まとめ編
1000Mのセミマルチアンプ駆動暫定環境の構築が完了したので音出しを行い、その音の印象を紹介します。
実験3環境
音出しの前に、改めて構築したシステムの特徴を箇条書きにまとめます。
・NS-1000Mを使用したセミマルチアンプ駆動システム
ウーファーはチャンネルデバイダー+アンプダイレクト駆動
ツイーターとスコーカーはネットワークによる帯域分割駆動
・フルバランスシステム(USB-DAC~スピーカーユニット)
・ウーファーの駆動はBTL DCパワーアンプ
・ツイーターとスコーカーの駆動はEL34ppパワーアンプ(バランス入出力)
・ベッセル特性アクティブフィルター採用のチャンネルデバダー(バランス入出力)
Low出力:fc=500Hz, -12dB/Oct
バッファとアクティブフィルターにMUSES01オペアンプ使用
簡単にブロック図を描いてみました。
実験3システムの狙い
今回音を聴くにあたり、そのポイントを改めて整理します。
・NS-1000Mの重く鳴らしにくいと言われているウーファーユニットを低インピーダンスで駆動することどのように鳴るのか?
・EL34ppアンプの中域の美しい響きと、BTL DCパワーアンプの低域の駆動力の両立
・ツイーター、スコーカー信号伝送経路からウーファーによる逆起電力の影響の排除
このようなポイントを意識して音を聴いてみたいとおもいます。
音の印象
最初に音を聴いた時の全般的な印象を紹介します。中高域はEL34ppアンプの美しい響きと、低域はBTL DCパワーアンプの駆動力に基づく力強い音がします。中域はEL34ppパワーアンプによる通常駆動時より響きが美しく聴こえますが、ウーファーの逆起電力の影響を受けずにスコーカーとツイーターを駆動している為でしょうか?低音の音の表情は、オリジナル状態とだいぶ変わりました。楽曲によっては低音の量感は後退したように聴こえますが、レベルおよび帯域は十分あります。ウーファーユニットの低インピーダンス駆動により制動が効き余計な共振が押さえられた為と考えられます。アコースティックギターやドラムの胴の部分の響きが聴きとれます。海外のカラっとしたスタジオで録音された楽器の音とでもいいましょうか?NS-1000Mの音の最終調整はネットワーク込みで行われているはずなので、設計者とは違った音を聴いていると思いますが、私はこの音の方が好みです。もしかするとネットワーク設計時にNS-1000Mもマルチアンプ駆動されていたのではとも考えてしまいました。それでは具体的な楽曲の音の印象を紹介していきます。
■アズ・ライト・アズ・レイン/BJ2
音の響きが美しく特に中音域の奥行き感をより感じます。ストリングスがきれいに鳴ります。ベースの基音が明瞭に聴きとれます。
■卒業写真/井筒香奈江
ウッドベースのアタック音がリアルで音も明瞭。ボーカルは素直な印象です。
■ゴンチチ
アコスティックギターがよく響きます。ギターの胴の響きが感じられ、他弦楽器が響き、奥行き感もより感じられます。
■Highway star/MACHINE HEAD
ベースとドラムが軽快に鳴り、リズムがより安定して聴こえます。
■木星/惑星
ホールの響きがより感じられ、演奏の奥行き感が増して聴こえます。
■冬音/海風
ベースの音がクリアで量感と芯のある音がします。
という事で、いくらでも聴き込んでしまいます。キリがないので一旦まとめます。
まとめのまとめ
今回聴いた音はよりモニター調の印象で、私の好みの方向に変わりました。今回も実験3という事でまだ試験運用状態でしたが、このシステムを普段使いできる物へとブラッシュアップしていきたいとおもいます。4連ボリューム2個の音量調節は意外と操作性は悪くなかったので、この仕様ままケースに納めて次のステップに進めたいと考えています。
次回は、常時運用できるようにセットアップを進めたいとおもいますが、具体的に何をするのか現時点では未定です。
つづく(??編)