DCパワーアンプ電源改良(製作編10)

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製作編10

現行アンプから取り外した電圧増幅段用電源トランスを電源トランスユニットに搭載します。引き続き現行アンプから取り外したアンプ基板の改造を行います。

電源トランスの流用搭載

現行アンプから取り外して流用搭載する電源トランスは、東栄変成器のJ162です。16V/1Aの2次巻き線が2回路あるタイプです。本パワーアンプの電圧増幅段用電源トランスとしては、余裕の定格値です。取り外したトランスを電源トランスユニットのボトムシャーシに取り付けます。

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このトランスの出力は2組の0V-16Vタップがあります。現行アンプ搭載時の配線は、2つの0Vタップを接続してGND接続し、各巻き線の16Vタップをブリッジダイオードと接続していました。出力信号の位相を考えるとはたしてこの接続でいいのか心配になったので、確認してみる事にしました。確認方法は電源入力して、2次巻き線出力の波形をポケットオシロで観測します。2つの0VタップにオシロのGNDを接続し、2chモードで2つの16Vタップの波形をモニタしました。

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ポケットオシロの感度を設定して電源オンします。観測波形は以下のとおりです。

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無負荷動作の為か、波形は歪んでいますが、逆位相となっている事を確認しました。現行のアンプも設計どおり配線されていた事が確認できました。配線を始める前に電源の回路図を参考に再掲載します。

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初めに1次配線をします。現行のアンプと同様に110Vタップを使用して、2次巻き線出力電圧を下げて電源基板の発熱を抑えます。接続先は、ラグ端子板の100V端子です。2次巻き線の接続先はリアパネルの5極のXLRパネルコネクタです。0Vタップを1pinに2つの16Vタップを2pinと3pinに接続します。

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配線がかなり混んできましたが、スペースに十分余裕があるので束線でスッキリできそうです。合わせて5極のXLRパネルコネクタの4pinと5pinに終段トランス用電源SW配線も行いました。

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もう一つトランスの搭載が残っていますが、電源トランスユニットは以下の写真の状況となりました。

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念のため、この状態で通電確認を行いました。状態に応じて電源ランプが点灯する事が確認できました。

アンプ基板の改造

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改造項目は以下のとおりです。

・電圧増幅段電源の電解コンデンサの削除

・一部の端子接続用ポストを端子台に交換

電源の電解コンデンサは、安定化電源の動作を不安定にするので削除します。一部ポストの端子台への変更は、メンテナンス性向上の為に、接続先がハンダ付けされている配線用のポストを端子台に変更します。ヒートシンク温度モニタ用のトランジスタ配線も端子台化しようと思いましたが、基板配線上断念しました。ヒートシンク単位で取り外しができる為に変更不要と自身を納得させました。基板を取り外し、改造対応用に四角にスタッドを立てます。

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初めに電圧増幅段電源用ポスト脇に実装されている電解コンデンサ2個を削除しました。続けて、信号入力用と終段電源用のポストをそれぞれ2極の端子台に変更しました。最後にドライバ段のエミッタ出力用のポストを3極の端子台に変更しました。

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ハンダ面は以下のとおりです。

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最近の製作に比べて汚いですが、技量の変化という事でしょうか?アンプ基板を元通りにヒートシンクに取り付けます。

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温度モニタ用トランジスタ配線はハンダ付けし、ドライバ段エミッタ出力は端子台接続しました。残りは、本体組立時の配線となります。

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次回は、もう1枚のアンプ基板の改造を行い、アンプ本体の組立に着手します。

 

つづく(製作編11)