製作編11
amp2の製作が完了したので次の基板のamp3の製作を開始します。
amp3製作開始
ここからは先の基板のコピーの製作となります。自分の製作した手本を見ながら実装を行います。細部についてはより効率の上がる配線があれば変更します。
amp3初段の実装
カスコード接続用のNPNのペアを選択します。コンプリメンタリペアになりにくいhfeの小さなものからNo.1と18を選びました。
続いて初段の電流源用のNPNを選択します。このトランジスタと温度補償用のトランジスタの選択は、異端の特性の物を消費できるので選択が楽しいです。単価20円の物なのに貧乏性だと思います。
ペアとならないNo.14を選択しました。バランス方式は同じアンプを4回路製作する必要があり、amp3の実装が一番苦痛です。amp4になると実装枚数は増えますが終わりが見えてくることで気分的に楽になります。
amp32段目の実装
差動アンプ用のPNPペアを選択します。
コンプリメンタリペアになりにくいhfeの大きな物からNo.13と22を選びました。次に温度補償用のNPNを選択します。
ペアからあぶれるNo10、hfe=168を選択しました。温度補償用のトランジスタは終段のPNPトランジスタに接着させますが、終段のトランジスタと隣の列への実装では近すぎ、1列空けると離れすぎてしまい密着させる事ができません。仕方がないので写真のとおり足をフォーミングして終段トランジスタの隣の列へ実装しています。
一通りの部品実装を終えた状態のパターンは比較的すっきりしています。
この状態で未接続な配線および部品は以下のとおりです。
・初段出力と2段入力間配線
・負帰還配線
・温度補償用トランジスタ配線
・位相補償用のコンデンサ2個
・信号入力配線
・入力段と終段のGND配線
・初段J-FETソースと定電流源トランジスタ配線
上記の配線を行っていきますが、意外と手間がかかり時間もかかります。完了するとこんな感じになります。
せっかくすっきりしていた配線が、かなりごちゃっとした状態になってしまいました。最初の配線に気を使わないと、完成時の配線がおそらく山盛り状態となってしまいます。
通電調整
amp3になると初通電も躊躇がありません。慣れとは恐ろしいものです。3つの半固定抵抗をプリセット状態から調整していきます。順番は前回同様に、VR2で2段目の差動アンプの電流を上げてゆき、VR3で終段のアイドリング電流を上げてゆきます。VR1で出力オフセットを調整します。それぞれ一気に上げずに途中まで上げて3つを順番に調整し、設計値に追い込みます。調整後の各部の電圧は以下のとおりです。
次に終段アイドリング電流の温度補償特性の測定をします。今までの測定と同様に素子の温度を常温に戻して、通電開始から15秒ごとに終段のアイドリング電流を測定しました。結果は以下のとおりです。
接着後のクリップで圧着させた状態で測定したためか、熱容量が今までの測定に比べて大きな結果となっていました。amp4測定時には考慮したいとおもいます。残すところamp4の実装となり、アンプの製作の終わりが見えてきました。正直なところ、繰り返し作業の場合、記事の作成に苦心してます。めげずに次回amp4を完成させたいとおもいます。
つづく(製作編12)