DCパワーアンプ電源改良(製作編16)

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製作編16

安定化電源の修理とHotチャンネルアンプ基板の調整が終わったので通電確認を行います。ブログ開始以来、最大の泥沼に足をつっこんでしまう事になリました。

アンプ組立

写真は現状のアンプの状態です。

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ボトムカバーを改造した事で、ボトムカバーを取り付けた状態で右側のヒートシンクを取り外す事ができました。そこへ調整済みのアンプ基板をヒートシンクごと取り付けます。

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狙いどおり、ボトムカバー取り付けた状態で、ヒートシンクの取り付けができました。続いて修理済みの安定化電源基板を取り付けます。初めに入力側の電線と電源ランプおよびシャーシGND配線のみを行いました。

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通電確認

この状態で安定化電源の通電確認を行いました。電源トランスユニットと5極のXLRケーブルのみ接続を行い、電源トランスユニットに電源供給します。SWオンでアンプユニットの電源ランプが点灯し、安定化電源出力も約+/-13.5Vが出力されている事を確認しました。一旦電源を切って、アンプと電源基板間の配線を行います。全体の通電確認のために、電源トランスユニットと3極のXLRケーブルの接続も行いました。通電時の確認としては、出力オフセット電圧と、終段のバイアス電流のモニタを行います。具体的には終段のエミッタ抵抗にかかる電圧をモニタしました。意を決して、電源トランスユニットの電源をオンします。続いて、アンプユニットのプッシュSWをオンして、終段へも電源供給します。プッシュSWの自照式ランプが点灯し、終段への電源供給がされている事がわかります。モニタ中のエミッタ抵抗の電圧がみるみる上昇し、所定のバイアス電流を越えてしまいました。即座にVol3を調整してバイアス電流を下げようとしましたが、下がりません。そうこうしているうちに、焦げ臭い感じがしてきたので、電源を落としました。一旦アンプ基板の電源配線を外して、電源の通電確認を行ったところ、初回の通電確認時と同様に安定化電源の+出力が出ていませんでした。ー出力および終段用電源は正常に動作していました。

安定化電源修理2回目

確認を行ったところ、症状も初回と同様に安定化電源のドライバトランジスタが故障していました。幸いにも、多少のドライバトランジスタ在庫を持っていたため、修理はできました。念のため、アンプ基板の単体動作確認も行います。前回と同様に、安定化電源から電源供給して確認を行いましたが、問題ありませんでした。前回は終段のバイアス電流も所定の電流値に調整して通電を行いましたが、微妙な電源電圧の違いによって熱暴走した可能性もあるので、バイアス電流を押さえておく事にしました。設計値は約0.8Aですが、今回は約0.1Aに調整しました。

通電確認3回目

再度アンプを組立ます。通電時にアンプ基板へアクセスしやすい様に、ヒートシンクは取り付けずに、寝かした状態で電源基板と接続しました。

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意を決して電源オンしました。安定化電源の出力をモニタしたところ、同様に+電源出力がダウンしていました。とほほ・・・。この安定化電源には強力なフィードバックがかかっているため、このアンプ基板との組み合わせで不安定になり故障したと考えて、一旦現行の電圧増幅段用の電源基板に戻してアンプを組み上げて、時間をかけて安定化電源の改良を行う方針としました。作業中の写真撮影を忘れる程テンパっていましたが、ハードルを下げた方針転換によって気分は一旦晴れました。

現行電源基板改造

先に取り外した現行の電圧増幅段用の電源基板を改造します。この回路はフィードバックがかかっていないので、安定性に関しては全く心配ありません。改造のポイントは、メンテナンス性の確保の為に、入出力を基板ポストから端子台に変更する事と、アンプ基板の電解コンデンサを削除してしまった事を補う為に、電源基板側出力に電解コンデンサを追加しました。次の写真は、改造後の部品面です。

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電源出力部への電解コンデンサの追加は、スペースがなかった為にハンダ面に追加しました。

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市販されている製品では、接着剤で電解コンデンサを基板に接着させますが、輸送しない前提なので、このままとしました。改造電源基板を通電確認しましたが、問題ありませんでした。

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次回は、改造した現行電源基板の取り付けおよび通電確認を行います。この通電確認でようやく目がさめますが、詳細は次回に。

 

つづく(製作編17)

DCパワーアンプ電源改良(製作編15)

