チャンネルデバイダ製作(製作編1)

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製作編1

チャンネルデバイダの設計方針がまとまったのでケースの加工図面を作成して製作を開始します。

リアパネル設計

US-260LHのパネル寸法は80x256mmです。前回の記事にも書いたとおり、入出力用に6個のXLRパネルコネクタを取り付けます。上下2段として上をLチャンネル、下をRチャンネルとし、後ろから向かって左側を入力、その隣をスルー出力、右をLow出力とします。残りのACインレットとヒューズホルダを右から並べます。今回もいつもお世話になっているフリー2次元CADのAR CADで図面を作成しました。

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本来であればヒューズホルダを除き、部品は内側から取り付けた方が見栄えがいいですが、パネル加工の仕上げに自信がないので全て外側から取り付けて切断部を隠すようにしています。取り付け方法によってパネルの加工寸法が変わるので要注意です。

フロントパネル設計

正面向かって左側に電源ランプと電源SWを取り付けますが、前の機種に位置をあわせました。問題は2つのボリュームの配置です。見栄えからボリュームをパネルの上下中央に取り付けるとすると、前回の記事で書いたとおり、フィルター基板上で一番背が高いフィルムコンデンサと位置が被らないようにする必要があります。さらに組立性を考慮すると基板端子台位置と被ることもNGです。下記はバランス変換ボリュームの配置です。

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増えたボリュームを加えればバランス変換ボリュームと実装部品は全て同じなので配置検討の参考になります。現在のボリューム位置を5mm左によせて、左側に55mmあけてボリュームを追加することにします。そのために、トロイダルトランスを可能な限り左に寄せます。これでパネルのほぼセンターに2つのボリュームが並び、なんとかデザイン的に許せる範囲で実装ができそうです。早々に図面化しました。

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各ボリュームの取り付けは、回り止めのφ3の穴がありますが、過去誤差を考慮してφ3.2であけていましたが、微妙な角度で本体が回り感触が悪かったので今回は注意して加工したいとおもいます。

リアパネルの加工

届いたケースの梱包が思いの他小さく、注文を間違えたとはらはらしながら梱包をあけました。全ての板金部品が分解されて小さく収められていただけでした。

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加工図をいつものとおり等倍で印刷します。

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外形寸法に沿って切り取り、パネルに貼り付けます。

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穴のセンターにポンチで印をつけていきます。パネルはフランジ部が折り曲げられているので、フランジ長よりも厚い当て木を入れてポンチの際にパネルが歪まないようにします。ACインレットの角穴はハンドニブラであけるので、刃を入れるための穴と、寸法線を画くために四隅にポンチを当てました。図面を剥がしてACインレットの角穴部に加工線を引きます。

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まずはふつうのドリルで無理なくあけられる7mmの穴をあけました。

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次に、ACインレット用の角穴をあけます。ハンドニブラの刃が入るまで加工用の穴を広げます。刃がはいったら、加工線に沿って切っていきます。この穴のサイズであればわけなく加工できます。穴が開いたら平ヤスリで仕上げ、ACインレットが外側から正しく取り付くことを確認して終了です。

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次にヒューズホルダ用の穴をあけます。回り止めのために幅11.8mm幅の長方形部分と上下にφ12.8mmの円弧が付いた形状です。初めにφ11.8の丸穴を開け、平ヤスリで両側の長方形部分の加工を行いました。最後に円弧部をヤスリを使って加工しました。ホルダ現品を使って様子を見ながら削ったのでいい感じに仕上がりました。

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残りは6個のXLRパネルコネクタ取り付け用の穴加工です。φ21の穴はシャーシパンチであけますが、そのためにはφ10mmの穴をあける必要があります。φ7からφ10mmの穴の拡大にはステップドリルを使いました。ステップドリルの刃は8mmの次が10mmなので2段ステップで10mmの穴をあけます。10mmの穴がありたらシャーシパンチをセットしてφ21の穴を開けていきます。まずは3個開けたところで、手が痛くなったので一旦休憩です。

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休憩後、残り3個の穴を一気に開けました。今日は最後にあげたφ21穴6個の穴加工で体力的に限界を感じたのでこの日の作業は終了です。次回は、パネルコネクタを収めるために6個の穴の追加加工から再開します。

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つづく(製作編2)