小型スピーカーメンテナンス(FE103)まとめ編

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まとめ編

スピーカーユニットの交換を行い音を聴きその印象を紹介します。

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新旧スピーカーユニット

写真左がFE103で右がFE103Enです。フレームの形状は見た限り違いがありません。目に付く違いは、コーン紙とセンターキャップの色、センターキャップの形状、センターキャップ接着剤の色、エッジ色と材質です。フレーム・エッジ・センターキャップの接着剤の色味が近く一体感があり、逆にオフホワイトのコーンとセンターキャップが浮き上がり振動板径が大きく見えます。FE103はエッジとコーン紙の色がユニットの外観の印象を作っていたと感じてましたが、悪くない方向へ変わったと今更ながら思います。

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次の写真はターミナル部です。ファストン端子となっていますが、サイズが大きくなっています。リサイクルおよびCEマーキングがされている点も時代の経過を感じます。1980年代の中頃には、そのような考え方や仕組みがまだなかったものと思われます。

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次の写真は銘版です。FOSTEXのロゴを含めて記載に違いはありませんが、FE103Enの方にはJAPANの記載がありません。FE103は日本製、FE103Enは中国製のために削除されたと思われます。

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ユニット交換

スピーカーガードは、当時の純正オプション品ですが、木ネジでスピーカーユニットと友締めされています。スピーカーのフレームとの間にガスケットが入っていましたが、少々硬化していますが、使い回すしかありません。フレーム形状に違いはないため交換および取り付けに関しては全く問題ありませんでした。構想であげたメンテナンス性に対する考え方の勝利ということにしておきます。唯一、小型スピーカーにも関わらず内部の配線に太いモガミ電線のネグレックス同軸タイプのケーブルが使用されていてハンダ付けに注意が必要でしたが、当時の私の拘りが感じられました。

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音だし

アンプを常用しているBTL A級DCアンプからEL34pp真空管アンプに切り替えます。早速ボーカル曲ということで八神純子の「夢見る時を過ぎても」を聴きました。出だしは、ピアノとボーカルですが、ピアノと彼女のハイトーンがともに美しく再現されます。ボーカルは想像していた印象どおりですが、ピアノの再生が意外と良い感じでした。中盤以降のベース・ドラム等の楽器が加わったパートもフラストレーションなく良い感じで聴くことができました。ピアノが良かったことから、次は山下洋輔のラプソディーインブルーを聴いてみました。最初の印象は、こんなコーン材質でどうしてピアノの音がでるんだろうか?というプリミティブなものでした。山下洋輔独特のたくさんの鍵盤を一度に叩くような厚い音はちょっと苦手ですが、彼の自由な旋律を美しく再現してます。さすがに重低音はでませんが、思いの外低音は寂しくありません。今までの印象を総括すると、EL34ppアンプとの組み合わせはすごくいいです。このアンプは高域は欲張らず、中音域の響きが美しく低音は厚めに鳴らします。一方スピーカーはダクト面積を小さめにしているので、バスレフポートの効きは弱めで比較的密閉型に近い鳴り方をしますが、このEL34pp真空管アンプと良くマッチしています。フルレンジユニットは、マルチウェイの持つ位相問題は原理的にないので音の定位も抜群です。その後は時間の経つのを忘れて、ボーカル、ピアノに拘らずにいろんな曲を聴きました。

3回にわたり、私のささやかな自己満足の体験におつきあいいただきありがとうございました。

 

おわり