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製作編15

安定化電源を壊してしまったので修理してアンプ本体の組立を再開します。

安定化電源状況

負荷側の故障も考えられるので、電源の出力を外して改めて出力電圧を確認しました。

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配線を外す前と同様に+出力のみ出ていません。ー出力は正常出力していました。やれやれ、早速修理が必要です。

メンテナンス性の改善

電源の修理の前に、当初から予定していたアンプ本体構造に関わるメンテナンス性の改善対応を行います。アンプ本体は、両サイドのヒートシンクに正相逆相のアンプを搭載しています。アンプ故障時にヒートシンク単体で取り外せるとメンテナンス性が向上します。現状は、トップカバーとボトムカバーを取り外し、それぞれのカバーで覆われた、フロントおよびリアパネルとの固定用ネジを外すとヒートシンクの取り外しができます。これを、ボトムカバーを外さずにヒートシンクのみ取り外しができれば、メンテナンス性が著しく向上します。具体的には、ボトムカバーに穴をあける事でボトムカバーを外さずに、フロントとリアパネルとの固定用ネジにアクセスできる様にします。ボトムカバーの4角にφ7.5の穴をあけました。

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この穴からヒートシンク取り付け用のネジに直接アクセスできるようになりました。

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対象のヒートシンクを取り外す手順は、以下のとおりとなりました。

1)トップカバーを外す

2)トップ側ヒートシンクとフロントパネル固定用のネジを外す

3)トップ側ヒートシンクとリアパネル固定用のネジを外す

4)ボトムカバーとヒートシンク固定用のネジを外す

5)ボトム側ヒートシンクとフロントパネル固定用のネジを外す

6)ボトム側ヒートシンクとリアパネル固定用のネジを外す

従来は、5と6項を行う為にボトムカバーを取り外す必要があり、その為に別チャンネルの電源配線も全て外す必要がありましたが、この手順が不要となりメンテナンス性を向上させる事ができました。

安定化電源修理

安定化電源修理の為に、電源基板を取り外して単体通電ができるように準備しました。

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初めにこの状態で各部電圧の確認を行いました。結果は以下のとおりです。

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出力電圧が0Vの為、誤差アンプが電圧を上げようとドライバのベース電圧をめいっぱい上げていますが、ドライバが正しく動作していません。基準電圧回路の動作は問題なさそうです。この結果から、過電流によりドライバが故障したと考えられる為、ドライバのみ交換する事にしました。トランジスタの端子をカットして、ヒートシンクからボディーを取り外しました。

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この状態では3本の端子は簡単に取り外しができました。交換後のハンダ面は以下のとおりです。(写真センター部)

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念のため修理後に通電確認を行い、正しく修理できている事を確認しました。アンプ本体をせっかくばらしたので、製作編13で発覚した電源ランプの+/-の配線間違いも直しました。

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アンプ単体通電確認

前回の通電確認の際にアンプ本体に何らかのダメージがない事を確認する事にしました。具体的にはヒートシンクごと取り外した状態で通電確認と調整を行う事にします。

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電源はユニバーサル電源から供給します。電圧増幅段用電源は、+/-13.5Vをメインチャンネルから、終段用の電源はサブチャンネルから供給します。サブチャンネルは電圧をあまり上げられない為、+/-6.15Vを供給しました。早々に調整を行ってみましたが、アンプ基板は正しく動作していました。

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調整の方法は以下のとおりです。

1)Vol3を絞って終段のバイアス電流をカットオフさせる

2)Vol2を調整して、2段目の差動アンプ負荷電流をそろえる

3)Vol3を調整して終段のバイアス電流を少し上げる

4)Vol1を調整して出力オフセットを0に調整する

5)2~4項を繰り返し実行して所定の電圧・電流に調整する

この手順によって設計値どおりの状態とする事ができました。次回は改めてアンプを組み上げて通電確認を行います。

 

つづく(製作編16)

DCパワーアンプ電源改良(製作編14)

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製作編14

電源基板の載せ替えと通電確認まで終わったので、引き続きアンプユニットの組立を進めます。

配線&通電

元のアンプのシャーシGNDは、ラグ端子板で行っていました。改造後はラグ端子板を使わないので、専用にシャーシGNDを取ります。現行アンプで部品取り付けに使っていたボトムシャーシの穴を利用して、2枚の電源基板のGNDをシャーシと接続しました。電線の接続には、ラグ端子を使用しています。

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次に電圧増幅段用の電源を接続します。まずはHotチャンネルを組み上げます。アンプ基板側は3極のポストなのでハンダ付けします。

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電源基板側は3極の端子台を2個搭載したので、電源基板側の接続は容易です。

