A級バランスHPアンプ製作(製作編4)

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製作編4

トランジスタの実装前の準備が終わったので、基板実装を開始します。初めはプリアンプ基板を製作します。

プリアンプ基板

プリアンプ基板は、ボリュームを低インピーダンスで駆動して所定の減衰量を得ることと、アンバランス入力選択時に、信号をバランス変換するために入れています。回路図を改めて掲載しますが、点線の枠内が基板に実装される片チャンネル分の回路になります。

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回路図内の主要部品としては、オペアンプ2個のみですが、それ以外に信号の入出力および、電源入力用の端子台が必要です。必要な端子台の数は、バランス信号入力用に3極が1個、アンバランス信号入力用に2極が1個、バランス信号出力用に3極が2個、左右独立電源としているため、電源入力用に3極が1個必要です。片チャンネルトータルで3極が4個、2極が1個必要です。1枚の基板に左右分の実装を行うため、さらに倍の数の実装が必要となります。基板に実際に部品を置いて配置の検討を行います。その際の条件として以下の項目を考慮しました。

・左右の信号が平行して流れる

・左右の部品配置が同じ事

・信号の入力が基板の1辺にまとまり、出力が対向する辺にまとまる事

・端子台への配線が他の部品でやりにくくならない事

・基板固定用のナット締め付けが他の部品に干渉されない事

端子台をなるべく多く基板の1辺に並べるために、信号を基板の長手辺から入力します。対向する長手辺2つを使っても、上記で見積もった10個の端子台を並べる事ができません。苦肉の策として、電源入力用の端子台を手前に配置し、信号入力用の端子台をその背後に並べることで入力用の端子台6個を、基板の1辺に並べる事ができました。その対向する辺に出力用の端子台4個を並べます。

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電源パスコン用の電解コンデンサとしてニチコンKZ(MUSE)100uF/50V品を購入していましたが、サイズが大きすぎて実装できなかったため、急遽手持ちのニチコンFG(Fine Gold)100uF/25Vに切り替えました。他の基板でも同様な事が起こるので、FG品を追加発注したいとおもいます。

部品実装開始

大物部品の配置が決まったので、全部品を仮止めします。ハンダ作業中に部品が外れて位置がわからなくなることを防ぐために、各部品の1つの端子をハンダ付けします。次にGNDの配線を行います。信号の入出力用の端子台と電源入力用の端子台のGNDを接続していきます。オペアンプの各電源端子にパスコンとしてフィルムコンを配置しますが、電源端子側と反対側の端子をGNDに接続していきます。基板上では、GNDを含めて左右独立としているので基板内ではGNDラインも2系統となっています。

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つづいて、アンプの回路を作り込みます。使用する部品は10KΩの抵抗のみです。抵抗実装に十分なエリア確保ができなかったため、抵抗は立てて実装しました。実装する抵抗は、1回路当たり入力抵抗1本と反転アンプの場合に抵抗2本が必要です。とはいえ、トータルでアンプが8回路分あるのでそれなりに手間がかかりました。

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ここまでの実装では、配線として被覆電線を使わずに済んでいます。残りは電源の配線および端子台への信号の配線が残っていますが、配線が交差するため、被覆電線を使います。

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電源の配線

電源入力用の端子台とオペアンプの電源端子を接続します。後でわかりやすいように+電源を赤で、マイナス電源を青で配線しました。配線する上で、残りの信号ラインの配線の際のハンダ付けでじゃまにならず、かつハンダ付けの熱で被覆が溶けないような敷線を心がけました。

信号ラインの配線

アンバランス入力、バランス入力、バランス出力用のそれぞれの端子台とオペアンプ間を配線してゆきます。今週は、アンバランス入力用の配線を行ったところで力つきてしまいました。

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次回は配線の続きと、通電確認を行います。

 

つづく(製作編5)