バランス入力シングルパワーアンプ製作(製作編4)

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製作編4

シャーシ加工が完了したので、トランスの取り付けを行い続けて配線の準備をします。

チップジャック

今まで説明してなかったので、トランス搭載前に簡単に紹介します。本アンプでは、赤3個、黒3個の計6個のチィップジャックを取り付けました。組立完了後の電圧のモニタを簡単かつ安全に行うための部品です。

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写真は終段のIp調整用に設けたものでテスターのリード端子を刺して使います。このように電圧モニタのために、シャーシ内部へわざわざアクセスする必要がありません。また構造上、通常使用時に感電の心配もありません。尚、写真では便宜的に両ジャックにテスタのリードを挿していますが、Ip測定の為の電圧モニタ時は片方をGNDのチップジャックに挿して電圧測定を行います。その際の調整は、写真チップジャック脇にφ10の穴が2つ写っていますが、この穴から終段Ip調整用のボリュームにアクセスして行います。この他に電源基板脇にB1電源とGND用のチップジャックを設けています。

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電源トランスの取り付け

電源トランスはノグチのPMC-190HGです。トランスのカバー固定用のねじと取り付け用のねじが共用されています。取り付け用のねじを取り外す際に、カバー固定用のねじがゆるむ可能性があるため、トランス取り付け前に締め直しておきます。トランスの向きは、真空管ヒーター配線を短くすることを考慮してヒーター巻き線出力側が手前となるように決めました。トランスの天面には養生用に段ボールを貼り付けておきます。

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出力トランスの取り付け

S1503(EL34pp)設計時には、トランス3個の配置決定前にハムの発生有無の確認を行いました。検討中の配置どおりに電源トランスと出力トランスを置き、電源トランスにAC100Vを通電します。出力トランスの1次側をショートし、2次側にスピーカーを接続し、ハムの発生がないことを確認しました。結果は全く問題ありませんでしたが、これは下記の設計によるものと考えています。今回もこれらの設計を踏襲しているため確認を省略しましたが、目論見どおりの結果となることを期待しています。

・大きめのケースを選定してゆったりした配置設計
 影響は距離の3乗に反比例します
・出力トランスがケースに入っていること
・電源トランスに磁気シールドタイプを選定したこと

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出力トランスソフトンのRW-20は、一次インピーダンスとして2種類が選択でき、更にUL接続用のタップ出力を2本持っています。

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今回はUL端子を使用しないため、不使用3本の電線を処理しておきます。簡単に行う場合、電線を切断すればいいわけですが、後で出力トランスを使い回すことを考慮して、不使用電線の処理用に圧着閉端子3個と、インシュロック2本が付属しています。ケースを外し、不使用電線を写真のとおり処理して再度ケースに収めます。写真左は処理前のトランスで7本の電線が引き出されています。右は処理中のもので不使用の電線3本を処理しています。処理後は外部出力線は4本のみとなり大変スッキリしました。電源トランスと同様にケースの天面に養生用の段ボールを貼りつけておきます。(本記事のキャッチ写真参照)

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配線の準備

シャーシ内部の作業を行うためには、アンプを裏返して置く必要があります。安定して逆さに置くためにボンネットを取り付けることとします。その際にトランスと同様に天面に養生用の段ボールを貼り付けます。これでシャーシを逆さにして配線の作業を安定して行うことができます。次回は電源の配線を行います。

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つづく(製作編5)