チャンネルデバイダ製作(設計編)

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設計編

実験4の音がいい感じだったので、チャンネルデバイダを常用するために仕上げます。

はじめに

今までの実験編で、バラック状態でチャンネルデバイダーを使用してきましたが、常用するためにケースに収めてまとめあげます。チャンネルデバイダー基板は完成していて、キーパーツのXLRパネルコネクタ、4連ボリュームはバラックで使用した物を流用します。バラック状態で使用した電源は、バランス変換ボリューム改造前に搭載されていた物を流用しましたが、トランスを含めて左右完全独立とは言え、トランスの電流容量が60mAとプアな物なので再製作します。従って、本シリーズではチャンネルデバイダを組み上げる為に下記の製作を行います。

・ケースの選定、設計と加工
・電源の設計および基板の製作
・電源トランスの選定
・組立

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ケースの選定

オーディオ全盛期と違い、オーディオ用に適したケースの選択肢が少ないとおもいます。というよりも、学生時代のように血眼になって探さないからかもしれません。ということで、今までバランスボリューム等で使用してきたケースが使用できないか、まずは確認を行いました。タカチ電機工業のUS-260LHです。

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初めにリアパネルにXLRパネルコネクタが必要数分収まる事の確認です。入出力は全てバランスで、入力2チャンネル、出力は4チャンネルなので合計6個のXLRパネルコネクタの実装が必要です。L/Rチャンネルで上下に配置できれば横に3個並べれば納めることができます。XLRパネルコネクタの高さ方向のサイズは31mmでケースのパネル高さが80mmです。

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縦2段に並べると、コネクタを除く残り寸法は18mmです。上下クリアランスを7mm、間を4mmとすればなんとか配置できそうです。他、ヒューズホルダとACインレットの実装は問題ありません。続いて、今回2個実装する4連ボリュームと基板の干渉の確認を行います。従来は、ボリュームが1個だったので、基板とボリュームが被らない位置に配置できましたが、今回はボリュームが2個なので被らない配置にはかなりの制約があります。写真はバランスボリュームの配置。

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ボリュームの正面からの投影サイズはおよそ30mm角です。ボリュームをパネルの上下の中心に取り付けると、シャーシ高さが80mmなのでボリューム下のクリアランスは約25mmとなります。基板上の部品実装高さが約20mmなので基板固定用のスタッドに5mmの物を使用すると基板実装部品とボリューム間のクリアランスは約0mmとなってしまいます。仕方がないので、基板とボリュームが被らない位置配置を検討します。

電源の設計

今回採用の回路は、ボルテージフォロワとベッセルフィルター回路でHotチャンネルトColdチャンネルが完全逆相動作します。実動作時にオペアンプ回路内バイアス電流がカットオフしない状態で動作している時は、電源の消費電流は信号に依存せず一定値となります。この前提で、実動作時の能動動作(フィードバック)をしない方式、すなわちバランス変換ボリューム2で採用したものをトロイダルトランスを含めて流用したいとおもいます。回路は以下のとおりです。

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部品の収集

タカチのケースは、アマゾンに注文しましたが4日で届きました。トロイダルトランスとボリューム用のつまみは共立エレショップへ発注しました。つまみは、パネルに2つつくことからサイズをφ45(1,902円)からφ30(977円)の物に変更しました。これにより価格も約半額に押さえられました。

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これ以外の主に電源基板に使用する部品は全て秋月電子へ注文しました。次回はケースの加工図面を作成して製作を進めます。

 


つづく(製作編1