製作編9
アンプ用パネルの加工が完了したので、アンプ本体の改造を行います。
アンプ本体分解
最初にアンプ本体を分解します。
写真のとおり、比較的小さい筐体にトランス2個と基板4枚を実装しています。内部にに手が入りにくく、配線がぐちゃっとしています。この中の、終段用電源基板とアンプ基板をヒートシンクごと流用します。電圧増幅段用トランス(小さい方)は、電源トランスユニット側で流用します。フロントおよびリアパネルは、前回の記事で紹介したものと入れ替えます。初めに配線を外していきます。
オーディオ趣味復帰後、1年以内の製作の為、現状の構造と異なります。配線には端子台を使用せず、基板ポストに直接ハンダ付けしています。今回の改造で、最低限のメンテナンス性を確保するために、一部を端子台に変更する予定です。コテを使って配線を取り外しました。
一通り配線を取り外しましたが、さらに内部がぐちゃっとしてきました。
次にボトムシャーシを取り外しました。
電源基板には太い電線が直接ハンダ付けされており、メンテナンス性の考慮がされていません。一度、出力ショートによりアンプを壊してしまい修理を行った時に、最低限のメンテナンス性は必要と痛感しました。続いて電圧増幅段電源基板を取り外します。
向かって右が取り外した現行基板で、左が先に製作した安定化電源です。トランスの容量アップとともに、今回の電源改善項目の目玉の1つです。続いて、終段用の電源基板です。BTL構成で出力を8Wに押さえる事で、終段の電源電圧を8.6Vまで下げています。これにより安価に100,000uFの電解コンデンサを実装する事ができました。続いてアンプ基板を取り外します。
アンプ基板は正相用と逆相用の2枚実装していますが共通です。ボトムシャーシには、残りトランス2個のみ実装されています。
このうち、左側のトランスを電源トランスユニットで流用します。
終段用電源基板改造
改造項目は以下のとおりです
・ブリッジダイオードを16A品に交換
・入出力を直付けから端子台に変更
現状搭載のブリッジダイオードは、ショットキーバリアダイオード採用のD4SBS6で4A品です。データシート上ではフィン無しで2.3Aまで使用可能となっています。これを今回、ショットキーバリアダイオード採用のD15XBS6に変更します。定格電流は15Aと容量アップしますが、ヒートシンク無しの電流値は2.1Aと逆に下がります。影響はわずかかもしれませんが、簡単なヒートシンクを取り付ける事にしました。以前に、マルチアンプ検討時にバラックで組立たボリュームユニット用のアルミパネルを再加工してヒートシンクを製作しました。
40x30mmと大きくありませんが、ない状態よりも放熱は改善します。穴が二つありますが、パネル加工を流用したためです。ブリッジダイオードともに交換しました。
合わせて、電源入力と電源ランプ用に端子台を追加しています。次に、出力も端子台化しました。終段は各コンプリメンタリユニットごとに電源供給をしているため、+/-で4組(8端子)と電圧増幅段用に端子台を追加しました。
多くの端子台が並ぶと壮観です。ハンダ面は以下のとおりです。
従来から採用していた導電性高分子アルミ個体電解コンデンサはそのまま実装しています。全体の構成は以下の写真のとおりです。
次回は、取り外した電圧増幅段用トランスを電源トランスユニットに搭載します。
つづく(製作編10)