2019東京インターナショナルオーディオショウ(番外編37)

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番外編37

今年もいってきました、東京インターナショナルオーディオショウ。

概要

昨年の開催は11/16~11/18でしたが、今年の開催はやや遅く11/22~11/24でした。私は雨の中、11/23に東京国際フォーラムに行ってきました。今回は第37回で奇しくも本記事の番外編Noと同じです。出展は全33社で200を越えるブランドが展示されたとの事です。

Fostex

ここ何年か連続で訪れていて、少々マンネリぎみの感もありましたが、今回はフォスター電機70周年記念モデルのFostex FE103Aを見て、聴いてくる事が一番の狙いです。会場に着くなり、フォスターのブースに直行しました。すでに試聴は始まっていましたが、予想通りFE103Aのデモです。

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FE103Aは、10cmフルレンジユニットでありながらペアで70,000円もする高級ユニットです。ペアで木箱に納められていてプレミアム感を高めています。

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磁気回路は今ではめずらしいアルニコマグネットを使用した内磁型です。

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説明によると、スピーカー用のアルニコマグネットをつくってくれる国内メーカーは1社もなく、今回は中国メーカーのものを採用したとの事でした。フレーム以外の金属部品は、この製品用におこし直していて、価格を押し上げている要因との事でした。700セット限定なので購入の迷いは禁物です。説明員の方にこっそり聞いたところ、価格が高いので迷われている方が多く、聴いてみてからの判断とおっしゃる方が多いとの事でした。スタンダード品にはセンターキャップに穴がない事を聞いてみたところ、最初は穴なしで開発をスタートしたとの事ですが、大型のフェライトマグネットに比べて力が弱く、圧力の影響を逃がすために開けたところ、特性にピークは出たものの、耳につく共振が分散して聴感上良かった為、採用に至ったとの事でした。

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到着時点のデモは、FE103用の小型のバスレフ方式のエンクロージャーに取り付けられて演奏が始まっていました。非常にバランスのいい鳴りっぷりです。途中から、音圧を上げない程度にスーパーウーハーを追加しての演奏に切り換えられました。カットオフ40Hzで帯域補完との事でした。正直なところ、私はなくともいい感じがしました。11時のコマでは、このユニット専用に開発されたエンクロージャYK103Aに取り付けられてデモが行われました。

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このエンクロージャの発売は12月で限定100ペア、価格は140,000円です。ユニットを含めた価格はペアで210,000円となりそこそこの価格帯に入ります。両サイドはスモークのアクリル板が採用されている為、スピーカーユニットを外から眺める事ができます。

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中を見せるためには吸音材を減らす必要があり、吸音材を減らす為には定在波を減らす必要があります。定在波を減らす為に、上から見ると台形の形状としたとの事でした。当初はバッフルもアクリル板が検討されたとの事ですが、音が悪いとの意見で現状の仕様となったとの事です。10cmフルレンジを思わせない鳴りっぷりで、プレミアム品である事を考慮すると買ってみる価値ありと思いました。

TAD

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今回は、TADのアンプとスピーカーの最新フラグシップモデルのデモでした。スピーカーは、3wayフロア型のTAD-R1TXです。発売は2019年7月でペアで10,000,000円もします。アンプはTAD-M700で、BTL方式モノラルパワーアンプです。定価は3,200,000円(ステレオ分で6,400,000円)で2019年12月発売です。

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ツイーターとスコーカーにベリリウム蒸着のダイヤフラムが引き続き採用されています。ウーハーには大型のネオジウムマグネットが採用され、前機種よりもダンパーを弱くして低レベル時のレスポンスを改善させているとの事でした。

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私の参加したコマではアンプの説明はありませんでしたが、カタログから情報をピックアップしてみました。BTL構成の350W/8Ωのモノラルパワーアンプで、入力回路のFETは匠の手による選別ペア品が使われていて、終段にはマルチエミッタトランジスタが採用され、さらに超大型電源トランスが採用されています。最大出力こそ大きく違いますが、私の自作パワーアンプの設計と共通の思想を感じました。スピーカーも私の理想に近い仕様となっています。説明は昨年同様に長谷さんを期待していましたが、育成目的との事で、若手エンジニアが担当されていました。正直なところ私が代わってあげたい気持ちになりましたが、今後に期待したいとおもいます。デモの選曲は昨年同様に私の好みにマッチしていて、私は勝手に長谷さんによるものと思っていますが好感がもてました。音も私の好みに近く好印象でした。システムの価格を考えると、こんな感想を書く事自体失礼な事なのかもしれませんね。次回はEL34ppパワーアンプの製作に戻ります。

 

おわり(番外編37)