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次はドライバ段の電源配線を行います。ドライバ段はアンプ基板に実装されていて、電源供給用の基板ポストを今回2極の端子台に変更しました。

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接続先は終段用電源基板です。終段用電源基板には、ドライバ用に3極の端子台を搭載しましたが、搭載スペースの関係で、Hot/Coldチャンネルで共用しています。

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最後に、終段の配線を行います。終段はバイポーラトランジスタコンプリメンタリ回路をパラレル構成としています。それぞれのコンプリメンタリ回路へ専用に電源を供給しています。現行回路では、マイナス側の配線が短くて済んでいたため、今回の電源基板配置では現状の電線では届きませんでした。電線を丸ごと交換する事も考えましたが、使用している電線の在庫が少なく、全部交換できそうになかったので、短い電線のみ継ぎ足しする事にしました。

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接続先は終段用電源基板の出力端子台です。各配線専用に端子台を設けた為、接続は容易です。

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これでHotチャンネルアンプの電源配線は完了です。

Hotチャンネル通電確認

電源トランスユニットとアンプ本体を2本のXLRケーブルで接続します。この状態で電源トランスユニットへ電源供給します。電源トランスユニットおよびアンプ本体の赤の電源ランプのみの点灯を確認しました。アンプ本体の電圧増幅段用電源出力も約+/-13.5Vと正常です。アンプ本体の各部回路電圧も、過去に測定したスタンバイ時の電圧とほぼ同じでした。下記回路図の括弧内の数値がスタンバイ時の電圧です。

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意を決して、アンプ本体の電源をオンします。自照式の青のランプが点灯しました。アンプ出力電圧を確認したところ、-8.5Vとマイナス側に張り付いていました。即座に電源をオフして配線確認を開始します。その結果端子台に変更した電圧増幅段用の+電源配線がされていない事がわかりました。

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先を急ぐあまり接続を忘れてしまったようです。追加で配線を行いました。写真の赤の電線が追加した配線です。

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改めて通電確認を行います。電圧増幅段の電源をオンして、続けて終段の電源もオンしました。出力電圧を確認したところ、配線追加前と変わらずに、マイナス側に張り付いています。各部電圧を確認したところ、安定化電源の出力が出ていません。未配線で電源オンした事で壊してしまったようです。安定化電源の各部電圧をざっと確認したところ、誤差アンプ出力までは正常動作しているようです。ドライバ用のトランジスタのベースに高い電圧が印加されていましたが、出力が出ていない事からドライバトランジスタが壊れているようです。

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特性と回路簡略化の為に安定化電源に保護回路を一切入れていない事から、過負荷動作をさせると一発で故障してしまいます。やれやれ、まさにミスによる故障の連鎖という状況です。頭を冷やすために、1週間時間をとる事にします。次回は電源修理とアンプの動作確認を行います。

 

つづく(製作編15)

DCパワーアンプ電源改良(製作編13)

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製作編13

アンプ本体の組立および段階的に通電確認を行います。

リアパネル配線

製作編12にて、フロントパネル単体で配線(片側オープン)を行ったので同様にリアパネルの配線を行います。初めに入力信号の配線を行います。入力はバランスで、アンプ基板への配線はアンバランスとなります。電線は現行アンプのものを流用しました。2芯シールド線を2組使っています。Hot側の配線では、Cold配線をカットし、Cold側配線では、Hot配線をカットして使用しました。続いて、XLRパネルコネクタ配線を行います。3極側は終段用電源トランス2次配線となるので、1.25sq電線を、5極側はパネルコネクタの仕様から0.75sqの電線を使用しました。電線は少し長めにカットし、アンプ組立の配線時に必要な長さにカットします。

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次に、フロントとリアとサイドパネル(ヒートシンク)2枚を組立ます。トップおよびボトムシャーシがない状態です。先に配線した5極のXLRパネルコネクタの4pinと5pinをフロントパネルのプッシュSWと接続します。この状態で一旦通電確認を行いました。アンプユニットと電源トランスユニット間を5極のXLRケーブルのみ接続して電源オンします。まずは、電源トランスユニットの赤の電源ランプの点灯を確認しました。さらにアンプユニットのプッシュSWをオンすると、電源トランスユニットの緑の電源ランプが点灯し、仕様どおりの動作の確認ができました。

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電圧増幅段電源基板配線

再度電源トランスユニットを切り離して、アンプユニットの組立に戻ります。ボトムシャーシの取り付け前に、入力信号電線をアンプ基板と接続します。アンプ基板の入力は2極の端子台に交換済みです。

