マルチアンプ実験4(まとめ編)

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まとめ編

A級BTL DCパワーアンプの修理が終わったので、マルチアンプ対応改造した1000Mのウーファーをこのアンプで鳴らしてみます。

マルチアンプ実験4

マルチアンプ実験3では、マルチアンプ対応改造したNS-1000Mのウーファーの駆動をエルサウンドのEPM-30INVで行いました。このアンプもBTL方式モノラルパワーアンプで私の考え方に合った仕様でしたが、自分で設計製作したアンプで早く鳴らしてみたいと考えていました。参考にEPM-30INVの仕様を自作アンプと対比してまとめてみました。

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電源トランスの仕様と電力容量は自作アンプが劣りますが、他は勝っています。気になる点は、EPM-30INVはDCサーボをかけて出力オフセットを下げているようです。聴感上どんな違いがでるのか気になります。それでは、修理を終えたA級BTL DCパワーアンプで、1000Mのウーファーの駆動をしてみたいとおもいます。切り替え後(実験4)のシステムブロック図を掲載します。

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全体的な音の印象

音の印象は、非常に素直です。ベースが張り出してくるような印象もありませんが、超低域までちゃんと再生されています。また、ボーカル等の中音域が癖がなく素直です。一方、EPM-30INVはマルチアンプ構成ではなくふつうに鳴らした時の音は硬目の音で、マルチアンプ駆動したときもその印象を引きずっていましたが、この比較試聴で改めて感じました。それでは具体的な楽曲の印象を紹介します。

■はげ山の一夜/BJ1

これはBob Jamesの初期のアルバムで、クロスオーバーとかフュージョンに分類されます。初期のBob Jamesは全般的に荒削りで勢いを感じる点が気に入っています。今回のシステムの再生音は全体的にマイルドな印象です。中域は素直で、低域も素直に伸びている印象です。音量を上げていってもうるささを全く感じません。

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■フィール・ライク・メイキン・ラブ/BJ1

ベースがフィーチャーされた落ち着いた楽曲で、無理なく重低音が出ています。ベースとかぶる部分の主旋律の演奏が美しく聴こえます。

■断頭台への更新/幻想交響曲小林研一郎

コバケンらしいのびのびとした演奏です。中音域の弦楽器の響きが美しく、ホールの奥行き感をより感じます。このシステムは交響曲との相性がよさそうです。

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■SPREAD YOUR WINGS/QUEEN

黄金期のQUEENのアルバムです。久しぶりに聴きましたがいい感じです。フレディーのボーカルが。生き生きと再現されます。

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■氷の世界/井筒香奈恵

井上陽水のカバー曲ですが、編曲が全く異なります。ピアノ、アコーディオンウッドベース、ボーカルのみのシンプルな楽曲です。ボーカルはいままで聴いてきた組み合わせの中で一番素直な印象です。ピアノの音がきれいでウッドベース弾む感じもいいです。

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■THE MAGIC FLUTE/ROCK vs OPERA

歌はオペラ、編曲と演奏がロックのクロスオーバー楽曲です。重低音が無理なく再生され、透明感のあるオペラボーカルが際だちます。

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■BLACK MARKET/WEATHER REPORT

ほのぼのとした演奏の感じがいいです。ライト・クラッシュ・ハイハットシンバルきれいに再生できてます。

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まとめのまとめ

エルサウンドのパワーアンプと比較して、素直な音に変わりましたが、自作アンプで採用した理想を求めた差動アンプ動作と純A級動作で高調波歪みが押さえられている事に起因しているのかもしれません。全般的に良い結果だったので、いよいよチャンネルデバイダを常用できる状態に仕上げたいとおもいます。次回からはタイトルをチャンネルデバイダーの製作として本記事のシリーズを完結させていきます。

 

おわり(実験4)