加工図面を作成しました。丸穴のみなので作図も容易です。

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リアパネル加工図

続いてリアパネルの加工図も同様に作成します。取り付ける部品は以下のとおりです。

・ハンドル2個

・XLRパネルコネクタ2個

・ACインレット

・ヒューズホルダ

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ハンドルはフロントと位置を合わせて、端から15mmの位置に取り付けます。その内側にXLRパネルコネクタを端から50mmの位置に取り付けます。ACインレットとヒューズホルダは隣合わせで配置したかったですが、配置できずに左右に分けました。理由はシャーシセンター部分のトランスとリアパネル間に電源基板を搭載するために位置取りができませんでした。フロントパネルと同様にシャーシに部品を並べてみました。

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ACインレットとヒューズホルダ間のACラインの引き回しが気になりますが、仕方ありません。この配置で加工図を作成します。

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XLRパネルコネクタは、先日製作したチャンネルデバイダリアパネルで作図したものをコピーしました。初めて後加工をせずに済んだ図面です。

シャーシ加工図

3つの加工図の中で、一番検討が必要な図面です。大物搭載部品は以下のとおりです。

・電源トランス

・出力トランス2個

真空管ソケット4個

・チップジャック6個

・基板3枚

最初にトランスの配置を決めます。シャーシ選定の際い決めたとおり、電源トランスはセンター配置とします。出力トランスの配置を決めますが、電源トランスの漏洩磁束によりハムの量が決まるので慎重に決める必要があります。EL34ppアンプ設計の際には、実験により向きを決めましたが、今回はネット上の情報を参考にさせていただきました。ブログ「おんにょの真空管オーディオ」の「3A5トリプルプッシュプルアンプ電源トランスの誘導ハム実験」に参考となる情報が掲載されていました。この結果によると、垂直面に固定した上で、ケースを被せた状態がベストでしたが、そこまではできないので、普通に取り付けられる範囲で一番ノイズが小さくなった向きにする事にしました。

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電源トランス前面には、4連ボリュームを取り付けるので、真空管を両脇にずらして配置しました。ソケットの向きは、真空管の捺印が前面となるように確認をしたところ、12AX7は捺印の位置が揃っていましたが、6N6Pはばらばらでした。仕方ないので、12AX7の捺印が前面になるようにソケットの向きを統一しました。真空管の後ろはバイアス回路用の基板を配置します。スルーホール両面基板を使ってシャーシ上からボリュームを調整できるようにしています。電源トランスの後面は電源基板を配置します。基板サイズが小さく、全部品が実装できるか心配です。他にも細かな部品の取り付けが必要ですが、現物合わせで後で加工をしていきます。

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次回はシャーシの加工をスタートします。

 

つづく(製作編1)