格安オシロの導入(番外編36)

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番外編36

今回は予定を変更して、格安オシロスコープを導入したので概要を紹介します。

導入前

記事で何度も紹介したとおり、従来の波形観測ではポケットオシロスコープDS203を使ってきました。

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仕様は以下のとおりです。

・アナログ2ch + デジタル2ch

・アナログ帯域8MHz

・メモリ長4096

・入力感度50mV/div~5V/div(1:1時)

・内蔵バッテリ駆動(USB充電)

とりあえず、波形モニタができて、波形比較ができればいいという方には価格が約20,000円を考慮すると十分な仕様だと思います。それでも使っている中でいくつかの不満点が出てきました。

・操作性が悪い

本体が小さく、少ないキーのみなので仕方ない部分がありますが、少しでも改善させようと、ネット上のシステムソフトWILDCAT V4.5に書き換えて使用しています。

・プローブのコネクタの信頼性が低い

通常のオシロスコープはBNCコネクタが採用されていますが、本体が小さい為にDS203ではMCXコネクタが採用されています。

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このMCXコネクタの信頼性が低く、観測中にGNDが浮く事態が発生していました。MCX-BNC変換ケーブルを購入して通常のプローブを使用する事にもトライしましたが、変換ケーブルのMCXコネクタの信頼性が低く、対策にはなりませんでした。

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・入力感度が低い

プローブを10:1で使用すると、入力感度は500mV/divとなります。仕方がないのでプローブを1:1で使用して、さらに感度が必要な場合は10倍のプリアンプを使用していました。

・基本バッテリー駆動

長時間の測定時には不要なタイミングで電源オフする等の対応でバッテリーの消費を抑えました。

決断

上記の不満を抱えつつ、やりたい事が最低限できていた為、今まで購入を見送ってきましたが、貯まったアマゾンポイント(約7,000point)の有効利用と、消費税アップ前に我慢してきたものを買ってみたい衝動にかられて注文してしまいました。機種はOWON SDS1102です。購入時2019年9月時点のアマゾンでの価格は、送料と消費税込みで29,980円でした。仕様は以下のとおりです。

2ch/1Gs/s 100MHz帯域

・入力感度5mV/div~5V/div(1:1時)

・重さ1.5kgで厚さ約7cm小型仕様

・800x480 7inchカラーモニタ採用

・USBポート内蔵(PC接続およびUSB外部メモリー保存)

FFT機能搭載でスペクトラム解析可能

商品到着

注文から数日で大きめのamazon梱包箱が届きました。

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開けてみます。中には商品の梱包がラップされて入っていました。

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商品梱包を開けると、本体、電源ケーブル、USBケーブル、プローブ2本、CD-ROM、クイックガイドが入っていました。(本記事アイキャッチ写真参照)本体厚約7cmは昔ながらのオシロのイメージからすると格段に薄いです。

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基本操作は、ダイアルが機能毎に分けられて配置されていて、そこにファンクション呼び出し用のボタンがあります。このボタンを押すと画面右にサブメニューが表示され、画面横の5つのポタンで各機能を設定していきます。

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試用

さっそく信号を入力してみます。ソースは2ch発信器を使ってch1へは15KHzの正弦波をch2へは15KHzの矩形波を入力してみました。

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次に演算機能を試してみました。最初はch1 x ch2をその次はFFTモードです。

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FFT実行時は、画面が2つに分割されて、下側にスペクトラム分析画面が表示されます。上記の写真はch2の矩形波のスペクトル分析結果です。画面のキャプチャも可能で、前面にあるUSB端子へUSBメモリを差しすと外部保存ができます。

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下の写真は上記の手順でキャプチャしたBMPファイル表示結果です。波形の一部を拡大して観測している状態です。

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まだPC接続等、他にも機能はありますが追々使用してみたいとおもいます。特別な理由がないかぎり、これから導入するのであれば、DS203との価格差約1万円を考慮すると、どちらか選択であれば今回の製品をおすすめします。

 

おわり(番外編36)