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続いて、電圧増幅段電源基板の配線を行います。電源基板2枚が取り付けられたボトムシャーシをアンプユニットに固定します。リアパネルの5極のXLRパネルコネクタの1~3ピンと電圧増幅段用電源基板の入力用端子台を接続します。

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次に赤の電源ランプと電圧増幅段用電源基板のLED用の端子台間を接続します。フロントパネル側の配線は完了しているので、基板端子台へ電線を接続します。

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この状態で通電確認を行います。確認項目は電圧増幅段用電源の出力電圧の確認と、赤の電源ランプの点灯です。改めて、電源トランスユニットと5極のXLRケーブルで接続して電源オンしました。初めに電圧増幅段用電源基板の出力電圧を確認しました。約+/-13.5Vの出力の確認ができ、問題ありません。あれれ、出力電圧は問題ないにもかかわらず、アンプユニットフロントパネルの赤の電源ランプが点灯しません。もしやと思いつつ、未配線のもう1枚のフロントパネルを確認したところ、LEDへの配線が+/-逆となっていました。カットしたユニバーサル基板を使ってショート防止の配線を行った際に、基板でLEDの極性表示が隠れてしまったので、記憶で配線したことを思い出し、ちょっとへこみました。気を取り直して、基板端子台側の接続を入れ替えて再度確認したところ、無事点灯確認ができました。LEDはダイオードなので逆バイアスでも電流が流れず、仮に流れたとしても電流制限抵抗で破壊まで至らなかったようです。ステップ毎の確認は大事と改めて思いました。

終段電源基板配線

ここで、通電確認にはあまり影響しないアンプの出力の配線を行いました。接続先はリアパネルのスピーカーターミナルです。続いて終段電源の配線を行います。初めにリアパネルの3極のXLRパネルコネクタと、終段電源基板の接続を行います。

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続いて、フロントパネルの自照式プッシュSWのランプ配線を行います。接続先は終段電源基板のLED用端子台です。

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この状態で改めて通電確認を行います。電源トランスユニットと3極および5極のXLRケーブルで接続を行い電源オンします。まずは電源トランスユニットおよびアンプユニットの赤のランプの点灯を確認しました。さらにアンプユニットのプッシュSWをオンします。アンプユニットの自照式SWの青のランプと、電源トランスユニットの緑のランプの点灯を確認しました。

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トラブルはあったものの、ここまでの通電確認は順調です。次回はアンプ基板の配線と通電確認を行います。

 

つづく(製作編14)

DCパワーアンプ電源改良(製作編12)

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製作編12

今回も予定を変更して、アンプ組立の前に電源トランスユニットとアンプ間を接続するXLRケーブルの組立を行います。

XLRケーブルコネクタ

組み立てるケーブルは、3極と5極のケーブルです。トランスが唸った際に電源トランスユニットを離して使う予定なので、ケーブルは長めに設定しました。実用時を想定して4.5mとしました。ケーブルコネクタはノイトレック製のものを購入済みです。

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写真は5極のオスコネクタです。ウィキペディアによるとノイトレックはXLRコネクタの最大手製造メーカーで、ノイトレックコネクタとも呼ばれるそうです。開発元のキャノンは、現在ITT社の傘下に入り、ITTとしてコネクタが販売されています。ノイトレックケーブルコネクタの仕様を確認してみます。3極、5極共に使用できるケーブルの外形は3.5mm~8.0mmとなっていました。また使用できる電線の太さは5極が1mmsq以下、3極が2.5mmsq以下です。アマゾンでキャプタイヤケーブルを探した所、上記の条件に合うものとして以下のものを発注しました。

・富士電線工業 3極 1.25mmsq、外形φ7.8mm

・富士電線工業 5極 0.50mmsq、外形φ7.1mm

5極用ケーブルを0.75mmsqに上げたいところですが、ケーブルの外形がφ8.0を越えてしまうため、あきらめました。アマゾンでは、送料込みの切り売りと、送料別の切り売りがあり、10m程度の購入になると、送料別の方が総じて安く買うことができました。

5極ケーブルコネクタ組立

組立に入る前に、ノイトレックのHPに掲載されていた、アッセンブリーマニュアルを確認します。

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指定の長さで被覆をむくだけです。それでは5極のオスコネクタから加工を開始します。パッケージを開けると、4つの部品が入っていました。

