DCパワーアンプ電源改良(設計編2)

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設計編2

電源トランスユニットのケースの選定を行います。

搭載電源トランス

最初にケース選定に必要な、実装する部品のサイズを確認します。シャーシに実装する部品は、電源トランス4個です。左右チャンネルが独立で、片チャンネルあたり電圧増幅段用と終段用の2個です。電圧増幅段用は、現状搭載している東栄変成器のJ-161を流用します。外形寸法は以下のとおりです。

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終段用の電源トランスは、現行品に対して4倍に容量アップして音質改善を狙います。現状考えているものは、東栄変成器のJ-1220です。外形寸法は以下のとおりです。

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正面パネル取り付け部品

正面パネルには、ネオン管を3個取り付けます。左右チャンネル共通の電圧増幅段電源オンを示す赤のネオン管1個と、終段電源オンを示す緑のネオン管2個です。終段用は左右独立で表示をさせます。どちらもサトーパーツの同一シリーズの色違い部品の選定を考えていて、寸法は以下のとおりです。

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取り付け時のシャーシ内への飛び出し量は約35mmと大きく、配置の工夫が必要です。

リアパネル取り付け部品

電源トランスユニットの電源用にACインレットとヒューズホルダと、各アンプへの電源供給用に3極と5極のXLRパネルコネクタを各2個を取り付けます。ACインレットとヒューズホルダは、リアパネルセンターへ取り付け予定です。ケース内への飛び出し量は30mmを想定しています。次はXLRパネルコネクタを選定します。前回の記事で、SOUND HOUSEに豊富な在庫がある事を確認しましたが、その中から4種類ともにノイトレックのパネルコネクタを選定しました。メーカーを統一すると取り付け用の加工が共通になる事と、気休めかもしれませんが、3極の定格電流がITT製のものが15Aに対して、16Aであった事と、メーカーのサイトに図面がアップロードされていた事が理由です。参考に3極のメスの図面を掲載します。

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図面から、ケース内への飛び出し量は約25mmです。選定したパネルコネクタは、下記で赤丸を付けたものです。

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アンプ本体には、信号入力用に3極のメスのXLRパネルコネクタが存在します。差し間違いを防ぐために、アンプ本体の電源コネクタはオス側とします。従って、電源トランスユニット側のXLRパネルコネクタは、メス側となります。この仕様とした場合、ケーブル未接続時の感電の確率が下がります。上記をまとめると、リアパネルと内部実装部品間のクリアランスは、最低でも25mm必要で、場所によっては30mm必要となります。

電源トランスの配置検討

重い終段用の電源トランスをリア側に並べます。できる限り他の機器とケースの幅を揃える為に、幅を押さえる向きに配置したいとおもいます。その手前に電圧増幅段用の電源トランスを並べます。終段用のトランスよりも長辺が短い為、終段用トランスとは逆に、長辺を横向きに並べてみました。適当な間隔を取って並べた配置図を作成してみました。

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この配置の場合、全てのトランスの端子は前または後ろ方向に配置されます。外形に対して適当にクリアランスを取ってケースに必要な内寸を設定してみます。幅方向は両脇に20mmづつクリアランスを確保すると、必要な内寸は290mmとなります。奥行き方向は、前後方向に25mmづつクリアランスを確保すると、必要な内寸は255mmとなります。高さは、終段用トランスの全高が98mmなので、クリアランスを5mm確保すると、103mm以上の内寸が必要となります。この内寸(W290 x D255 x H103mm)を元にケース選定を進めます。最初に、3wayチャンネルデバイダで使用したOSシリーズを確認してみます。

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高さは99mmの上が133mmで、この寸法はアンプ本体のケースと同じです。チャンネルデバイダでは幅が320mmの物を使用しました(OS88-32-33SS)が、高さを考慮すると今回は高さ違いのOS133-32-33SS(13,220円)が良さそうです。このケースの内寸は、W294 x D 309.1 x H116.3なので十分実装できそうです。せっかくなので今まで使った事がない他のシリーズを確認してみます。選択可能な物としてMOシリーズが目にとまりました。

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高さ133mmで幅320mmのものがラインナップされていました。奥行きは280mmの上が350mmです。奥行きが小さい方のMO133-32-28BS(11530円)の内寸はW290 x D255 x H116と今回の配置にぴったりでした。MOシリーズは、上記の写真のとおり計測器に使用される外観で、オーディオにはいまいちのデザインです。OSシリーズはチャンネルデバイダで使用実績があり、今回設定したものは、チャンネルデバイダとフットプリントが同一の高さ違いのため、現行システムとのデザインの親和性があります。少し値段は高いですが、今回はOSシリーズを選定したいとおもいます。次回はケースの仕様を確認して設計を進めます。

 

つづく(設計編3)