バランス変換ボリューム2(製作編10)

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製作編10

電源基板の部品実装が完了しましたので、電源基板とトランスを載せ替えます。

バランス変換ボリュームの状態

製作編8で、バランス変換アンプ基板の載せ替えが完了しています。今回は電源基板を取り外し、その代わりに新たに製作した電源基板とトランスの実装を行います。写真は現状(最終改造前)のシャーシの状態です。

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改造開始

基板固定用のねじ4本を外し、基板をフリーな状態にします。電源基板への配線は、全てハンダ面にハンダ付けされているため、基板を裏返して配線のハンダを外していきます。続いて基板固定用のスタッド4本を取り外します。

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バランス変換アンプ取り付けの際と同様に、未実装の基板をシャーシに置いて、スタッド固定用の穴を現物合わせで位置出しをします。その隣に、トロイダルトランスの現品を置き、固定用の穴の位置出しも行いました。その固定位置は、無理のない範囲で、バランス変換アンプから遠ざけました。位置出しした8カ所にφ=3.2の穴をあけます。基板固定用の穴4カ所に基板固定用のスタッドを取り付けます。スタッドは電源基板を固定していたものを流用しました。バランス変換基板の固定は、部品クリアランスの関係で10mmのスタッドを使用しましたが、電源基板は流用した為15mmとなっています。

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次はトランスを取り付けます。バランスボリュームの製作で使ったものと同じもので、出力として12V/500mA巻き線を2つもっています。共立エレショップで2057円で購入したもので、型番はHDB-12(L)です。1次巻き線として120Vのタップをもっていますが今回は使用しないため、後の流用を考慮して適当な長さに切断してショート防止の保護をして束ねておきます。全ての配線を流用しようとしましたが、電源LEDと片チャンネル分の電源線が基板端子台の位置が従来の接続位置と変わったため届きませんでした。その2カ所のみ新たに線材を準備し、所定の基板端子台に接続して改造完了です。

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通電と調整

初めに電源部の動作を確認します。実動作時の出力電圧は以下のとおりです。

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続いて動作時の出力トランジスタに印加される電圧を確認します。片チャンネル分のトランジスタ印加電圧波形を+電源とー電源ともにモニターしました。

■+電源Tr印加電圧波形

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■ー電源Tr印加電圧波形

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結果をみると+電源側がVdc=4.16V、Vpp=0.40Vでー電源側がVdc=4.80V、Vpp=0.32Vとそれぞれのトランジスタには、動作のために最低限必要な電圧がかかっていることが確認できました。値は+とー電源間で異なっています。この原因は、アンプの初段のカスコード接続の基準電圧を+電源から作っていて、1つのアンプあたり約1.4mA、片チャンネル分でその倍の2.9mA分+電源の方が余計に電流を流している為に、+電源のリップル電圧Vppが大きくなり、逆に平均印加電圧Vdcが小さくなっています。別チャンネルも同様に確認しましたが、同じ結果なので紹介は省略します。電源か変わったことで電源電圧が微妙に変わるため、改めてアンプの出力オフセットの調整を行います。バランス変換アンプのシャーシ実装時と同様の手順で、非反転出力側から調整します。調整の結果は以下のとおりです。

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これでバランス変換ボリューム2の改造がようやっと終わりました。次回は音を聴いてその印象を紹介します。

 

つづく(まとめ編)