真空管HPアンプの製作(製作編3)

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製作編3

シャーシ加工で最後に残ったシャーシ上面の加工を行います。

加工準備

シャーシ上面に取り付ける大物部品は以下のとおりです。

・電源トランス

・出力トランス2個

真空管ソケット4個

・基板3枚

・チップジャック4個

上記以外の部品は、後で現物合わせで穴を開けて取り付けをします。いつもの様に加工図を印刷して貼り付けます。

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シャーシ上面には、ボンネット取り付け用のL字フランジが付いています。

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取り付けは3点のリベット止めですが、職業柄こんな点にも目がいってしまいます。加工図面を貼る為に図面を一部カットしました。

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同様に左用加工図もカットして貼り付けたところ、左右の図面のセンター位置がなぜか合いません。

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ズレ量は約5mmの為、図面あたり約2.5mmの誤差となります。強引にセンターを合わせて貼り付けする事も考えましたが、各部品の取り付け穴の間隔もずれている事に気が付き断念しました。今回のみズレた事で思い当たる点は、プリンタの設定です。シャーシ上面の寸法は350x200mmの為、プリンタの余白を考慮するとA4用紙にシャーシ外形の長辺が入りきらない恐れがあった為に、印刷時に四辺フチなしモードを選択していました。ネットを検索したところ、アドビのFAQページに四辺フチなしモードの場合、すこし拡大されて印刷されるため、長さが合わないとの情報が掲載されていました。仕方がないので、外形が印刷されなかった場合を考慮して長辺の内側5mm位置に補助線を追加してノーマルモードで印刷をする事にしました。下記はCADのプレビュー画面です。ぎりぎり外形が点線で示される余白の内側に入っています。

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結局外形の線は印刷されたため、補助線は使わずに済みました。

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A3対応プリンタがない事で、余計な手間をかけてしまいましたが、これで加工に入れます。

シャーシ穴加工

加工図に従い、穴のセンターと角穴の位置だし用に四角にポンチで印を付けました。

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いつものとおり、位置だし用に2mmのドリルで穴を開け、M3ネジで固定用の穴のみ3.2mmのドリルで穴径を広げました。

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他の穴は、4.2mmのドリルで穴径を広げM4ネジ固定用の穴以外は、さらにステップドリルに切り替えて穴径を広げました。

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現時点の穴の最大径は10mmです。

真空管ソケット穴加工

次は、MT管用ソケットの穴加工を行います。穴径は21mmです。シャーシパンチ用に開けた10mmの穴にシャーシパンチをセットします。

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リアパネル加工時と違い、シャーシパンチの刃を表裏どちらにもセット可能なため、シャーシ上面にキズがつきにくくなるように、シャーシパンチの刃を上面にセットしました。やや面がゆがみましたが、きれいに穴が開きました。

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続けて残り3個も穴開けしますが、リアパネル加工時に当面シャーシパンチは使いたくないと思ったのもつかの間、また使う事になり、今度こそ当面使いたくないと強く思いました。

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この状態では、残念ながらソケットは入りませんでした。仕方がないので、ヤスリで穴径をさらに拡大して装着できるように加工をしました。本記事のアイキャッチ写真は、加工後に真空管ソケットを穴に装着してみたものです。

電源トランス穴加工

最後の難関、角穴の加工です。ハンドニブラセット用に開けた10mmの穴から地道に加工線にそって切っていきます。そろそろ握力が尽きかけた頃、穴開け完了しました。

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各穴にヤスリをかければ加工完了です。次回は加工したシャーシに部品の取り付けを行います。

 

つづく(製作編4)