A級バランスHPアンプ製作(製作編18)

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製作編18

前回、シャーシへの基板とトランスの取り付けが終わったので配線を行います。

配線

配線の種類を分類すると、電源の1次配線、電源の2次配線、信号の配線、電源ランプの配線があります。電源の2次配線にはトランス-電源基板間と電源基板-アンプ間に分類できます。最初に電源基板-アンプ間の電源線の配線を行います。

アンプ基板電源配線

この部分の配線には、古川電工のBX-S0.75sqを使用しました。被覆はポリエチレンで高周波特性が良く、柔軟性と機械的強度もあります。BX-Sのポリエチレンは電子線で照射架橋した耐熱電線で、320℃のハンダ槽に1分浸しても溶融しないとの事です。オヤイデで購入しましたが、100円/mとそれなりの価格です。

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初めに、ヘッドフォンアンプの終段の+/-9Vラインの配線をします。左右独立電源なので各ヘッドフォンアンプ基板に独立して配線します。GNDラインはループを避けるため配線をしません。

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次に+/-12Vラインの配線をします。配線先は、プリアンプ基板とヘッドフォンアンプの電圧増幅段と2つの端子台になります。電源基板側の端子台は、左右アンプ用にそれぞれ1つづつしかないので、分岐電線をつくりました。ハンダ付けした部分は熱収縮チューブで処理しています。

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GNDラインは、ループを避けるためにプリアンプの電源端子台へのみ配線しています。このあたりは、実際に動作させて決めたいとおもいます。写真はここまでの作業を終えた状態です。

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さらに配線を進めるために、フロントパネルとリアパネルを取り付けました。(本記事アイキャッチ写真参照)

1次側配線

1次側に関係する部品は、ACインレット、ヒューズホルダ、電源スイッチとトランスです。トランスは今までの製作と同様にトロイダルトランスを選択していますが、今回は従来の物に比べて1サイズ容量の大きな物を使っています。

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従来使ってきたものは、2次巻き線として12V/500mA x2でしたが、今回は12V/1A x2の容量をもっています。これでヘッドフォンアンプの終段のA級動作も余裕で対応できます。ラベルからもわかるとおり、1次側に120V用のタップを持っていますが、今回は使用しないためこのタップ用の電線は処理をします。2.5mmの端末保護キャップを被せてインシュロックで縛りました。

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トランスの1次100V入力を電源スイッチ、ヒューズホルダ、ACインレットに配線します。電線はトランスの1次入力電線の切れ端を流用しました。1次電源線の2本の線のループ面積を小さくするように2本の電線はできる限り平行して配線しました。

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2次側配線

トランスの2次巻き線を電源基板に配線します。トランスのラベルに印刷されているとおり、2次巻き線は2巻き線独立となっています。黄と白の電線を束ねてGNDとし、灰と橙を逆相のAC出力として電源基板に接続します。

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最後の信号線以外の配線となりますが、電源ランプの配線をします。ランプからは細い足が出ていて、直接電線を接続するとショートする心配があるので、小さくカットした基板で足を一旦受けて、その基板へ電線を接続しました。これで少々電線を引っ張られてもショートの心配はありません。

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信号線の配線

信号配線用の電線にはベルデンの1503Aを使います。この電線は2芯シールド線で外形が3.6mmと比較的細く、機内配線に適しています。この電線の一番の特徴はDuofoilシールドです。

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外側の被覆の内側にアルミ箔テープが貼られていて、そこにドレインワイヤーが接触しています。配線時に外側の被覆をカットするとアルミ箔テープは被覆とともにカットされてドレインワイヤーと2本の芯線のみ残ります。メーカーの説明によると網線によるシールドよりも効果が高く、なにより一番良い点は配線時に3芯の電線のように扱える点です。

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この電線ですが、アマゾンでも買えます。10mで1550円でした。

次回は、この電線を使って信号線の配線を行います。

 

つづく(製作編19)