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最初にブッシングをケーブルに通します。

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続いてアッセンブリーマニュアルに従ってケーブルの被覆を剥きます。

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最初に電線を剥いてしまうと、ブッシングの挿入時に電線がばらけてしまうので、注意が必要です。続いて、インサートへ被覆を剥いた電線をハンダ付けします。ハンダ付けする電線の色と端子番号にはルールがあるのでそのルールに沿って接続しました。下記は、別メーカーの電線色の仕様の抜粋です。

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写真は上記仕様に従って端子にハンダ付けを行ったところです。

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続けてコネクタ内でケーブルを固定する為のチャックをケーブルに被せます。(写真左の黒いモールド部品)

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そこへハウジングを角度を合わせて被せます。

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最後に最初にケーブルの通しておいたブッシングをハウジングにねじ込みます。

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続いて5極メスコネクタの組立を行います。

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中に入っている部品が異なるだけで、組立の手順は変わりません。写真は電線をハンダ付けしたところです。

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オスの組立時のブッシングのねじ込みでで握力を使い果たしてしまったので、少しでも楽になるように輪ゴムを巻いてみました。

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気持ち楽になったようです。写真の通り組み上がりました。

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3極ケーブルコネクタ組立

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組立手順は5極と変わりません。使用する電線が3極に代わり、外形がさらに太くなるため、ブッシングのねじ込みに力が必要です。

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写真は電線の被覆を剥いたところです。同様に端子にハンダ付けします。

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案の定、5極のブッシングのねじ込みよりも力が必要で組立に苦労しました。3極ケーブルもなんとか組み上げて、トータルで5極コネクタケーブル2本と3極コネクタケーブル2本が完成しました。次回はアンプ本体の組立を行います。

 

つづく(製作編13)

格安オシロの導入(番外編36)

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番外編36

今回は予定を変更して、格安オシロスコープを導入したので概要を紹介します。

導入前

記事で何度も紹介したとおり、従来の波形観測ではポケットオシロスコープDS203を使ってきました。

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仕様は以下のとおりです。

・アナログ2ch + デジタル2ch

・アナログ帯域8MHz

・メモリ長4096

・入力感度50mV/div~5V/div(1:1時)

・内蔵バッテリ駆動(USB充電)

とりあえず、波形モニタができて、波形比較ができればいいという方には価格が約20,000円を考慮すると十分な仕様だと思います。それでも使っている中でいくつかの不満点が出てきました。

・操作性が悪い

本体が小さく、少ないキーのみなので仕方ない部分がありますが、少しでも改善させようと、ネット上のシステムソフトWILDCAT V4.5に書き換えて使用しています。

・プローブのコネクタの信頼性が低い

通常のオシロスコープはBNCコネクタが採用されていますが、本体が小さい為にDS203ではMCXコネクタが採用されています。

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このMCXコネクタの信頼性が低く、観測中にGNDが浮く事態が発生していました。MCX-BNC変換ケーブルを購入して通常のプローブを使用する事にもトライしましたが、変換ケーブルのMCXコネクタの信頼性が低く、対策にはなりませんでした。

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・入力感度が低い

プローブを10:1で使用すると、入力感度は500mV/divとなります。仕方がないのでプローブを1:1で使用して、さらに感度が必要な場合は10倍のプリアンプを使用していました。

・基本バッテリー駆動

長時間の測定時には不要なタイミングで電源オフする等の対応でバッテリーの消費を抑えました。

決断

上記の不満を抱えつつ、やりたい事が最低限できていた為、今まで購入を見送ってきましたが、貯まったアマゾンポイント(約7,000point)の有効利用と、消費税アップ前に我慢してきたものを買ってみたい衝動にかられて注文してしまいました。機種はOWON SDS1102です。購入時2019年9月時点のアマゾンでの価格は、送料と消費税込みで29,980円でした。仕様は以下のとおりです。

2ch/1Gs/s 100MHz帯域

・入力感度5mV/div~5V/div(1:1時)

・重さ1.5kgで厚さ約7cm小型仕様

・800x480 7inchカラーモニタ採用

・USBポート内蔵(PC接続およびUSB外部メモリー保存)

FFT機能搭載でスペクトラム解析可能

商品到着

注文から数日で大きめのamazon梱包箱が届きました。

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開けてみます。中には商品の梱包がラップされて入っていました。

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商品梱包を開けると、本体、電源ケーブル、USBケーブル、プローブ2本、CD-ROM、クイックガイドが入っていました。(本記事アイキャッチ写真参照)本体厚約7cmは昔ながらのオシロのイメージからすると格段に薄いです。

