DCパワーアンプ電源改良(設計編3)

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設計編3

電源トランスユニットのケースの設計を進めます。

選定したケース

前回の記事で、ケースの選定を行いました。選定したOS133-32-33SSについて改めておさらいします。下の図はOSシリーズの構造図です。

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フレーム構造で、一部のフレーム部品を除き、アルミ製で加工しやすいケースです。フレーム構造は、部品の実装効率面で不利ですが、実装部品と外板とのクリアランス確保の為の構造と考えると気になりません。色は4種類設定されています。

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SS(シルバー)以外は、価格が数千円高くなりますが、素直にチャンネルデバイダで使用したSS品を今回も選択したいとおもいます。購入は、楽天で検索したところ多くのショップで取り扱われていました。総じてそのショップで在庫は持たずに、ダイレクトにメーカーから発送する仕組みのようです。その中から比較的安価だった測定器・工具のイーデンキへ発注をかけました。送料税込みで11,223円でした。

ボトムシャーシ加工図

最初にボトムカバーの加工図を作成します。ボトムカバーのサイズは、W316 x D309です。これに前後にフレームがそれぞれ20mm、両サイドにそれぞれ14mmオーバーラップします。それを考慮すると、ボトムシャーシに部品配置可能なエリアは、W288 x D269mmとなります。このエリアに前回検討したトランスを再配置してみました。

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前回の記事で検討したトランスの配置は、外板とのクリアランスを含めた寸法は、W290 x D255だったので、選定のケースには余裕を持って配置できました。最終的に、前後パネルとトランス間のクリアランスは47mm、サイドパネルとトランス間のクリアランスは28mm確保する事ができました。電圧増幅段用のトランスの間には、配線中継用のラグ端子板を配置しています。ここでトランス1次側の電源を分配する予定です。

フロントパネルの加工図

フロントパネルには、赤のネオン管1個と緑のネオン管2個を実装します。トランスの唸り対策で見えない場所に設置する予定なので、デザインには拘りませんでした。ケースの奥行き方向の寸法に余裕がとれた為、ネオン管の配置の制約はなくなりました。赤のネオン管をパネルのセンターに、左右チャンネルの終段電源の状態を示す緑のネオン管を赤のネオン管とパネルの左右の端とのセンターにそれぞれ配置しました。穴径は全てφ9.2mmです。

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リアパネル加工図

リアパネル実装部品は以下となります。

・ACインレット

・ヒューズホルダ

・XLRパネルコネクタメス5極2個(電圧増幅段用)

・XLRパネルコネクタメス3極2個(終段用)

幅方向に余裕があるため、全部品を横一列に配置しました。左右に電源出力用のXLRコネクタを各2個配置し、センターよりにACインレットとヒューズホルダを配置しました。作成した加工図は以下のとおりです。

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XLRパネルコネクタの取り付け用の加工は、従来に比べて大幅に簡略化しました。この寸法の場合、ノイトレック製のパネルコネクタは、フロント取り付けとリア取り付けのどちらも選択可能です。別途アンプ本体のリアパネルの加工を依頼する予定ですが、加工費が安くできそうです。従来製作したパワーアンプのフロントおよびリアパネルには、部品ガード用にハンドルを取り付けていますが、今回は見送る予定です。実装部品がトランス4個と重い上に、フレーム構造のパネル強度が重さに負けてしまう可能性があるためです。ハンドリングを考えると取り付けたいところですが、今回は見送りたいとおもいます。

 

つづく(設計編3)