音楽の女神への挑戦(製作編8)

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製作編8

残り1チャンネル分の実装完了させ、シャーシ上の基板を載せ換えます。

JRC MUSES

本題に入る前に挑戦相手のJRC MUSESシリーズについて改めて紹介をします。繰り返しになりますがMUSESはギリシャ神話に登場する文芸を司る女神たち(9神)です。文芸の神アポローンが彼女たちを主宰するとのことです。JRCのMUSESシリーズは2017年2月現在、8品種がラインナップされていて、ギリシャ神話に合わせるとなると、もう1品種加わることが期待されます。ラインナップは、高音質オペアンプ、高音質電子ボリュームと昨年(2016年)秋に新登場した高音質オーディオ用sic-SBD(シリコンカーバイトショットキーバリアダイオード)の3カテゴリに分けられます。簡単に8品種についてまとめてみました。

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どの部品も大変良いお値段です。それぞれWeb上の特設サイトから秋月電子通販サイト上の各部品にリンクが張られていて簡単に購入できます。私はこの中で、MUSES01とMUSES8920を今までに使いました。どちらもJFET入力のオペアンプですが、価格差が示すとおり全く別物の音がしました。機会があれば、別の品種も試してみたいとおもいます。

channel-4実装・調整・確認

それでは本題に戻ります。4回路目の実装となると、実装上の注意点やこつが頭に入っていて効率良く実装ができました。記憶に頼った実装がミスの原因となる事も事実なので油断大敵です。尚、channel-3の実装が一番苦痛だった気がします。channel-4の使用トランジスタは以下のとおりです。NPNトランジスタは、考えずに選別用として20個購入しましたが、使用数ピッタリでした。初段の定電流源Q04と2段目のバイアス回路Q07はペアをとる等の特性を合わせる必要がないのでうまく配置する事ができました。

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前の回路同様に、初段が組み上がった時点で通電確認してから、残りを組み立てます。調整の最初にVR2/3をプリセットしますが、誤ってchannel-3の半固定抵抗を回してしまいました。調整はchannel-3からやり直しとなりました。channel-4の調整結果は以下のとおりです。

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調整後に2channel分の消費電流を確認しました。+電源が40mAで-電源が37mAです。この差は、初段のカスコード接続用の基準電圧を+電源から作っていることに起因します。オペアンプ基板の消費電流が8mAなので、5倍の電流を消費していることになります。

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当初基板面積に対して部品実装が厳しくなると予想していましたが、それほどぎっちりという感じにはなりませんでした。結果が良かったら、オペアンプのリファレンス基板としたいと考えています。

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基板の載せ換え

容易に基板の載せ換えができる設計としましたが、何回も交換したくないので、交換前に改めてオペアンプ基板の音を聴いて記憶にとどめます。各基板の3極の端子台3カ所と基板固定のねじを外し基板を交換します。基板上の一部の部品と配線が干渉しましたが、端子台の位置を合わせたので大きな問題はなく配線ができました。

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通電確認

今回組み立てたディスクリート電源と組み合わせての初通電となります。ユニバーサル電源をつかった通電時は、+/-12.1Vを供給していましたがやや低めの電圧となっていました。供給電圧の違いから各チャンネルの出力オフセット電圧が最大で10mVくらいまでずれていたので、出力オフセット電圧のみ再調整しました。

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電源の確認

消費電流がオペアンプ基板の5倍となっているので、念のため電源の出力トランジスタ印加電圧のリップルを確認しておきます。オペアンプ基板接続の際の99mVppと比べ146mVppと約1.5倍となっていましたが、このトランジスタの印加電圧4.4Vに比べて小さいので問題ありません。

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これでやっと組立が完了しました。次回は音だしを行い音楽の女神との勝負を決着させます。

 

つづく(製作編9)