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基本操作は、ダイアルが機能毎に分けられて配置されていて、そこにファンクション呼び出し用のボタンがあります。このボタンを押すと画面右にサブメニューが表示され、画面横の5つのポタンで各機能を設定していきます。

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試用

さっそく信号を入力してみます。ソースは2ch発信器を使ってch1へは15KHzの正弦波をch2へは15KHzの矩形波を入力してみました。

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次に演算機能を試してみました。最初はch1 x ch2をその次はFFTモードです。

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FFT実行時は、画面が2つに分割されて、下側にスペクトラム分析画面が表示されます。上記の写真はch2の矩形波のスペクトル分析結果です。画面のキャプチャも可能で、前面にあるUSB端子へUSBメモリを差しすと外部保存ができます。

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下の写真は上記の手順でキャプチャしたBMPファイル表示結果です。波形の一部を拡大して観測している状態です。

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まだPC接続等、他にも機能はありますが追々使用してみたいとおもいます。特別な理由がないかぎり、これから導入するのであれば、DS203との価格差約1万円を考慮すると、どちらか選択であれば今回の製品をおすすめします。

 

おわり(番外編36)

DCパワーアンプ電源改良(製作編11)

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製作編11

残りのアンプ基板の改造を行い、アンプの組立に着手します。

アンプ基板の改造

2枚目のアンプ基板も1枚目の基板と同じ改造を行います。写真は改造前のハンダ面ですが、1枚目と同様に配線が汚いです。今更なので気にしない事とします。

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次の写真は改造前の部品面ですが、左端の電解コンデンサ2個と、左下の信号入力用ポストおよび右寄りの2つのポストを端子台に変更します。

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写真は改造後の基板です。

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1枚目と同様にヒートシンクに取り付けて、ヒートシンク上の部品との配線を行いました。

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段々いい感じになってきました。

フロントパネル配線

最初に電圧増幅段用の電源ランプ(LED)の配線を行います。このパネル用LEDは細い単線が2本出ているだけなので、配線後の信頼性を考慮して基板で端子を固定する事にしました。ユニバーサル基板を小さくカットして、その基板をLEDの細い端子の根本まで差し込み、その基板を介して電線を接続しました。

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これで電線を引っ張ってもショートの心配はありません。続いて、終段用のプッシュSW内蔵のランプ(LED)の配線を行います。このSWには5つの端子がありますが、両脇がLED駆動用の端子です。電線は適当な長さにカットしてハンダ付けしました。

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ボトムシャーシ加工

この状態でサイドパネル、フロントパネル、リアパネルを組立ます。

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写真はボトム側から撮ったものです。ボトムシャーシを置いて、その上から上記で組み立てたパネルを正規の状態で被せました。そこに実装予定の電源基板2枚を置いてみました。

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電圧増幅段用電源基板が大きくなりましたが、電源トランス2個がなくなったので余裕で配置できます。後の配線を考えて、電圧増幅段用電源基板をフロント側に、終段用電源基板をリア側に配置しています。ここで検討した結果を反映してリアパネルの加工図を作成します。いつものようにARCADで作成しました。実装部品は同サイズの基板2枚だけなので、固定用の穴8点のみです。若干リア側のクリアランスを大きく取っています。

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加工図を印刷しますが、サイズが大きくA4用紙には入りきりません。仕方がないので加工用の穴8点が入るようにリアのラインのみはみ出す状態で印刷しました。印刷した加工図を外形に沿って切り取り、ボトムシャーシに貼り付けます。

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写真のとおりリア側が足りませんが、加工用の穴8点は全て図中にあるので問題ありません。念のためこの状態でパネルを被せて、穴位置に合わせて基板を置いてみました。

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特に問題なかったので、この図面に従って穴開け加工を進めます。8点ともにφ3.2で穴を開けます。ボトムシャーシは流用なので、すでに多くの穴が開いていましたが、幸いにもオーバーラップする位置には穴がありませんでした。初めに終段用電源基板固定用のスタッド4本を立てます。

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このスタッドに終段用電源基板を装着してみましたが特に問題はありませんでした。

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同様に電圧増幅段用基板取り付けのためにスタッドを立てましたが、やや位置がずれていて装着できませんでした。スタッド固定用の穴をやすりで削って修正し、無事取り付けができました。

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ボトムシャーシもいい感じに仕上がりました。次回は、コネクタと基板間の配線を行い、アンプを完成させます。

 

つづく(製作編12)